シナジー効果を狙う新たな手段「CVC」の設立&投資から見る近年の企業戦略
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シナジー効果を狙うCVCの設立
CVCとは、Corporate Venture Capital(コーポレートべンチャーキャピタル)の略で、事業会社が社外のベンチャー企業等に投資すること、その投資活動を行う組織のことを指します。
投資家から資金を集め、ベンチャーに投資し、大きなキャピタルゲインを得ようとする通常のベンチャーキャピタルとは違い、CVCでは協業や本業とのシナジー効果を狙って設立されます。
規模が大きな企業に、新規事業開発能力や競争力を求めてCVCを設立していくケースがみられます。
KDDIやYahoo、朝日放送、資生堂、伊藤忠などCVCは近年増加傾向にあります。
シナジー効果を狙うのであれば、M&Aだけでなく、CVCのような投資も1つの手段として考えられるのです。
CVCの設立。そしてシナジー効果狙いの投資事例
①KDDI Open Innovation Fund
出典:technode.com
KDDIが運営するCVC「KDDI Open Innovation Fund」は、2016年11月10日、スポーツインターネットメディア「SPORTS BULL」を運営する株式会社運動通信社への出資と協業契約を提携したことを発表しました。
通信とメディアによる高いシナジー効果が狙いであると考えられます。
※KDDIのニュースリリースより引用
②ABC ドリームベンチャーズ
出典:adventures.co.jp
2015年7月10日に朝日放送が設立したCVCであるABCドリームベンチャーズ。
第1号案件として、空き駐車場のシェアリングエコノミーサービスを提供するakippa株式会社へ出資しています。
スポーツ・音楽・文化事業など様々なイベントを実施する朝日放送としては、来場者の駐車場不足での機会損失をakippa社と共に解消する施策を実施していく予定です。
※新着情報より引用
ここ数年のCVCによる投資事例を見ても、自社の事業領域と近い企業に投資をしていることがわかります。
変化の激しい現代の市場における自社の競争力を伸ばすために、ベンチャー企業に投資をし、シナジー効果による好循環を望んでいるのでしょう。
CVCのより詳細なお話はこちらから(新規タブで開きます)
シナジー効果は企業の成長のためには必要不可欠
様々な検討の結果、プラスの面が多いと判断し事業の多角化やM&Aが行われます。そこには、それぞれの事業や資源等が相互に作用して起こるシナジー効果が期待されています。
企業がさらなる躍進を図るためには切っても切り離せない大事な効果であるシナジー効果。
M&Aのニュースを見たときにその会社はどのようなシナジー効果を目論んでいるのか考えてみるとおもしろいかもしれません。
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