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ブルー・オーシャンを知る前に
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みなさんは「ブルー・オーシャン」「レッド・オーシャン」という言葉を聞いたことはありますか?
これらはマーケティング用語として使われており、
ブルー・オーシャンについて見ていく前には、まずレッド・オーシャンについて理解する必要があります。
レッド・オーシャンとは既存市場の状態をいい、経営学や書籍などで紹介されている企業の競争戦略のほとんどは、このレッド・オーシャンにあたります。
レッド・オーシャンでは、市場の中にすでにある需要の中で、より多くのシェアの獲得を目指していかなければなりません。ここでは、長期にわたる企業の存続を目指すための競争と戦略は欠かせません。
こういった市場では、競争相手が増えるほど競争が激しくなっていくことがわかります。また、それによって企業の成長が遅くなるため、収益性が悪くなります。
ここでの価格や機能における血みどろの激しい戦いの様子を「レッド・オーシャン」という言葉で表しているのです。
ブルー・オーシャンとは?
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上記ではブルー・オーシャンと対照的なレッド・オーシャンについて説明してきましたが、ブルー・オーシャンとは一体何なのでしょうか。
レッド・オーシャンが既存市場であるのに対し、ブルー・オーシャンは「自らが開拓した新しい市場」を意味します。市場需要から市場そのものを自らが創り出していくため、ブルー・オーシャンで重要なのは「価値創造」だと言えます。
このように新しい市場を開拓していくことは「バリューイノベーション」と呼ばれ、ブルー・オーシャン戦略の軸となっています。
ブルー・オーシャンという考え方は、フランスの欧州経営大学院(INSEAD)のW・チャン・キム教授とレネ・モボルニュ教授が提唱したことから始まりました。
ブルー・オーシャンでは新しい市場を切り開いていくことになりますので、レッド・オーシャンの枠組みや仕組みが通用しません。
つまり、ブルー・オーシャンは競争とは無縁であり、すでにある製品やサービスを「進化」させてアプローチしていかなければならないのです。
競争とは無縁であることで成長の機会は無限に広がり、利益率の高いビジネスが期待できます。
ブルー・オーシャン戦略のフレームワーク
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先ほど、ブルー・オーシャンではレッド・オーシャンの枠組みや仕組みが通用しないと述べましたが、ブルー・オーシャンを創り出すためのフレームワークも存在しています。
以下では、その中でから1つのフレームワークをご紹介します。
アクション・マトリックス
現状の市場において、新たな価値を生み出すことができないかの4つのアクションを表しています。
その4つは「取り除く」「増やす」「減らす」「付け加える」です。
・取り除く:業界常識として備わっているもののうち、取り除くべきものは?
・増やす:業界の標準と比べ、大きく増やすべき要素は?
・減らす:業界の標準と比べ、大きく減らすべき要素は?
・付け加える:これまで提供されていなかったもので、今後付け加えるべきものは?
これらを深く考えていくことで、新しいアイデアが見つかるかもしれません。
ブルー・オーシャン戦略のメリット・デメリット
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ブルー・オーシャン戦略を考えることにメリットがあるのは、すでに飽和状態に近く、激しい競争が繰り広げられている業界です。
ライバル企業が少なく、大きなシェアを獲得する可能性が少しでもある場合は、レッドオーシャン戦略で攻めていったほうが利益は得られるかもしれません。
また、一方で、”売るスキル”を持っていない会社は、ブルー・オーシャン戦略を取らないほうが良いと考えられます。
高付加価値の新しいアイデアが思いついたところで、経営者がマーケティングの知識やセールススキルを持っていなければ、その価値が消費者に伝わらず売れないという事態が起きてしまうかもしれません。
最悪の場合、その価値に気づいた他者に模倣され、先を越されてしまう場合も十分にあり得ます。そのため、スキルや知識は必須条件となるでしょう。
ブルー・オーシャンで成功した企業例
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ブルー・オーシャンで成功した最も分かりやすい例といえば、ユニクロではないでしょうか。
この時期になるとほとんどの方が身につけているであろう「ヒートテック」は、それまでの衣類にはなかった機能性の高い製品です。
さらに機能だけではなく、製造から販売までを一貫して行うことで流通や仕入れ・買い付けのコストを削り、安価で提供することに成功しました。
そして、新たな市場を作りながらユニクロのインナーへの注目度を上げ、夏には「シルキードライ」を発売したり、冬にはヒートテックの機能を備えたニットや手袋など、広く商品展開を行っています。
ブルー・オーシャンまとめ
いかがでしたか?
レッド・オーシャン、ブルー・オーシャンについて少し理解できたでしょうか。
これから戦略を考えていく際には、「本当に自社はブルー・オーシャン戦略をとるべきなのか」「レッド・オーシャンで勝てる見込みはないのか」をよく検討してから進めていってください。