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ベンチャー企業だからこそできる事業
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大企業とベンチャー企業。
この2つを比較したとき、もちろんそれぞれにメリットがありますが、資金力や人材の規模は圧倒的に大企業が優勢です。
しかし、ベンチャー企業であることを強みに事業を開拓し、成長を続ける企業があります。
その企業とは、旅行業を主軸に事業を展開するエボラブルアジアです。
エボラブルアジアは、設立10年にして東証マザーズに上場しました。
更に、2017年3月31日から東証一部へ市場変更しています。
この背景には、エボラブルアジアの”ベンチャー企業にしかできない戦略”があったのです。
そこで今回は、エボラブルアジアの輝かしい急成長の秘訣に迫ります。
エボラブルアジアのニッチ戦略
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このグラフをご覧ください。
エボラブルアジアは2008年から2016年の間で35倍以上の売上成長を記録しています。
この右肩上がりの成長を続ける秘訣は、ニッチなところで勝負するという点にあります。
エボラブルアジアは、ターゲット顧客や市場を狭く設定し、特化することで事業に優位性を持たせているのです。
これはつまりどういうことなのでしょうか。
エボラブルアジアの事業の実例から見ていきましょう。
エボラブルアジアの事業の数々
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それでは、エボラブルアジアの特色ある事業の数々をご紹介したいと思います。
国内航空券のオンライン販売
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国内航空券の比較サイトを扱う企業として最大手の位置を確立しています。
国内航空券のウェブ販売にターゲットを絞り、業界で唯一国内全航空会社グループと契約しています。
事業開始当初、海外航空券の比較サイトなどは多数ありましたが、国内航空券に特化したサービスは他になかったのだそうです。
確かに、国内旅行となれば、新幹線やバス、電車など飛行機以外の手段も多く使うことができ、
国内航空券のウェブ販売だけに絞るという選択は、かなり差別化されたセグメンテーションですね。
オンラインでの国内の航空券だけに特化することで、低価格での販売を実現しています。
こちらの事業は、エボラブルアジアの売上の8割を占める主力事業となっています。
訪日外国人観光客に向けたキャンピングカーのレンタルサービス
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従来、国内のキャンピングカーのレンタルサービスは、日本人客のみに限られていました。
そこでエボラブルアジアでは、米国のキャンピングカーレンタル会社の日本総代理店「エルモンテRV ジャパン」を買収し、
訪日外国人観光客に向けてキャンピングカーの貸し出しを開始しました。
急増する訪日外国人観光客と、それによる宿泊施設不足に着目し、
訪日観光客に向けたキャンピングカーの貸し出しは、新たな旅の移動手段になること間違いなしのサービスです。
キャンピングカーのレンタスサービス自体は決して珍しいものではありませんが、
顧客のターゲティングに独自性を持たせ、先行者優位となるよう事業展開しています。
法人向けオンライン出張予約システム
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従来、出張といえば、会社が航空券やビジネスホテルの手配を一つ一つ行う手間が必要でした。
旅行とは違い観光する訳ではないので、パッケージなどが存在しなかったからです。
そこでエボラブルアジアでは、ビジネスパーソンの出張に特化した法人向けのウェブ出張予約システムをいち早く導入しました。
更に、国内航空券を得意とすることから、国内の出張に特化したサービスにすることで、低価格を実現しています。
企業側は、出張にパッケージが用意されているため割安で簡単に購入でき、
請求も一括申請できるので仮払いや事後精算といった面倒な手間が省けるメリットがあります。
エボラブルアジアの顧客のニーズをいち早く見出す市場の洞察力には圧巻です。
ベンチャーだからこその強み
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もちろん、大企業のように資金力や多くの人材を確保することができれば、事業を幅広く、より多くの層の顧客を集めることができます。
しかし、事業に専門性を持たせることでしか気づくことのできない顧客の声があると筆者は考えます。
それが、エボラブルアジアの行き届いたサービスや顧客満足に繋がり、8年間で35倍も成長する会社となったのです。
エボラブルアジアのニッチ戦略は、ベンチャー企業にしかできない強みがあるということを証明していると言えるでしょう。