経営者たるもの必ず知っておかなければならない財務諸表。ただぼ~っと数字を眺めているだけで終わっていませんか?
財務諸表には様々な情報が含まれています。数字は非常に正直なものなので、どこか企業運営上で異常があれば必ずそれが数字となって表れてきます。
今回は、財務諸表の目的と経営上財務諸表のどこに着目すべきなのかを解説します。
財務諸表の種類と目的
http://accounting-financial-tax.com/2010/03/preparing-financial-statement-case-study/
財務諸表にはどのような種類があるかご存知ですか?
一般的には、貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書そして株主資本等変動計算書を総称して財務諸表と呼んでいます。
ここでは特に重要性が高い貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書について、その目的を簡単に説明します。
①貸借対照表
貸借対象表は、「企業の一定時点での財政状態」を表すために作成されます。
簡単に言うと、ある時点においてその企業がどのくらいの資産を保有していて、どのくらいの負債があるのかを示します。資産から負債を控除した額が純資産と呼ばれますが、一般的に、まず初めに外部の金融機関等の方々が見るのもこの純資産になります。
純資産がマイナスであれば債務超過の状態であり、倒産のリスクが高いと判断されることになります。
②損益計算書
損益計算書は、「企業の一定期間における経営成績」を表すために作成されます。
一定期間とは期首から期末までの一事業年度のことです。この一事業年度の間に企業がどれだけモノ・サービスを提供し、それによってどれだけの利益を得たかを示します。
なお、損益計算書上の利益は、売上総利益、営業利益、経常利益、当期純利益があります。
それぞれ簡単に説明すると以下の通りになっております。
・売上総利益…売上額から仕入額を差し引いた粗々の利益
・営業利益…売上総利益から営業活動を行う為にかかった経費(人件費、家賃、旅費等)を差し引いた利益
・経常利益…営業利益から営業活動とは関係のない活動(資金の借入や有価証券の取得等)から生じた損益(利息や配当)を加減算した後の利益
・当期純利益…経常利益から法人税等の税金を差し引いた最終利益
③キャッシュフロー計算書
キャッシュフロー計算書は、「企業の一定期間の収支の状況」を表すために作成されます。
キャッシュフロー計算書は「営業活動によるキャッシュフロー」と「投資活動によるキャッシュフロー」と「財務活動によるキャッシュフロー」の区分に分けられて表示されます。
それぞれの意味は以下の通りとなっております。
・営業活動によるキャッシュフロー
…売上による入金、仕入に伴う出金、人件費の支払や家賃の支払い等の営業活動を行うために必要となる収支を表示
・投資活動によるキャッシュフロー
…有価証券の取得による支出や建物、車、機械等の固定資産を取得するためにかかった支出等を表示
・財務活動によるキャッシュフロー
…資金の借入や返済などの収支を表示
財務諸表は実際に眺めてみるとイメージがつくと思いますので、一度どこの会社でも構いませんので上場企業の有価証券報告書(第五 経理の状況)を眺めてみて下さい(「有価証券報告書」で検索するといっぱい出てきます)。