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起業の決断

起業の決断

東大発ベンチャーAgIC清水社長が語る、ベンチャーのチームビルディングとは?

経歴

2012年に東京大学大学院情報理工学研究科で工学修士取得。大学では大規模自然言語処理の研究を行いつつ、電気自動車製造サークルを創設し、機械設計・製造にもあたる。
その後、マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社し、主に製造業のコンサルティングにあたる。2014年1月にAgIC株式会社共同創業、代表取締役社長就任。

フォーカスする市場は次第に変化してきた

-御社の事業内容について教えていただけますか?

主に、書くと電気が通るペンと、電気回路を紙の上に印刷できるカートリッジを販売しています。専用の紙に電気が通るペンで線を書くと、電気が通り配線の代わりになります。カートリッジを互換性のある家庭用プリンターに入れると、電子回路を普通の用紙に絵のように印刷することができます。電子回路は今まで作るのが大変でしたが、それが非常に簡単になるものを販売しています。

-市場規模や競合サービスがあるのかを教えていただけますか?

我々がフォーカスする市場は、ひとつは教育系で、もう一つは手芸や絵を書く時など画材のように使っていただくとことにフォーカスしています。

その他にも電子工作があります。これまで電子回路の作成に一週間程度かかっていたところを、カートリッジを使って印刷することで1、2分で電子回路が作れるようになりましたが、次第にフォーカスする市場が変わってきました。

導電性のペンに関しては競合がいます。特に、我々が出てきてからこの分野に参入するスタートアップは増えており、アメリカとイギリスに競合のスタートアップが増えています

我々はインクジェットプリンタを使っていますが、3Dプリンタで銀のペーストを使って電子回路を作るものや、3Dプリンタの中にフィラメントの代わりに導電性の材料を使って3Dプリントしながら回路を作るものなど、最近はこの分野で新製品が続々とアメリカから出てきています。

ただし、我々の優位性は他の物とは根本的に違うインクを使っており、書いた瞬間に乾いて使えるようになること、もうひとつは導電性が非常にいい、この2点があります。

乾くのが早いということはすごく重要です。2年前からあるイギリスの競合の導電性ペンは乾くのに約1時間かかるんですね。

これはすごく問題で、例えば理科の実験の授業で使う時、書いて一時間待つのでは授業が終わってしまいます。当社のペンなら瞬間で乾き、触っても取れたりしないので子供が使っても安全というように技術的な優位性があります。

ただ、どんどん競合の性能も改善されており、技術の差が埋まっているのも確かです。追い抜かれないうちに頑張らないといけないなと思っています。

-特に活用してほしいシーンは、教育現場ということですか?

そうですね、教育現場や絵を作るところです。メインのターゲットはアメリカのグリーティングカードのマーケットで、実はすごく大きなマーケットです。

日本はそれほどグリーティングカードを送る習慣がありませんが、アメリカはカードを送る習慣があります。年間で65億枚、アメリカは人口3億人なので平均で1人20枚程度を送っていて、ヘビーユーザーになると年間100枚以上送っています。

スーパーへ行くと、グリーティングカードコーナーが信じられない大きさであり、そこには1ドル2ドルのものから10ドルくらいのものまで置いてます。ものすごく大きいマーケットなんです。

そこに我々が入ってみようかと考えていて、我々の製品を使うと簡単に光るメッセージカードが作れるという付加価値で、新しいテクノロジーソリューションを提供する方法でやろうかと考えています。

自分の作りたいものを一から作るためには、起業しかなかった

-どういったきっかけで起業に至ったのか、教えていただけますか?

東京大学を卒業後、マッキンゼーで働いていました。2013年9月にボストン(アメリカ)にいた時、たまたま東大時代にお世話になった教授がMITのメディアラボで教えていて、久々に会ったことがきっかけです。

その先生から「最近導電性のインクについて研究している」という話を聞き、その時、回路を簡単に作るプロダクトがちょうど世に出はじめた所だったので、「非常に時流に乗った面白いプロダクトだな」と思いました。これを製品化したらいい所に行くんじゃないかなと思い、起業のプランを書きました。

2013年12月に日本へ戻り、投資家にプレゼンし、投資していただけることになったので、会社を辞めて起業することになりました。

-ボストンで教授と会ったからこそ、今の事業になったということですね。

はい、それがすごく直接的な経緯ですが、もとから起業したいという考えはありました。大学時代は電子情報工学科にいて、いわゆる電気工学を学んでいました。

就職の時に「自分がの作りたいものを作りたい」と思っていましたが、大企業のメーカーでは自分で責任もって1つの製品を設計からすべて行うことは難しいと思い、自分で好きなものを作るのなら起業するしかないなと思っていました。

しかし、私自身ただのエンジニアで、全くビジネスが分からず、マッキンゼーに入ってビジネスを学んで起業しようと思っていました。入社後、2年ぐらいで辞めることを考えていました。

マッキンゼーで得たチームマネジメント力が今に活きている

-社会人経験が今に活きていることはありますか?

1つはチームのマネジメントがすごく重要だと思っています。マッキンゼーも社内ではすごく小さいチームで動くことで知られていて、そこでどういう風にそれぐらいの大きさのチームで物事を進めていくかということや、この業界なら製品がこれぐらいのコストで作られていて、マージンがいくらあるかといったことなど、業界ごとの常識レベルの情報が広く浅く手に入るというのはコンサルのすごくいい点だったと思います。

ある業界に就職するとその業界の常識は身につきますが、なかなか広い業界の常識を身につけることは難しいと思います。コンサルはいろいろな業界を深く見る過程で、その業界の常識を一通り学べるので、それは非常に役立っていると思います。

交渉の時に「だいたいこの業界だったらこれくらいですよね」と言えるというのが一つの強みではあります。

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