コーゼーションとは、ビジネスにおける意思決定のプロセスのことです。
今回は、コーゼーションの意味やメリット、デメリット、そしてコーゼーションと同時に語られるエフェクチュエーションとの違いについて解説します。
Contents
意思決定のプロセス「コーゼーション」とは?
コーゼーションとは意思決定のプロセスの1種で、「目的」からの逆算で意思決定をする手法のことです。
コーゼーションには
- ①未来は予測可能である
- ②目的が必ずあり、目的から逆算して考える
というスタンスがあり、従来の経営学はコーゼーションに軸を置いて語られています。
コーゼーションは、バージニア大学ダーデン経営大学院のサラス・サラスバシー教授によって提唱されました。
コーゼーションのメリット・デメリット
コーゼーションのメリット・デメリットは何でしょうか。
メリット①意思決定がぶれない
コーゼーションのメリットは「意思決定がぶれない」ということです。
コーゼーションは目的ありきの考え方(目的とぶれていないかどうか)なので、目的達成のために不必要な意思決定が行われないメリットがあります。
デメリット①仮説が外れた際のダメージ
コーゼーションは、「未来は予測可能」というスタンスを取っているため、未来を予測した仮説を元に意思決定をしていきます。そのため、未来予測(仮説)が外れた段階で、事業全体に大きなダメージを負う可能性があります。
デメリット②目的のボトルネック化
大きな組織になればなるほど、最初設定した目的や目標を変更しづらくなってしまいます。
そのため、どう考えてもやるべき手法が目的軸からずれてしまっていると意思決定のタイミングが遅くなり、機を逃してしまうことになるのです。
コーゼーションは、目的がボトルネック化する危険性を内包している事を頭に入れておきましょう。
コーゼーションとエフェクチュエーションとの違い
コーゼーションと同時に語られることの多い意思決定プロセスが「エフェクチュエーション」です。
サラス・サラスバシー教授は、コーゼーションを「目的ありき」の意思決定プロセスとし、エフェクチュエーションを「手段ありき」の意思決定プロセスとしています。
コーゼーションとエフェクチュエーションは、どちらが優ってどちらが劣っているという話ではなく、両者の要所における使い分けが必要であるとサラスバシー教授は言います。
「手段ありき」の意思決定プロセスエフェクチュエーションはこちらから
コーゼーションのタイミング
コーゼーションは「目的ありき」の考え方です。
エフェクチュエーションは、現在ある資源で何ができそうかという展望を描く「手段ありき」の考え方です。
立命館大学吉田准教授によれば、エフェクチュエーションは0→1の起業家・新規事業で、コーゼーションは1→10のフェーズで使用することが効果的とされています。
参考:起業家メソッドを学習できる「エフェクチュエーション」とは?〈後編〉
まとめ
「目的ありき」のコーゼーションは、企業が成長する上で一気に加速させる意思決定プロセスになるかもしれません。
ほぼ私たちは無意識の間にコーゼーションで物事を考えていることが多いと思います。
これは学校の教育だけでなく、計画→行動→チェック→アクションのPDCAサイクルが好きな民族であるからという気もします。
要所要所でのコーゼーション・エフェクチュエーションの使い分けを考えてみてはいかがでしょうか?