この差はどこにあるのか?
この差はどこにあるのか?
上では経常利益で比較していますが、決算書を見ると、営業利益率の段階で他社と差が出ていることがわかります(※売上高から売上原価を引いたものが売上総利益。そこから販売費および一般管理費を引くと営業利益。そこから営業外収益と営業外費用を計算すると経常利益となります)。
出典:有価証券報告書
その要因は売上原価と販管費にあり、特に売上原価率は比較2社よりも低く、販管費もブロンコビリーのほうが低くなっています(販管費率の表は割愛)。
出典:有価証券報告書
なぜこのようになっているのか?
①出店戦略
ブロンコビリーは「今期の売上は12店舗の新規出店および販促活動と店舗改装による既存店の活性化による」と有価証券報告書に記載しています。
特に新規出店において、他社が撤退した物件に居抜きで出店したり、狭い土地にピロティ形式で出したり建物内に店舗を構えるビルイン形式を採用しています。その結果、店舗閉鎖損失もすかいらーくやサイゼリヤに比べ低くなっています。
出典:http://www.taishin.metro.tokyo.jp/consult/apart/01.html
②自社工場を中心とした店舗展開
1都8県、85店舗を展開するブロンコビリーですが、出店エリアはほぼ東海と関東のみです。
東海地区と関東地区に自社工場を持っているということもあり、輸送の時間を短縮でき、鮮度の高い食材を運べるので、高い顧客満足度に繋がっていると考えられます。
③アメーバ経営
”アメーバ経営では、組織をアメーバと呼ぶ小集団に分けます。各アメーバのリーダーは、それぞれが中心となって自らのアメーバの計画を立て、メンバー全員が知恵を絞り、努力することで、アメーバの目標を達成していきます。
そうすることで、現場の社員ひとりひとりが主役となり、自主的に経営に参加する「全員参加経営」を実現しています”
ブロンコビリーは「アメーバ経営を導入している」と有価証券報告書に記載しており、「部門別採算制度」「人材の育成」「全員参加型経営」を実践しています。
こういった各部署の数値に対する当事者意識が、売上原価や販管費に影響しているのだと考えられます。
まとめ
いかがだったでしょうか?
企業分析をする際、本当は収益性以外に効率性や安全性の指標をチェックする必要がありますが、今回は収益性にのみに特化して書きました。
ブロンコビリーについて、今回の分析以外にも優れた点はあると思うので、ぜひご自身で確認してみてください。
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