「AIDMA」を聞いたことはありますか?

みなさんは、「AIDMA」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
これは、マーケティングを行う上で知っておくべき用語のひとつです。
今回は、具体例を挙げつつ、AIDMAについて詳しくみていこうと思います。

AIDMAの法則とは?

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出典:www.fastcompany.com
AIDMAとは、
 
Attention(注意・注目)
Interest(興味・関心)
Desire(欲求)
Memory(記憶)
Action(行動)
 
の頭文字を取ってつくられた言葉です。
アメリカで販売や広告に関する実務書を執筆していたサミュエル・ローランド・ホール氏が、1920年代に消費行動についての心理プロセスを示すべく用いたのがはじまりとされています。
 
日本では「AIDMAの法則」と呼ばれ、消費者がある商品の存在を認識してから、それを購入するという行動に出るまでの心の動きを表したものとして知られています。

AIDMAの法則の3つのプロセス(認知・感情・行動)

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出典:www.trastem.co.jp
上でお話しているAIDMAの法則ですが、大きく3つのプロセスに分けられると言われています。
そのAIDMAの法則の3つのプロセスについて、以下で見ていきましょう。

AIDMAの法則プロセス①「認知」

AIDMAのAttention(注意・注目)にあたる部分です。
ある商品が売り出されていることを知る段階を指します。
 

AIDMAの法則プロセス②「感情」

AIDMAのInterest(興味・関心)、Desire(欲求)、Memory(記憶)にあたる部分です。
「認知」の段階で知った商品について、より深く知ろうとしたり、使ってみたいと思ったりすることで、その存在を心に焼きつけていく段階を指します。
 

AIDMAの法則プロセス③「行動」

AIDMAのAction(行動)にあたる部分です。
文字通り、商品を購入するという行動に出る段階を指します。
 
これらのプロセスを知っておくと、売り手側として消費者に働きかけをするときにも役立ちます。
ほとんどの消費者が商品の存在を知らない状況であれば「認知」を広めるための働きかけをし、購入に向けて気持ちを動かせていないのなら「感情」を揺さぶるための働きかけをし、十分に購買意欲まで刺激できているのであれば「行動」を後押しするための働きかけをすればよいのです。

AIDMAの例は?

 
ここでは、消費者Aさんが1冊のビジネス書を購入するまでの経緯を例に挙げ、実際にAIDMAの法則がどのように働いているのかを見てみましょう。
 
ある日、Aさんが雑誌を読んでいると、あるビジネス書がページの片隅で紹介されているのを見つけました(Attention:注意・注目)
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出典:optimisman.com
翌日、何気なく朝のワイドショーを観ていたところ、注目の書籍ランキングにおいて、そのビジネス書が1位にランクインしていました。
番組内では本の内容が取り上げられ、社会人として成功するためのノウハウが詰まっていることを知ります(Interest:興味・関心)。
 
徐々にビジネス書が気になり始めたAさん。
勤め先へ出社すると、最近成績を伸ばしている先輩が例のビジネス書を持っていることに気がつきます。
先輩いわく、「この本を読んでから、仕事がうまくいくようになった」とのこと。Aさんの中で「読んでみたい」という思いがふくらんでいきました(Desire:欲求)。
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出典:www.alux.com
オフィスを見渡すと、成果を上げている同僚のデスクには、決まってこのビジネス書が置かれていました。
ここのところ調子の上がらなかったAさんの胸に、ビジネス書の存在が頭に強く焼きつきます(Memory:記憶)
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出典:www.nps.gov
帰宅途中に書店へ立ち寄ってみたら、あのビジネス書が平積みコーナーに1冊だけ残っているではありませんか!
Aさんは迷わずビジネス書を手に取り、レジへと駆けていきました(Action:行動)
 
いかがでしょうか?このように、多くの消費行動はAIDMAの法則にのっとっているのです。
売り手側に立つ際には、AIDMAの各項目において「消費者をどのような状態にさせたいのか?」を意識し、戦略を打てばよいのです。
例えば、ビジネス書を売ろうと考えたときには、以下のようなプロセスを踏むことになるでしょう。
 
Attention(注意・注目):新聞や雑誌の広告欄にビジネス書の広告を打つ
Interest(興味・関心):ワイドショーで取り上げてもらえるように働きかける
Desire(欲求):既存読者の成功体験談を紹介する
Memory(記憶):強い関心を向けている消費者に対し、書籍情報を繰り返し発信する
Action(行動):書店の目立つ場所に並べてもらえるように働きかける
 

Web時代の消費者購買行動モデル「AISAS」、その違いは?

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出典:skillhub.jp
AIDMAとよく似たマーケティング用語に「AISAS」というものがあります。これは、
 
Attention(注意・注目)
Interest(興味・関心)
Search(検索)
Action(行動)
Share(共有)
 
の頭文字をとってつくられた言葉です。
広告代理店の電通が1995年に提唱し、2005年には商標登録もなされています。
 
AIDMAとの大きな違いとして、AISASはインターネットの使用を前提とした考え方に基づいていることが挙げられます。
インターネットを使うことのできる消費者は、ある商品の存在を知り(Attention:注意・注目)、関心を持つ(Interest:興味・関心)と、Googleなどの検索エンジンを用いてさらなる情報を得ようとします(Search:検索)
実際に商品を購入(Action:行動)した消費者は、TwitterなどのSNSや個人のブログを通じ、商品の使い心地や満足度を発信します。
このように口コミを共有する(Share:共有)と、他の消費者が商品情報を得ようと検索をかけた際に閲覧され、さらなる購買活動へとつながっていくのです。
 
Web時代の消費者をターゲットとする上で、AISASという考え方を無視することはできません。
しかし、その根幹をなしているのはAIDMAの法則です。
AISASを活用するためには、まずAIDMAの法則をしっかりと理解し、消費者の購買意欲に働きかけることが重要なのです。

AIDMAの法則まとめ

AIDMAは、商品を広めていく上で欠かすことのできない基本モデルです。
工夫次第で、いくらでも応用を利かせることができるでしょう。
マーケティングを行う際には、ぜひAIDMAの法則を活用してみてください。

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