事業拡大の2つのタイミングとは?

アメリカのビジネスモデルをそのまま持ってきても上手くいかない


アメリカのモデルを参考にしていたこともあって、アメリカで成功しているようなモデルをそのまま日本に持ってきてサービスを始めたところ、全く上手くいきませんでした。
そこから学んだのは、「アメリカで上手くいっているから日本でも上手くいくはずだ」ではなく、日本でビジネスをやっている人たちが実際に何を求めているのかというところをちゃんと見た上で、ビジネスを考えていかなければいけないということです。アメリカのビジネスモデルを参考にしながらも、日本のお客さんや日本のユーザーを見てサービスを変えていくと、ユーザーも広告主も増えていきました。

創業資金調達の背景

創業した1999年というのは第一次ネットバブルのようなことが起きていて、今以上に資金調達しやすい環境にあったので、正直資金調達において苦労したことはあまりありませんでした。

2つの大きな転換がターニングポイントに


2004年がひとつのタイミングでした。創業当時から『MY ID』という懸賞サイトを運営しており、そのモデルを今の『ECナビ』という価格比較サイトに事業モデル自体の転換を行いました。このタイミングは大きく成長するきっかけになったと思います。
それから、2006年から2007年頃の業界は「Web2.0」というものが巷ではバズワードとして出ていたのと同時に、新しいビジネスモデルを持ったスタートアップがどんどん生まれていました。その中で、我々自身を周りの新しい環境と比較すると、「少し図体も大きくなって新しいことに挑戦しにくくなってきているんじゃないか」と気づいたタイミングだったんです。
そこで、どんどん新しいことに挑戦していくために、新しいことがやれるような環境・事業モデルに変えていこうとしました。それまでは機能別組織だったのを事業部制に変えて、全く新しい子会社を作ることによって、新しい事業を生み出しやすい環境を整えました。それが2つ目のターニングポイントです。

「知識が腹落ちしているか」が重要


知識やネットワークはあれば越したことはないですが、どちらかというと、知識として知っているというよりも腹落ちできているかどうかの方が多分大事なんです。
ネットワークに関しても、本当にそれが”生きたネットワーク”かどうかというのが大事なのですが、そのようなことは起業して始めて分かってくるので、起業する前の時点ではなかなか腹落ちもなかったですし、生きたネットワークもなかったんじゃないかと思います。

スタートアップ経営者に向けてのメッセージ


起業して1,2年というのはみんなある意味毎日がハイテンションな状況です。このタイミングというのは、結果が出なくてもみんなが頑張れるタイミングだと思います。
一方で、結果が出ない間にその魔法がかかっている期間が終わると、みんなが「このままでいいのか」と迷い始めます。
起業して1,2年は、「次の期間にやったことの結果を繋げていく期間なんだ」ということを意識せずにそのまま3年目以降に突入すると、その違和感に気づき始めるので、最初の1,2年のところが大切です。
 
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