今回のインタビューでは、Aniwo 代表取締役CEO 寺田 彼日 (Ani Terada) さんに「起業の経緯」「イスラエルでのエピソード」「今後の展開」についてお話を伺いました。

(インタビュアー:菅野雄太、撮影者:高田梨菜)

経歴

2014年よりイスラエルに渡りAniwoを創業。 スタートアップと投資家を繋ぐ新たなイノベーションプラットフォームの構築に挑む。 月間100社以上のスタートアップのビジネスプランを読み込み、パートナーであるサムライインキュベートのイスラエルにおけるディールソーシングを一手に担う。 また、イスラエルのスタートアップと日系大手企業とのコラボレーションを通して両国の強みを活かした新たな価値創造を促進。 現地の政府、研究機関、VC、アクセラレーターとも強固なネットワークを持つ。 前職は大手教育企業マーケター。 大阪大学経済学部卒、 京都大学 MBA取得。

一般企業から起業までの経緯


大企業の論理みたいなものや、会社が大きくなるにつれて発生する色々な問題をどう解決していくかというところを学びたかったということ、あとは会社の資本力を使って新しい価値を生み出していきたいという気持ちがあり、最低3年はやってから独立しようと思っていました。
入ったのはすごく良い会社で予想以上に色々な経験を積ませていただいて、1年目から大きなWeb系のマーケティング施策を任せていただいたり、新規事業案件に関しても、シリコンバレーに行って調査を進めながら人材系のサービスをゼロから企画して事業を立ち上げるという経験をさせていただきました。
そのように、1年ぐらいの間に自分がやりたかったことを随分やらせていただいたので、次のステージに行っても良いのかなという想いがありました。
2年目の4月に、サムライインキュベートさん(以下、敬称略)がイスラエルで起業する人を募集しているという情報を知りました。
その募集の直前くらいにシリコンバレーに実際に見に行っていたのですが、意外とコミュニティが閉じているとか、日本人起業家が結構いるという現状があり、振り切ってやるならばイスラエルが良いんじゃないかということで、ほぼイスラエルに決めていたんです。
そんな時にそのような募集があり、自分の事業の構想を話しに行ったら3週間くらいで投資が決まったので、会社に辞めるということを伝えてその3ヶ月後にはイスラエルに渡りました。

世界に大きなインパクトを与えられる事業で勝負


サムライインキュベートの募集がかかってから、いくつかアイディアを持っていた中でどの事業でいくかを考えました。
イスラエルはスタートアップが盛んな国で、そのエコシステムのようなものをプラットフォーム化して世界に広げていくというのが、我々の事業単体で何かイノベーションを起こしていくよりも世界に大きなインパクトを与えられると考え、その事業に決めました。

生きるか死ぬかの中でベストを尽くす


イスラエルに行った当時はまだ戦争をしていましたので、着いた当日には頭の上でミサイルが爆発するといったようなこともありました。毎日サイレンが鳴ってミサイルが飛んでくるということが1ヶ月くらい続き、今までの人生の中で経験したことがなかったのでかなり印象に残っています。
命が危険にさらされ、「明日死ぬかもしれない」という状況だからこそ、現地の人たちは後悔しないように色々チャレンジしているのかなとも感じました。
自分もあとどれだけ生きられるかわからないので、1日1日ベストを尽くして価値を生み出していきたいと思っています。

日本の”オタク文化”がチーム作りのきっかけ


最初は共同創業者と2人で向こうにいたんですけれども、2人ともエンジニアではなかったので、採用というのが1つの高いハードルでした。中途半端なエンジニアを雇うよりは特別優秀な人を雇っていくというのを戦略としていて、リクルーティングには時間が掛かりました。
相方がアニメなどのオタク文化が好きで、現地の3000人くらいが集まるコミュニティのようなイベントに参加したところ、日本人だということで人が沢山集まって来たんです。その時に仲良くなった主催者の方がたまたまシスコのエースエンジニアだったということから手伝ってもらい、サービスの最初の部分を作りました。その出会いは非常に大きかったです。
次のフルタイム採用に関しては人とのつながりを通してリンクドインを使っていましたが、その時もいくつか候補がある中で、給料は高いけど一番スキルがあって経験がある人を採用していました。

日本の強みを前面に押し出しアプローチ


サムライインキュベートと一緒にコミュニティを作っていったということがあり、日本文化に関するイベントを現地で開催したり、我々が持っている強みを前面に押し出して、日本好きの人を集めていくことから始めました。
あとは、現地では毎日ミートアップが行われているので、そこに行って友達を作って飲みに行って仲良くなり人を紹介してもらうというのは重要なことだったかなと思います。イスラエルの人は、「人を紹介してほしい」というとミーティング中にその場でメールを送ってどんどん人を紹介してくれたり、聞いていなくても似たような事業をやっている人を紹介してくれたりということもありました。
そういう人と人とのつながりがあのようなスタートアップネーションを作っているのかなと思います。
 
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