スタートアップ大国アメリカのパワー源
日本でも定着しはじめている「Startup Weekend(スタートアップウィークエンド)」。
2014年には全国で50回程度の開催を実現しています。
2007年に米シアトルで始まったStartup Weekendは、金曜日の夜から日曜日までの54時間でスタートアップを体験するイベントです。
参加者達が、主に自分達のアイデアを形にする方策論を学ぶ場になっています。
出典:www.startuphall.org
Startup Weekendは、参加者が自分のアイデアを発表することから始まります。
そのアイデアから、ビジネスマネージャーやアントレプレナーなどのサポートを得ながら、ビジネスモデルを作り上げます。そして、プロフェショナルのコーチングを受けた後、審査が行われます。
なかなかタフなプロセスに思えますが、アメリカではなんと9-15歳を対象としたStartup Weekendが開催されて話題になっています。しかも50名以上の参加者は全員女の子。
日本より2歩も3歩も先に行く、アメリカのスタートアップの底力を垣間見る内容となっています。
今回は、2016年1月に行われた「Startup Weekend GIRLS Seattle」の様子をお伝えします。
第一線のビジネスパーソンから未来を左右するアドバイスを
出典:www.geekwire.com
スタートアップウィークエンド発祥の地、米シアトルのある中学校に集まった9-15歳の少女達は、大人向けと同じプログラムを行います。54時間という長丁場に6チームの女の子たちが挑戦します。
開催中にはビジネスの第一線で活躍するビジネスパーソン達が、彼女達の未来に影響を与えるコメントやアドバイスを送ります。
出典:www.npr.org
その中の一人、Cupcake Royale社のオーナーであるJody Hall氏は、
”女性はナチュラルに企業家のスキルを持っている。未来はそこにあるので、自分でそれを取りに行きなさい”
と参加者達を勇気づけます。
出典:www.keystoneedge.com
またTechstars Seattle社で活躍するKacey Wherley氏は、
”たぶんこの中から将来、天下を取る人が出てくると思う。その時にはどのような世界になっていると思う?”
という壮大な質問を投げかけました。
こういった第一線で活躍するビジネスパーソン達の言葉から、少女達はこれまで考えてもみなかった世界観について考える良い機会を得ることになるのです。
優勝したビジネスモデルは?
出典:www.geekwire.com
54時間の充実した時間を過ごした少女達は、自分たちのビジネスモデルを発表します。
審査の結果、優勝したのは“Metamorphus”を発表したグループであり、古着をアクセサリーに変換させるビジネスモデルで、環境に優しいビジネスとして高く評価されました。
この“Metamorphus”は、PhotoPad社創業者 Diana Najm氏がサポートしたものでした。
その他にも“Re Plate”を発表したグループは、過剰供給された食べ物を食料不足に困った人々に分け与えるビジネスアイデアで2位に輝きます。
また、飼い主がホームレスになってしまい行き場を失ったペット達を保護する“Cloud Care Shelter”も、高い評価を得ました。
大人には難しい自由な発想から生まれたアイデアは、私たちの想像をはるかに超えるものばかりです。
最後に
スタートアップに注目があたり始めた日本ですが、まだまだ社会に浸透しているとは言えません。
一方、アメリカでは今回の「Startup Weekend GIRLS Seattle」に見られるように、社会の隅々まで浸透しています。
スタートアップは若い世代が中心ですが、更にその下の世代の育成にも余念がないアメリカに学ぶことは沢山あります。
このような次世代イベントが日常的に行われるようになれば、日本のスタートアップ界もより盛り上がり、世界で通用するビジネスを行う企業が増えていくことでしょう。