為末大氏が出資したookami
スポーツアスリートが第一線を退いた後、表舞台に立ち続けるアスリートはごく一部だと思います。
特にメジャーとは言えないスポーツで一世を風靡したアスリート達を、メディアで見かける機会は更に少ないのが実情です。
その中で、ビジネスに舞台をかえて活躍をするアスリートの1人が、元陸上選手であった為末大氏です。
シドニー・アテネ・北京とオリンピックに3回出場した為末氏は、2012年に現役を引退。
現役時代から投資に興味を持ち、テレビなどのメディアに登場していた彼ですが、アジアパートナーシップファンドの取締役に就任したり、議論出来る人間を育成したいという理想を実現するために“為末大学”のプロジェクトを立ち上げたりしています。
出典:toyokeizai.net
その為末氏が目を付けたのが、スポーツ情報アプリ“Player!”を手がける株式会社ookamiです。
ookamiとは、一体どのような企業なのでしょうか?
「信頼できるスポーツ情報を」届けるPlayer!
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ある分野に特化したアプリは数多く見かけますが、情報系のアプリはなかなか差別化が難しいようです。
特にスポーツ系のアプリについては、同じようなコンテンツが並ぶものを良く見かけます。
しかし、Player!には明確な特徴があるのです。
ライブ共有型アプリと呼ばれるPlayer!では、どこにいてもライブ感覚を味わえるLIVE機能があります。
また、著名アスリートや専門家も参加しており、彼らのコメントをタイムリーに共有出来る仕組みになっています。
さらに、カバーしているスポーツの数も非常に多く、プロ・アマチュアを問わず150以上ものスポーツをフォローできます。
「スポーツで世の中を良くしたい」ookami設立の背景
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“スポーツを通して世の中をもっとよくしたい”との思いからookamiを立ち上げた尾形太陽代表取締役は、大学までサッカーに打ち込んでいました。
大学の途中でサッカーを辞めた尾形氏は、アメリカへの留学やベンチャー企業のインターンを通じ、事業家を志すようになります。
大学卒業後、尊敬する事業家・孫正義氏率いるソフトバンクに勤務した尾形氏でしたが、自ら事業を行いたいという夢を実現するために退社します。
スポーツに関わる事業を興したいと考えた尾形氏が目を付けたのが、「スポーツ情報」の世界でした。
尾形氏の目には、スポーツの世界は情報が乱立して整理ができていないように見えていたのだと言います。
そのため、他のユーザーもどのニュースや記事の質が高く信頼すべきものなのかがわからない状況にあると尾形氏は判断しました。
トップアスリートが見ているニュースソースはどれか、信頼できる専門家のコメントはどれかを追及した結果生まれたのがPlayer!なのです。そのビジネスモデルに共感した為末氏が、ookamiに出資したというわけです。
目指すビジネスモデルはNIKE
出典:saveor.hatenablog.com
尾形氏の目指す企業は、ズバリNIKEです。スポーツグッズの市場規模は日本だけで2兆円を超えると言われていますが、アメリカなどの先進国に比べれば、まだまだ日本でも拡大する余地が残されていると見ています。
NIKEのビジネスモデルは、自社の製品にアスリートの付加価値を付けて拡張していくといったものでした。
例えば、バスケットボールのマイケル・ジョーダンの名前をとった“エアージョーダン”です。
ookamiはこのビジネスモデルにスマートフォンやネットを融合させ、事業拡大を目指しています。
アメリカなどではビッグビジネスになっているスポーツの分野ですが、日本ではまだまだこれからです。
野球やサッカーなど、人々の生活に浸透しているスポーツコンテンツがあるにも関わらず、ビジネスの世界では十分に活用されていないように感じます。
東京オリンピックを2020年に控えた今、ookamiのようにアスリートとのコラボによって日本のスポーツビジネスを盛り上げる企業が出てくることに期待したいと思います。