LTVって結局なんで重要?

出典:gahag.net

LTV、Life Time Value 、顧客生涯価値
カスタマーサクセスが徐々にその勢力を増す中、LTVについては基本知識になりつつあります。

その様な状況の中、後輩に以下の質問をされたらどう答えますか?

「LTVってなんで大事なんですか?」
「LTVってどうやって計算するんですか?」
「え、結局LTVは何に使うんですか?」

このような質問にバシッと答えられる先輩になりたいものです。
というわけで、今回はLTVの基本と計算式、LTVを高めるための〇の方法について見ていきましょう。

LTV(顧客生涯価値)とは|意味と基本計算式

LTV(Life Time Value 、顧客生涯価値)とは、ある顧客がその生涯の中で、その企業に対してどれだけ利益をもたらすかを算出したものです。

普通だと、利益は商品ベースや事業ベースで考えるものですが、LTVは顧客ベースで利益を考えます。
また期間にも特徴があります。利益を算出するときは、一か月、一年など期間を区切って考えるものですが、LTVの想定している期間は「一生(顧客Aがその企業の顧客であり続ける期間)」です。

イメージしてみましょう。

顧客Aが企業Bの商品「りんご」を初めて購入したとしましょう。ここから顧客ライフサイクルがスタートです。
顧客Aはその「りんご」が気に入り、毎週買うようになりました。LTVではこの利益を合計して考えます。
しかし2年後、顧客は別の企業の「梨」にはまり、「りんご」の購入を辞めてしまいました。ここで顧客Aの顧客ライフサイクルはエンドです。

この顧客ライフサイクルのスタートからエンドまでの間に、顧客Aによって企業Bにもたらされた利益。それがLTV、顧客生涯価値になります。

ところで、顧客Aは毎月4つの「りんご」を購入するという取引を2年間継続しました。
これと似たビジネスモデル、知ってますよね?
「サブスクリプションモデル」の台頭、それがLTVが流行り出した要因の1つです。

意味が分かったところで、その計算式を学びましょう。
といっても、LTVの計算式にはいくつか種類があるようです。

わかりやすい代表的な計算式を挙げてみましょう。

LTV = 平均顧客単価 × 平均購買頻度 × 平均継続期間(÷顧客獲得コスト)

 

理想は一人一人の顧客に対してLTVを見積もれればいいのですが、それは難しいので概算を行うことになります。

LTVはなぜ重要か① CPAとの関係

では本題、LTVはなぜ重要なのかを考えていきましょう。

1つ目は、「LTVを計測することで適切なCPAを算出できる」ことです。

「アルファベットばかり並べやがって」と憤慨する人もいるかもしれませんが、そこは慣れていきましょう。
CPAはCost per Acquisition(顧客)獲得コストのことです。広告宣伝費などですね。

当たり前ですが、売上よりコストが大きかったらダメです。
つまり以下のどちらかの考え方を採用することになります。

① コストを決める → コスト以上の売上を目指す
② 売上を予測する → 目標利益と予測売り上げから掛けられるコストを算出する

単純に考えれば、CPAを高くする(広告にお金をかける)ことで、より大きな効果が期待できます。ここでは顧客の増加が望めます。
もちろんCPAはコストなので低くすべきではありますが、不適切な程に低くしてしまうとチャンスを逃してしまうことになります。

したがって、企業は②の考え方に沿って目標利益から適切なCPAを算出するべきなのです。
しかしLTVを計算していない場合、このCPAを低く見積もってしまうことが多くなってしまいます。

「LTVを計算しない」ということは顧客がこの先与えてくれる利益(売上)を考えない、ということです。直近(設定期間中)の利益のみ考えるわけですね。
各顧客ごとに考えると、CPAは原則最初にしかかからないので、あとは継続的に売上を上げていければいいのです。

しかしLTVを計算しない場合、継続的な売上を入れずにCPAを設定することになってしまい、適正CPAよりも低いCPAになってしまいます。

LTVを計測 → 適切なCPAを設定できる → チャンスを逃さず、顧客数・利益を増やせる

LTVはなぜ重要か② カスタマーサクセスとの関係

続けてもう1つ、LTVとカスタマーサクセスの関係についても見ておきましょう。

後で紹介するLTVを高める方法の1つに「平均継続期間を増やす」というものがあります。
そのために重要なのがカスタマーサクセスです。

逆にカスタマーサクセスの目線から見ると、LTVは重要な指標になります。
カスタマーサクセスの目的は「LTVの最大化」だからです。

今後多くの企業がカスタマーサクセスに取り組んでいくことになるでしょう。
その時、LTVを押さえておかなければ始まりません。

LTVを高めるための〇つの方法

ここからはLTVを高めるための方法を考えていきましょう。

LTV=平均顧客単価 × 平均購買頻度 × 平均継続期間(÷顧客獲得コスト)

基本計算式を見てみると、4つの方法があることがわかります。

① 平均顧客単価を増やす
② 平均購買頻度を増やす
③ 平均継続期間を増やす
④ 顧客獲得コストを減らす

具体的にどうすればいいでしょうか?

① 平均顧客単価を増やす

顧客単価を上げる代表的な方法は、アップセル・クロスセルです。
より高い商品を買わせるのがアップセル、関連した別商品も買わせるのがクロスセルになります。

② 平均購買頻度を増やす

購買頻度を増やす≒使用頻度を増やす、です。
商品のクオリティが一番関わってくるのがここかもしれません。

 

③ 平均継続期間を増やす

上の3つにも関わってきますが、ここで重要なのが顧客ロイヤルティです。
いかにその商品・ブランドが顧客に愛されているか、が顧客ロイヤルティになります。
イベントやフォローなどを活用して顧客ロイヤルティを高めましょう。

また、顧客が継続的に使いたいと思うような仕組み(オンボーディングなど)を作っていくことも必要です。

 

④ 顧客獲得コストを減らす

顧客コストを減らす、というのは単純に費用を圧縮しようという話ではなく(適正CPAが算出されている前提)顧客獲得の効率を上げようということです。
既存顧客の利用や、明らかに効果の薄い広告手段をカットして、有効な手段に投資するなどの施策をとりましょう。

 

LTVを計測して、健全な投資を行おう

出典:gahag.net

LTVを計測することで、適正なCPAを見積もり、健全な投資を行うことができます。
また、カスタマーサクセスを実行していく上で、LTVの計測は必須です。

さっそく自社のLTVを計算してみましょう。

 

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