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コンバージョンって何を見てますか?サブスクリプション時代のコンバージョン指標
「コンバージョン」って何見てますか?
従来の売り切り型のモデルでは最後のコンバージョン「収益」を見ていたと思います。
しかし1つのポイントだけでは、ユーザーの行動全体を把握することはできません。
ユーザーの行動全体を把握できないということは、”問題がどこにあるのか把握できない”、ということです。
今後のビジネスの主役になるであろうサブスクリプションモデルでは、絶え間ない改善が最重要になってきます。
その時、適切な指標を追えないようでは、サブスクリプション競争に勝ち残ることはできません。
したがって現在のビジネスでは複数の指標を追っていくことが推奨されます。
今回紹介するAARRR指標もそのようなフレームの1つです。
サブスクリプションでなくてもインターネットを経由したビジネスを行うのであれば必須のAARRR指標。
今回はAARRR指標のメリットと、各項目の意味、代表的なKPIを解説していきます。
AARRR指標とは?
AARRR(指標、モデル)とは、「商品・サービスの成長のためにユーザーの行動をより詳細に知りたい!」という考えの下、そのプロセスを5つのフェーズに分けたものです。
読み方は「アー」と読まれることが多いようです。
海賊の叫び方っぽいということでPirate Metrics(海賊指標)とも呼ばれます。
AARRRというのは5つのフェーズの頭文字をとったもので、そのフェーズはAcquisition(ユーザー獲得)、Activation(利用開始)、Retention(利用継続)、Referral(紹介)、Revenue(収益発生)から構成されています。
各フェーズについては後で説明していきます。
まずはAARRR指標を導入することでどのようなメリットを得ることができるのか、明確にしていきましょう。
AARRR指標を導入するメリット
① ユーザーの行動の全体像を把握できる
「収益」や「会員数」だけがKPIの場合、ユーザーの行動の一部しか把握できません。
従来はユーザーの行動を限定的にしか把握できないのが普通でしたが、ITの発達によりその常識は変わりました。現代ではユーザーの行動をより多角的に分析する必要があるのです。
② 課題がどこにあるか明確になる
フェーズごとにKPIを設定することで、商品・サービスの課題がどこにあるかが明確になります。
フェーズごとにKPIがなければ、余計なPDCAを回す必要が出てくるでしょう。
AARRRのどこに課題が明確にすることで商品・サービスの改善を迅速に行えるのです。
③ リソースをフェーズごとに最適配分できる
さらにフェーズごとにKPIの達成度合いが見えれば、それに合わせてリソースを配分することができます。
未達成のフェーズに重点的に、達成済みのフェーズは軽くする、などの柔軟なリソース配分ができることもAARRR導入のメリットです。
AARRR指標、各フェーズの意味とは
メリットが理解できたら、各フェーズの意味を見ていきましょう。
① Acquisition(ユーザー獲得)
AARRR1つ目のAは、新規ユーザーの獲得フェーズです。
さまざまなチャネルからユーザーを集客し、利用を検討させる施策を考えましょう。
インストールを容易にしたり、広告を最適化したりするなどの施策が考えられます。ダウンロード数、インストール数、AppStoreページ訪問数、サイト訪問数、広告クリック数
<代表的なKPI>
ダウンロード数、インストール数、AppStoreページ訪問数、サイト訪問数、広告クリック数、問い合わせ数 など
② Activation(利用の開始)
AARRR2つめのRは、ユーザーが利用を開始するフェーズになります。
このフェーズの目的は、ユーザーの早期離脱を防ぐことです。
ユーザーが使いやすいUI/UXや利用になれるためのチュートリアル、マジックモーメントの設計などが施策として挙げられます。
<代表的なKPI>
チュートリアル突破率や会員登録率、メルマガ・プッシュ通知の受諾率、セッション時間、セッションのスクリーン数
③ Retention(利用の継続)
1つ目のRは、ユーザーが継続的に商品・サービスを利用しているかを計測するためのフェーズです。
「ヘルススコア」と近い指標になります。
また、あまり利用していないユーザーの復帰についてもこのフェーズで担当します。
カスタマーサポートや継続利用者に対する特典、継続的な商品・サービスの改善(不満点の排除)などが主な施策です。
<代表的なKPI>
再訪率、訪問頻度、月間アクティブユーザー数、利用時間
④ Referral(他者へ紹介)
2つ目のRはReferral、既存ユーザーが新規ユーザーに商品・サービスを紹介してくれる段階です。
紹介キャンペーンやシェアのし易さ、レビューの促進などが施策として考えられます。
<代表的なKPI>
レビュー数、ストアでの点数、シェア数、SNSでの投稿、紹介されたユーザーの行動、メディア
⑤ Revenue(収益の発生)
最後のRはRevenue、収益の発生段階です。
収益がどのように発生しているかを把握します。
思索としては、課金のタイミングの設計、キャンペーン、購入フローの整備などがあります。
<代表的なKPI>
収益化のタイミング、購入商品の組み合わせ、アップセル・クロスセルのタイミング、LTV、広告収入
AARRR指標でユーザー行動の全体像を把握しよう
出典:gahag.net
AARRR指標を導入するメリットと各フェーズの意味、理解できたでしょうか。
AARRR指標を活用することで、ユーザー行動の全体像を把握し、より効率的な商品・サービス改善を進めることができます。
サブスクリプション時代に適応するために必要な指標管理法。
それがAARRRモデルなのです。