コンテンツマーケティング

2014年頃から、日本でも「コンテンツマーケティング」という言葉が普及しています。SNSや広告手法の発達により、広告宣伝も戦略的に取り組まないと、なかなか成果に結びつかない時代となりました。
つまり、従来の「売るためのツール」では顧客は反応しなくなってしまったのです。そこで台頭してきたのが「コンテンツマーケティング」です。
追って説明しますが、コンテンツマーケティングの手法自体は決して新しいものではありません。むしろ「当たり前のことを言うな」と感じる方もいるでしょう。ですが、改めてコンテンツマーケティングという言葉の意味や役割を整理したい人にはおススメの内容です。
今回は、「コンテンツマーケティング」という言葉の意味から、企業がコンテンツマーケティングを取り組まないといけない理由、具体的な手順について紹介します。

コンテンツマーケティングとは?

bigstock-Content-Marketing
出典:http://www.socialbrite.org/tag/content-marketing-for-nonprofits/
まず言葉の意味から確認しましょう。アメリカのコンテンツマーケティング協会の定義を参考にすると、コンテンツマーケティングとは「顧客が必要とする情報を、適切にコンテンツとして提供することで、その後のアクションを促す手法」だと言えます。
ここで大事なのは「顧客が必要とする情報」です。思いつくままに制作するコンテンツではありません。コンテンツ=「ユーザーが価値を感じる情報」なのです。ここを絶対に押さえておきましょう。次節では、コンテンツマーケティングを取り組む必要性について説明します。

コンテンツマーケティングに取り組む必要性

13-ask-why-IMG_8014
出典:http://www.griefrecoverykit.com/2012/03/ask-why/

◎宗像 淳氏(株式会社イノーバ・代表取締役CEO)

前節では、「顧客に商品を売ること」ではなく「顧客が必要とする情報を届けること」が大事だと伝えました。なぜ売ってはいけないのでしょうか?この問いに対して、コンテンツマーケティングの専門家、宗像淳氏は著書の中で「商品を売らない8つの理由」を以下のようにまとめています。

①広告宣伝費を抑えられる
②オピニオンリーダーになれる
③顧客に嫌われない
④顧客とのコミュニケーションが生まれる
⑤顧客のロイヤリティを高められる
⑥ターゲットが絞り込みやすくなる
⑦情報を自然に拡散できる
⑧顧客の反応が検証しやすくなる

宗像氏は「お客様のために価値あるコンテンツをつくること」がコンテンツマーケティングの根幹と捉え、低予算で実践でき、かつブランディングを実現できるマーケティング手法として多くの企業に普及しています。
uruna_book
出典:http://innova-jp.com/content-marketing/
書籍購入はコチラ
株式会社イノーバについてはコチラ

◎小林 弘人氏(株式会社インフォバーン・代表取締役CVO)

1994年にアメリカの雑誌「WIRED」の日本版を創刊、2006年にブログメディア「ギズモード・ジャパン」の立ち上げにも関わった小林弘人氏は、コンテンツマーケティングが注目される理由について次のように述べています。

① Googleは良いコンテンツが大好き!
「より良いコンテンツを、より多くの人に届ける」という思想のもと、Googleはパンダアップデートなどの検索アルゴリズムの改良を重ね、スパムコンテンツ、スパムリンクの排除を進めています。そのことによって、より良質なコンテンツを作ることの重要性が高まっています。
② ソーシャルメディアとの相性がバツグン!
TwitterやFacebookなどのフロー型のソーシャルメディアだけでは、せっかく制作したコンテンツが資産化しないため、自社サイトでコンテンツを蓄積する傾向が強まっています。そして、ソーシャルメディアを有効に生かして、自社サイトで蓄積した質の高いコンテンツでバイラルさせる手法が定着してきています。
③ みんながコンテンツ蓄積主義にシフト!
マス広告の影響力が縮小するに伴い、ユーザー視点のコンテンツを蓄積し、自社サイトやソーシャルメディアで効率よく拡散させる傾向が強まってきています。また、自社サイトにコンテンツを蓄積することが広告費の節約や営業効率の向上につながるため、コンテンツの充実を検討する企業が増えています。

出典:http://www.infobahn.co.jp/special/contentmarketing
このように、今ではコンテンツマーケティングに取り組みやすい環境が整っていて、消費者もそういった取り組みを求めている時代なのです。次に、実際のコンテンツマーケティングを考える際の手順を紹介します。
株式会社インフォバーンはコチラ

コンテンツマーケティングの手順

images
出典:http://www.helenbrowngroup.com/relationship-management-2/

1.想定読者(ターゲット)を具体的に設定する

まずはコンテンツを読んでほしいターゲットを想定してください。ポイントはできるだけ具体的に設定することです。「どこに住んでいて、どれぐらいの年齢か、そしてどんな嗜好を持った人か」等、イメージすることが重要です。

2.どういう経緯でコンテンツにたどり着くか考える

コンテンツを「どの媒体で」「どうやって見るのか」を決める必要があります。検索流入で獲得したいのか、あるいはソーシャルで獲得したいのか、それによって取るべき手法は変わります。
例えば検索流入であれば、その分野で検索ボリュームの多いキーワードからコンテンツを考える必要があります。なぜならば、検索ボリュームの多い=「多くの想定顧客が求めている情報」だからです。

3.コンテンツを作成する

まず、提供したい情報がそのサービス・製品を「知ってもらうための情報なのか」「価値を伝える・理解してもらうための情報なのか」「利用シーンを伝えるための情報なのか」を考える必要があります。その結果、「誰のために書くのか」「何のために書くのか」が明確になるので、読者にとって役に立つ情報が発信できるようになると考えられます。

4.コンテンツを定期的に修正する

1回で納得のいくコンテンツができることはありません。市場の反応を見ながら、PDCAを回して改善し続けることが、優良コンテンツへの近道です。
こういったことを考え、最終的なゴール(購入・クリック等)まで設計すること、その効果測定を行い続けることが、コンテンツマーケティングの精度を上げるために必要です。

最後に

今、一度皆さまの行っているマーケティングを見直してみてください。
「ターゲットは何に価値を感じるのでしょうか?」
「ターゲットは何が本当にしたいのでしょうか?」
「ターゲットは何が好きなのでしょうか?」
この記事をきっかけに、皆さまが自社でコンテンツマーケティングに取り組んでいただければ幸いです。

【よく読まれている記事】
総利用者数300人突破!! 「起業の科学」著者田所雅之氏による、ここだけでしか見れないコンテンツ

『enfacスタートアップサイエンス』は、世界で5万回シェアされたスライド「StartupScience」制作者の田所雅之氏が、書籍300冊、経営者のブログ500本、自身のシリコンバレーでの起業経験と1000人以上の起業家を取材する中で体系化した知識を、動画ラーニングのenfacが、いつでもどこでも学びやすくまとめた動画学習コンテンツです。


2017年6月より1年間をかけて企画・撮影した105本。今後も、毎月2-3本新しいコンテンツをリリースし、学びを深めていくことをサポートします。
コンテンツを学習することで、「試行錯誤で時間を浪費する」「チーム内で噛み合わないコミュニケーションを続ける」などの無駄を省き、チームが本来の目的や使命に向かってより効果的に進むことができます。

これ以上は記事がありません

読み込むページがありません

おすすめの記事