貧困問題を抱える発展途上国の多くは農業が主な産業です。しかし、慢性的な水不足で土壌が痩せてしまう乾季に悩まされます。
ソーシャルビジネスで社会問題の解決に取り組む株式会社ボーダレス・ジャパンにて、この問題を解決するために立ち上げられた“オーガニックハーブで貧困農家の収入UP”をテーマとした新規事業「AMOMA」。
ここではどのような取り組みを行っているのでしょうか?
貧困問題を解消するためにフェアトレード商品を販売したい
出典:http://www.borderless-japan.com/members/kazunari-taguchi/
事業立ち上げのきっかけは、株式会社ボーダレス・ジャパン代表取締役社長である田口一成の「アジアやアフリカの貧困問題を解消するためにフェアトレード商品を販売したい」という想いだったそうです。
それから、「どのような商品であれば継続的に買い取り保証ができるか?」をテーマに販売方法を検討する日々が続いたといいます。そうして、資金があまり無い中、”高付加価値な商品開発”というアプローチ方法をとるという答えにたどり着きました。
しかし、ここで付加価値が高い商品とはどういうものかという疑問が湧いてきます。この問いの答えとなった出来事は、田口氏の妻の母乳不足でした。授乳期ママの70%が母乳不足で悩んでいるという事実があり、「母乳で育てたい」というニーズを満たすために、フェアトレードハーブを原料としたオーガニックハーブティーの開発に至ったといいます。
助産師と英国メディカルハーバリストと共同開発
出典:http://www.amoma.jp
妊産婦ケアの第一人者である浅井貴子助産師が、医学的観点から妊婦さんにとって必要なモノを、英国メディカルハーバリストが妊娠中・授乳中に飲んでも安心なハーブをブレンディングするという強力体制でブレンドレシピを完成させました。
赤ちゃんのことを1番考える最も敏感な時期に、農薬を使用した茶葉は使うべきではないというポリシーから「100%有機栽培の認証を受けたものもしくは無農薬栽培のもののみを採用する」ということにこだわっています。
また、妊娠中や授乳中は様々な悩みを抱えます。そうしたママが安心して相談できる存在でありたいという想いから、AMOMAのコールセンターで働くスタッフは全員産後ママで、充実したサポート体制がとられています。
AMOMAが目指している社会の姿とは
AMOMAは、アジアやアフリカなど発展途上国の貧困農家に対して、ハーブ栽培のノウハウ提供と継続的なハーブ買取りを通じて、安定的な収入を提供し経済的自立を支援していきます。
こうして栽培されたハーブからエッセンシャルオイルや植物オイルの抽出や加工を行うために、現地に工場を作ることで季節を問わない労働の機会を提供し、さらに、経済的な自立だけでなく仕事に対するやりがいや誇りを感じられる労働環境を提供し続けていく見込みです。
まとめ
「発展途上国の貧困農家が抱える問題を解決する」ということと「母乳で子供を育てたいと願う日本中のママを助ける」という2つの想いから始まった社会貢献事業。発展途上国の貧困問題と消費者の問題をフェアトレード商品を通じて解決するというのは面白いビジネスなのではないでしょうか。
フェアトレード商品を購入する事で、それを作っている国や地域の暮らしを支える一員となることができます。フェアトレード商品を用いた社会ビジネスは他にもたくさんありますが、その中でどのように消費者にアプローチするのかがカギとなってくるようです。
AMOMAについて詳しく知りたい方はこちら
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