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スケールする社内ベンチャーが生まれないのは大企業が悪い!現状の課題整理と今後の方向性

大企業からは構築的革新や破壊的イノベーションは生まれない

この言葉は一橋大学イノベーション研究センター・米倉氏のイベントでの言葉ですが、多くの人が潜在的に常識として感じていることかもしれません。

 

特に社内の新規事業は「ぬるくて甘い」と言われることがあります。子会社としてベンチャー企業を立ち上げる場合もそうです。しかし、大企業にはベンチャー企業にはない、余りあるリソースが存在します。イノベーションが生まれにくい環境なら改善し、リソースを有効活用しやすくすればいいのです。

 

今回は、社内ベンチャーでよくある課題を整理し、最近の動向・今後の方向性について書きました。

社内の新規事業・社内ベンチャーの問題点

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出典:http://www.edmund-tan.com/resources/

〇ヒトに関する問題

社内ベンチャーに取り組む人は、ベンチャー企業での働き方を知りません。大企業のサラリーマンとしてのワークスタイルが染み付いていて、残業してまで取り組むことに抵抗を感じる人が少なくないのではないでしょうか。(※もちろん長時間働く=ベンチャーでは決してありませんが、スタートアップであれば必然と事業に取り組む時間は長いと思います)

 

独立しているベンチャーであれば、生活がかかっているので死ぬ気で働くのが普通です。本体に籍を置いている人とは、覚悟が違います。このあたりの違いも、社内ベンチャーと通常のベンチャーを比較するとわかりやすく表れる気がします。

〇モノに関する問題

これは大企業からスピンアウトし、外部で独立して事業を行う際に大きな問題となります。つまり、テクノロジーを持った会社の場合、秘密保持契約の関係で、持っている技術を外部で使うことはできないのです。

 

また、職務発明なので、所有権は発明者ではなく企業が管理することになっているのがほとんどです。これは社内での事業展開に限界を感じ、独立しようとする人にとって大きな障壁となります。

〇カネに関する問題

大企業にはキャッシュが豊富にあります。しかし、新規事業や社内ベンチャーに与えられる予算には制約があります。

 

さらに、「予算がないことで、事業を前に進めることができない」といったことが起き、高速でPDCAを回すことができなくなってしまうのです。成長スピードはベンチャーの生命線なので、ここが不十分だと、なかなかスケールには繋がりません。

背景にあるもの

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出典:http://revandy.org/2015/08/19/cause-and-effect-2/

〇チャレンジが評価されない人事制度

新規事業であれ、社内ベンチャー(完全子会社)であれ、社員としての籍を本体に置いていることが多いと聞きます。さらに、チャレンジすること自体へのプラス評価がない人事制度では、リスクをとって事業を大きくしようという気持ちが生まれにくくなってしまいます。

 

会社によって、失敗したときの責任やリスクをとらせることもあると思いますが、最終的には本体のどこかの部署に戻ることとなります。昇進にも影響せず、評価に関係のない(チャレンジングな)行動をとる人が少ない大きな要因だと考えられます。

〇周囲の協力が得られない

まず、他部署の協力や理解がないという問題があります。「何をしているのかがわからない」「既存事業の利益を食いつぶしている」そのように周囲が感じていると、どうしても社内で新規事業に取り組みにくい雰囲気となってしまいます。

 

さらに、リソースが社内限定なので、外部の優秀な人材を活用できません。通常のベンチャーであれば、優秀なエンジニアやデザイナー、営業等を採用することができますが、大企業発のベンチャーだと、外部リソースの活用が難しくなります。

〇審査担当が不適切

社内ベンチャーとして取り組むべきかどうか決めるのは、最終的には会社の役員でしょう。彼らは社内の一事業をずっと見てきたので、他の専門分野への知識が不足していることが多いです。さらに、ベンチャーに対する理解がない人も多いため、できない理由を探したり、決定を遅らせたりする人が多いのだと考えられます。

 

また、製品を市場に出すまでのプロセスが通常のベンチャーと相いれません。つまり、未完成を市場に出して改良していくベンチャーのやり方に対し、「ブランドイメージをつぶす気か」と抵抗します。

 

そういった認識があるため、プランの完成度を重要視し、「市場の見通しが不明確」「数値計画が甘い」といった理由でGOサインを出すまでに時間がかかります。つまり、プランのブラッシュアップは行ってくれないのです。

 

こういった失敗を恐れ管理されたベンチャーではリターンが少ないのが明白です。なんだかんだ理由をつけて開始前に時間と調整を使ってしまうのは、評価する人が適当ではないからだと思います。これからの社内ベンチャーには、企業が現場にやりきらせるための環境を提供してあげることが最も大事なことだと思います。

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株式会社アントレプレナーファクトリー

Yuta Sugano

立命館大学経営学部卒業。12年神戸大学大学院経営学研究科入学、14年アントレプレナーファクトリー入社。

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