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インターネット決済の大手となったPayPal
現在1.5億人以上のアカウントが登録されているクレジット決済サービス「PayPal」。
海外ではかなり有名な決済サービスですが、日本ではまだあまり知られていません。
しかし日本でもPayPalを利用できるサイトは増えてきていて、徐々に浸透してきていると言えるでしょう。
2015年7月の段階で企業価値が520億ドルに達した大企業PayPalですが、2002年に一度eBayに買収されていて、その際に多くの優秀な人材が流出しました。
その後、創業時に関わったメンバーたちは、シリコンバレーで数々の有名企業を立ち上げる天才起業家集団となっています。
彼らはその団結力と技術力からペイパルマフィアと呼ばれていて、その中にはあの有名なイーロンマスクなども含まれています。
今回はそんなペイパルマフィアのメンバーと、彼らを作ったPayPalの企業文化についてご紹介したいと思います。
精鋭揃いのペイパルマフィア
ピーターティール
1998年にマックスレフチンと共に決済サービス会社PayPalを創業します。
2004年にその後Facebookに投資した初の外部大型投資家で、約50万ドル投資し約10億ドルを手に入れました。
YoutubeやLinkedIn、Airbnb、 Space X、 Tesla Motorsなど様々な企業に投資し成功に導いています。
事業をする上で競争するのではなく、独占することの重要性を語っています。
イーロンマスク
1999年にPayPalの前身企業Xドットコムを立ち上げました。後にピーターティールが創業したPayPal合併します。
その後宇宙企業「スペースX」や電気自動車メーカー「テスラ・モーターズ」、太陽光システム企業「ソーラーシティー」の会長も務めています。
2013年のTIME誌で「世界でもっとも影響力のある100人」に選ばれ、表紙を飾っています。
チャド・ハーリー
チャド・ハーリーはYoutubeの創設社の一人でYoutubeのロゴを設計し、PayPalでもロゴ設計にも携わりました。
ジェレミー・ストップルマン
アメリカでは知らない人がいない地域情報サービス「Yelp」を立ち上げました。
GoogleやYahoo!から買収オファーもありましたが、全て断りました。
あのスティーブジョブズから電話がかかってきて「Googleに会社を売ってはいけない」と言われたこともあるそうです。
リード・ホフマン
ビジネス特化型ソーシャルネットワーキングサービス「LinkedIn」を立ち上げました。
2016年8月時点で登録ユーザーは4億5000万人にも達しています。またFlickrやFacebook、Zynga、Wikiaなど様々なスタートアップにも投資しています。
ペイパルマフィアと呼ばれる彼らの企業は全て10億ドル以上の企業価値を持っていますが、これらを作り上げたのはPayPalの企業文化と言っても過言ではありません。
PayPalの企業文化とは?
出典:wired.jp
優秀な人材を集ること
起業時にいたマックスレフチンとピーターティールにとって優秀な人材とは、
「競争力があり、かつ多言語を話せ知識量が豊富な人材」
です。そして数学に強いことが条件だそうです。
また優秀と言っても、MBA取得者やコンサルタントを経験していた人材は、採用しないなどの好き嫌いもはっきりしていたそうです。
内向的で、机の下で寝るのは平気というような人材を優秀であるとするなど、変人を求めていたことが分かります。
大きな夢を追い求めること
PayPalはスローガンに「世界を乗っ取れ」を掲げていました。
二番煎じではなく、大きな夢を追いかけることを大切にしていました。
そんな彼らの夢は世界の金融システムを根本から覆すことだったそうです。
難問に挑戦し、逆風に耐えらえれるチームを作ること
マックス・レフチンとピーター・ティールが創業したPayPalと、イーロン・マスクが創業したXドットコム社は合併しました。
当時2つの会社は、業界で1位2位を争う企業どうしで、合併の際に様々な衝突があったそうです。
その他にもロシアマフィアによる詐欺や、eBayからの買収攻勢など様々な困難がありましたが、
彼らはチームワークで全てを乗り切り、最終的にeBayに15億ドルで売却することが出来ました。
柔軟な社内風土を育むこと
PayPalは始め携帯情報端末を使った電子財布を販売しようとしていましたが、
webの発展と、携帯情報端末があまり浸透していないという状況を受けwebでの決済サービスに変更しました。
また個人間の送金よりもeBay内での利用者が多いと分かると、
ターゲットをeBayのユーザーに絞るなど市場に合わせて、すぐに方向性を変えられる柔軟性を持っていました。
このような企業文化がペイパルマフィアと呼ばれる彼らにも引き継がれ、
それぞれの大きな夢を持った企業を育てたのではないでしょうか。
こういった企業文化を大切にし、ぜひ「○○マフィア」と呼ばれる人が、企業から生まれる流れになってくれればと思います。