ポケモン Goはイスラムの教えに反している!?

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出典:www.pokemongo.jp
世界には約16億人のイスラム教徒が存在すると言われていて、そのうち約10億人はアジアに住んでいます。インドネシア、バングラディッシュ、インドで約6億人のイスラム教徒が暮らしているようです。
 
イスラム文化というと我々日本人の感覚とはかなり違いがあります。イスラム教には六信五行という義務があり、これに基づいてイスラム教徒は行動を行います。1日5回の礼拝や、豚肉やお酒を禁じていることは日本人にとっても有名ですが、その他にも我々とは違った決まりが幾つもあります。
 
また意外なものを禁止している場合もあります。イラン、サウジアラビア、マレーシアなどの国では、何とポケモンGoが禁止されています。ポケモンGoはポケモンを進化させていきますが、これはイスラム教の教えと反した進化論を助長させる危険な存在と見なされています。
 
スマホゲームにも規制があるイスラム諸国で、イスラム教やイスラム文化に合致したものを提供している会社が注目を集めています。今回はTamatem社をご紹介します。

イスラム向けのゲームアプリは全体の1%以下しか存在しない

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出典:tamatem.co
MENA地域(中近東・北アフリカ)には、6000万人ものスマホゲームユーザーが存在すると言われています。しかしアラビア語に対応しているゲームアプリは、APP Storeに250程度しかありませんでした。英語対応のゲームアプリが40万もあるのに比較して、いかに少ないかが分かります。
 
これに気が付き、ビジネスチャンスだと考えた人物がいます。Tamatem社の創業者で、CEOのHussam Hammo氏です。
 
Haamo CEOはSohibe Thiab氏を誘い、2013年にTamatem社を創業します。アラビア語を母国語とする人間は世界に2億人以上いて、世界5位の規模です。しかも25歳以下の人口は非常に多く、アラビア語対応していてイスラム文化にあったスマホゲームを提供すれば大きな可能性があるとHaamo CEOは考えました。
 
ヨルダンのアンマンに本拠を構えたTamatem社は、国際的に活躍するゲーム開発会社とパートナーシップを組み、イスラム社会にマッチしたスマホゲームの開発を行っています。
 
これまでに幾つもの起業を経験していたHaamo CEOは、以前Wizards Productionsという中東地域では有名なゲーム会社を共同創業した経験があります。その経験から、良いスマホゲームを開発するには、国際レベルの開発会社と組む必要性を強く感じていたようです。
 
その結果、現在ではスマホゲーム開発の中心であるアメリカ・カルフォルニア州にも拠点を構えるまで拡大しています。

音楽や登場する車もイスラム風に改造

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出典:tamatem.co
Haamo CEOはスマホゲームを作る上で、いかにローカライズ化するかが重要だと語ります。ポケモンGoの事例でもあるように、まずはイスラム社会に適合し受け入れられる内容にすることが、最低限の条件だとHaamo CEOは強調します。意外と西欧のスマホゲームでは、この最低条件をクリアしていないものが多いようです。
 
その上で、アラビア人が自然に入っていけるスマホゲームを開発しているとコメントしています。具体的な例を挙げると、Tamatem社で一番人気を得ているスマホゲーム“Shake The Metal”にある要素だとHaamo CEOは説明します。
 
このゲームは、ハイウェイを車で滑走するドリフトゲームですが、まずバックに流れる音楽はサウジアラビア風の曲に絞った選曲です。さらにユーザーが選択できる車の中には、サウジアラビアで人気のトヨタ・ランドクルーザーやカムリ、日産のピック・アップなどがライン・ナップされています。

今後の伸びは飛躍的?

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出典:tamatem.co
2013年にサービスを開始したTamatem社は、口コミを中心にユーザーを増やしています。Tamatem社の特徴は、MENA地域に特化している点で、この地域のユーザーを大切にしています。アラビア圏のユーザーからのフィードバックを真剣に受けとめ、それらを次のスマホゲーム開発に積極的に活かしています。
 
現在では3100万ダウンロードにまでユーザーを伸ばしたTamatem社は、エジプト・カイロにも小さな拠点を作りました。
 
若年人口が非常に多いMENA地域で、スマホゲームユーザーが増加することは間違いありません。このような恵まれた環境に、ユーザーのニーズに合致した製品を送り込むTamatem社の発展は疑う余地はなさそうです。

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