日本人が英文を書く時、文法や言い回しが本当に正しいかどうか、不安になることがあります。
自動翻訳機能を持ったサイトは沢山ありますが、その翻訳の正確さは、必ずしも満足のいくものではないことが多いかもしれません。
実はこの悩みは、我々日本人や英語を母国語としない人間だけのものではありません。ネイティブスピーカーも、レベルは違えども同じ悩みを持っているのです。
今回は、この英文添削において最も進んでいるプラットフォーム「WriteLab」を生み出したMatthew Ramirez(マシュー・ラミレス)氏を紹介します。
自らの教師体験から生まれたWriteLab
出典:home.writelab.com
WriteLabはラミレス氏自らが教壇で体験した実績と、人工知能を駆使した機能を凝縮した英文添削機能を提供しています。
WriteLabの特徴は、利用者が繰り返し何回でも添削を受けることが出来る点です。WriteLabのフィードバックを踏まえた修正文を作成し、再度WriteLabの添削を受けることが出来ます。フィードバックサイクルが回る形になり、英文を次第に熟成させて行くことが出来ます。
またWriteLabを使うと、自分がどういった文法のミスが多いのかを情報として蓄積可能であり、自分の英文作成能力を客観的に分析・改善することができます。
McQuade教授との出会い
出典:home.writelab.com
カルフォルニア大学バークレー校で英文学を学んだラミレス氏は、大学生の授業を受け持ちます。
教壇に立ったラミレス氏は、学生たちが書いた英文の添削に手間取ります。クラスの生徒全員の英文添削を終わるころには、学生達は次の課題を取り組んでいる状態です。学生の英文を添削しフィードバックをしても、時期を逸してしまい適切なタイミングでフィードバックすることができなかったのです。
このような状況に悩んだラミレス氏は、著名なDonald McQuade(ドナルド・マクウェイド)教授のセミナーを受けます。
ラミレス氏はマクウェイド教授の添削とフィードバックに驚愕します。なぜならば、マクウェイド氏のフィードバックは思いやりに溢れていて、指示的な内容ではなかったからです。
ラミレス氏はこの体験を経て、添削だけをするのではなく、英文作成者にアドバイスをする自動英文添削を作れないかと考えはじめます。
そして英文添削にあたり、「この文脈はこのような文章の方が良いのではないか」という事例を複数挙げる機能を盛り込んだ、WriteLabを開発します。
同社はマクウェイド教授をChief Learning Officerに迎え、増資も行い、順調に成長しています。会社が大きくなっても“学生にタイムリーにフィードバックすることが最重要”と自らの経験を信念として、ラミレス氏は会社運営を行っています。
ラミレス氏の成功要因
出典:www.forbes.com
世界中の人間が悩む英文の作成に、最新の技術を使って解決しようと試みた会社は、これまでにも多く存在していました。しかし、どれもがユーザーの高い満足度を得ることは出来ませんでした。
WriteLabは既に多くの教育機関で使用されています。名門大学から公立学校まで、幅広い教育現場で使われている点が、その優れた機能を証明していると思います。そして創業者であるラミレス氏は、フォーブス社が30歳未満の重要人物を選ぶ「30 under 30」を受賞しました。
現在、米国での使用が主流ですが、この機能を鑑みると世界中に広まる可能性があります。無限の可能性を持つWriteLab社に、ますます注目が集まりそうです。