1995年にカリフォルニア州サンノゼでスタートしたeBay。
消費者向けオンラインオークションとショッピングウェブサイト機能の他、チケットの取り扱いや送金サービスPayPalの扱いもあります。
eBayの売上高は160億ドル、関連事業は8社にもおよび3万人以上の従業員を抱えるグローバルなeコマースの企業です。
インターネットバブル時代を象徴するような企業も、一人の起業家から始まりました。
今回はeBay創業者、Pierre Omidyar(ピエール・オミダイア)氏についてご紹介します。

きっかけは壊れたレーザーポインター

Omidyar氏は1967年パリに生まれであり、現在は78億ドルの資産を持つeBay会長です。
他のインターネット業界のベンチャー起業家とは異なり、特にその道を目指していた訳ではないようです。
幼少時代に家族とともにアメリカへ移民、14才で初めてプログラミングを経験し、Tufts大学ではコンピューターサイエンスを習得しました。
卒業後は、マックのソフトウェア開発やアップル社の子会社などでIT業界に身を置きながら働いていました。
ebayのきっかけはシンプルなもので、1995年夏、趣味で作っていたウェブサイトにオークション機能を入れた事に始まります。
自身が初めて売ったのは、壊れたレーザーポインター。購入者が壊れていることを認識しているか念のため確認したところ「壊れたレーザーポインターを集めているんだ」という回答でした。
意外な市場の存在に気がついたOmidyar氏は、その後も人々が様々な商品を売り買いできる場所を提供し、大きな反響を生み出します。
売り上げから小さな管理費を徴収する事で自然に収入が入ってくる仕組みを構築していきました。
9ヶ月後には会社を辞め、オークションサイトのビジネスに専念することにしました。
1998年には会長へ就任、Meg Whitman氏をCEOに迎え、同社は世界展開しながら急成長を続けていきます。

インターネットオークションを脅かす悪者との戦い

当時新しかったインターネット上オークションでは、様々な問題がおきました。
深刻だったのは未払い・詐欺問題です。この問題を解決するためオンライン決済システムPayPalを開発しました。ユーザーにも同サービス利用を推奨しています。
また、メンバー同士で書き込みを行い、悪者情報を共有するシステムを構築し、運営側も悪者は徹底的に排除する姿勢をみせています。
Omidyar氏は1996年に、ユーザー向けに出したレターを出しました。現在でもウェブ上に掲載されています。
「1995年に立ち上げて以来、『正直な取引』の場を提供してきました。世の中の悪者の存在、これは避けられません。しかしeBay上では悪者は逃げられない。悪者は徹底的に排除します。そして皆さんにも協力いただきたい。クレーム、問題は積極的に書き込みをしてください」と言う一方、「しかしここは個人取引の場です。相手は人間です。あなたと同じです。間違いも時には起こすでしょう。人間なのだからこれは仕方がない事ですよね。」(ebay.com)
というOmidyar氏らしい一面も見せています。
オークションであるため高級・有名ブランドは自社ブランドイメージや価格帯を崩されたと訴訟問題に発展することもあります。
有名なのは2010年ティファニーによる訴訟です。自由な商慣習の範囲だとeBayの勝利に終わりましたが、このようなリスクとは常に隣り合わせのようです。

より良い世界へ

現在では会長としてeBayの第一線からは退き、博愛主義者としても名高いOmidyar氏。
妻のPam氏と立ち上げた「Humanity United」を通じ、巨額の富を世界の奴隷問題に焦点を充てた機関へ寄付活動を行っています。
正当なジャーナリズムの投資機関を立ち上げ、より良い世の中のために活動し続けています。
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