起業はやめておいたほうがいい
「起業はやめておいたほうがいい」
そう語るのは『コロプラ』を創設した馬場功敦氏です。
馬場功敦氏は2014年の日本長者番付で2300億円、第13位にランクインするほどの成功を収めています。当時、36歳というの若さでの達成は世間を驚かせました(ちなみに、2016年は22位です)。
ヒット作を何本も世に送り出した『コロプラ』の創設者、馬場功敦氏ですが、彼はなぜ『起業はやめておいたほうがいい』と考えているのでしょうか?
今回は馬場功敦氏が、起業において継続する際に大切にしていることについて、ご紹介したいと思います。
そもそも『コロプラ』とは?
出典:colopl.co.jp
『コロプラ』の名前の由来をご存知でしょうか?
2003年から馬場氏が個人サイトとして経営してきた『コロニーな生活』を法人化する際、初心を忘れないためにサイト名の『コロニーな生活☆PLUS』の愛称『コロプラ』を社名にしたそうです。
コロプラは『Entertainment in Real Life~世界中の日常をより楽しく、より楽しく~』を事業ミッションに、エンターテイメントによって、人々の何気ない日常をより豊かにすることを目指している企業です。
はじめはフィーチャーフォン向けのWebゲームアプリから始まり、現在はスマートフォン向けのゲームが主力となっています。最近では、VRを対象としたアプリの提供も始めています。
コロプラ / 馬場功敦 代表取締役 経歴
出典:type.jp
1978年1月に兵庫県伊丹市に生まれます。出身高校は都城工業高等専門学校、その後九州工業大学工学部知能情報工学科に入学します。
大学院博士課程時代にベンチャー企業でアプリ開発にのめりこみました。その後、2003年ケイ・ラボラトリーに入社します。
2007年にグリーに転職しましたが、同時に個人で運営していたゲームサイトのユーザーが増加した為退社しました。
2008年に『コロプラ』を設立し、2012年12月には東証マザーズへとスピード上場を果たしました。
馬場功敦氏の強みとは?
出典:picjumbo.com
馬場功敦氏はファミコン世代で、もれなくテレビゲームにはまっていました。この時からゲームを作るにはコンピュータが必要で、将来コンピュータでゲームを作るゲームクリエイターになりたいと思っていました。
中学時代には電子工作部に入部し、当時発行されていた『マイコンBASICマガジン』という雑誌にコードを入力すればゲームが作れるということが記載されていれて、電子工学部の仲間と共にプログラミングを始めました。
中学でも成績はかなり下の方でしたが、「成績が真ん中より上になれば買ってあげる」と言われ、死ぬ気になって勉強します。そうすると全体のトップ3分の1にランクインできたといいます。
この経験より馬場功敦氏は一定期間、一つのことにがむしゃら集中して結果を残す経験が大切であると語ります。
他にも、馬場功敦氏が没頭したことが幾つかあり、高等専門学校時代は5年間ずっとラグビーをし、最後の大会では日本一の栄冠を手に入れています。また博士課程時代には、Klabというベンチャー企業でひたすら『iアプリ』の開発に明け暮れます。
次第に開発仕事がとても面白くなり、どんどん大学に行かなくなったため1年後に休学します。その翌年には大学を中退し、Klabの社員となります。
2003年5月に会社員を続けながら『コロプラ』の原型を開発し、会社で働き、夜帰宅したら『コロプラ』のサポートやメンテナンスをするという日々を送ります。当時の平均睡眠時間は、なんと3時間だったそうです。
次第に会社の業務と、『コロプラ』の運用の両立が厳しくなってきました。『コロプラ』のユーザーも増え成功イメージもあったので、2008年に会社を退職します。そこから、個人事業主として『コロプラ』の運用に24時間没頭する生活が始まりました。
馬場功敦氏のように何か没頭できるものがあり、その没頭できることを仕事にしているのは、起業家にとってとても強みになると思います。
馬場功敦氏が考える"起業継続に必要な要素"
『起業はやめておいたほうがいい』
なぜでしょうか?馬場功敦氏はこう語ります。
"いいことなんてほとんどないんです(笑)。睡眠時間が取れない、遊びに行けない、性格が悪くなる、自己責任のリスクは盛りだくさん"
では起業する人とはどういう人なのでしょうか?それはどれだけ多くの人から強く『やめておけ』と言われても、やるというある意味狂気とも言える部分を持っている人だと言います。
では起業を成功する人とはどういう要素を持った人なんでしょうか?
まず成功の前提として継続があります。そして経営を継続するために必要な要素は『エンジン』と『ハンドル』です。
『エンジン』とは絶対に成し遂げるという起業家の狂気。『ハンドル』とは様々な問題やリスクを切り抜ける独自のセンスです。特に重要なのがセンスだと言います。
しかしセンスだけは0の人もいて、磨き続ければ1を100に出来ても0を1にすることは出来ません。実際に経営者になってみないと分かりませんが、自分が0であると気付いたならすぐに辞めるべきであると馬場功敦氏は言います。
起業とはそれだけ厳しい世界であることを肝に銘じておく必要があるということです。