ポリフェノール・食物繊維・カルシウム・鉄分・アミノ酸など豊富に含む高栄養価のヤシ科のスーパーフルーツ“アサイー”。
アサイーの事業展開の成功を背景に、2015年2月にチョコレート市場に進出し、今後もフード業界に革新を巻き起こせるか注目されています。
今回は株式会社フルッタフルッタをご紹介いたします。

きっかけは「アマゾンで面白いフルーツをみつけた」という友人からの電話

”始まりは、アマゾンで面白いフルーツを見つけたぞというアメリカの友人からの一本の電話だった”
創業者の長澤誠氏は大学卒業後、京セラ株式会社勤務を経て、アサヒフーズ株式会社(父親が経営するチョコレートOEMメーカー)に入社します。新規事業立ち上げを担当をしていた当時、「アマゾンで面白いフルーツをみつけた」とアメリカの友人から連絡を受けたことで、ブラジルのトメアス総合農業協同組合(CAMTA)という存在を知ることになります。
かつて神戸港からブラジルへ移民した日本人の子孫が栽培するフルーツであること、現地の自然に対する考え方を体現しているアグロフォレストリー(森をつくる農業)に感銘し、「自然保護と市場経済を両立できる」と確信します。
そして2002年アサイーをはじめとするアマゾンフルーツの日本で普及・流通拡大すべく、株式会社フルッタフルッタを設立します。

販路別に設立された3事業部門で展開

○ナショナル・ブランド(NB)事業部門
自社ブランド飲料を量販店・スーパー・コンビニへの販売を主とする事業部門です。また、催事出店での試飲プロモーションも積極的に行っています。
フルッタフルッタ製品はブラジル農務省が規格するアサイーの固形分比率3グレードの最高濃度グレードであるグロッソのみを使用しています。フルーツジュース系としては高価格になりますが、豊富な栄養価と本物志向の高い消費者に受け入れられています。
○アグロフォレストリー・マーケティング(AFM)事業部門
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主に外食店や食品メーカー向けに冷凍フルーツパルプなどを販売する事業部門です。販路拡大をしていくため、冷凍フルーツパルプをそのまま販売するだけでなく、濃縮エキスやフリーズドライに加工した原料も取り扱っています。
外食店でアサイーデザートメニューの新規採用や、アグロフォレストリー産カカオ豆も大手菓子メーカーへ販売を開始するなど、拡大中の事業部門です。
また、小規模飲食店向けには専用の業務用通販サイトを設けるなど業務効率アップも実現させています。
○ダイレクト・マーケティング(DM)事業部門
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「アサイーカフェ」「アサイーファクトリー」などの直営店舗の運営と通販を行う事業部門です。いずれもフルッタフルッタのアンテナショップ的な役割を担い、ブランド力の向上を図っています。
エンドユーザーの反応を直接見ることができる事業部内容のため、多店舗展開において非常に重要な位置づけになっています。なお、部門別の売上構成比はNB事業部門が6割、AFM事業部門が3割、DM事業部門が1割となっています。

高栄養価アサイーを「天然のサプリメント」として販売

通常の清涼飲料と比べると割高なアサイードリンクを「天然のサプリメント」として独自のコンセプトで市場へアピール。日本では流通量の少なかったアサイーを、徹底的に健康志向・本物志向の消費者へナチュラルで高栄養価の果物(飲料)として訴求した結果、非常に高い評価を得て受け入れられています。
商品にもバリエーションを持たせ、ベーシックドリンクだけでなく、ピューレやゼリー飲料、ダイエットサポート食品としても発売しています。

まとめ

経済活動で失った自然を経済活動で取り戻すという意図を持って、アグロフォレストリー農法(果樹の根栽により森を再生させる農法)を推進し、ブラジルCAMTAとアジアの独占代理店契約を結んでいます。
これまでのアサイー商品はチルド飲料や冷凍パルプがメインでしたが、2014年から更なる販路拡大のため常温食品カテゴリへの進出を開始し、2015年2月、初のリテール向けチョコレート製品「アサイートリュフ」を発売しました。かつてのチョコレートOEMメーカーでの経験を活かした形となっています。
業績面は14年3月期の売上高は28億7千万円(前期比72%増)、経常利益2億3千万円(前期比490%増)と急成長中です。現在、同社商品はほぼアサイー関連となっているので、他のフルーツ商材を起用するなど、どのようにバラエティに富ませるのかが、ポイントとなりそうです。
健康志向やアンチエイジングへの需要が高ま中、フルッタフルッタの今後の展開に注目しましょう!
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