今回のインタビューは、株式会社アップパフォーマのCEOである山田修平さんに「競合について」「スポーツにおけるプロとアマチュアのニーズの違い」「資金調達におけるVC(ベンチャーキャピタル)との付き合い方」「今後の事業戦略」についてお話を伺いました。
【経歴】
1980年生。株式会社アップパフォーマ、創設者・代表取締役。9歳でアマチュア無線電話級を取得、Apple PowerBook 100 と HyperTalk でのプログラミングにはじめて触れる。中高で BASIC、perl など。しかし、大学卒業後は大手アパレルに入社し、関東、沖縄、パリにて店長として勤務。帰阪後、Founder Institute に参加。Ruby、回路・基板設計、3Dモデリングなどを行いながら、2014年に同社を設立しスタートアップ。

サッカープレーヤーのためのトラッキングシステム


「Eagle Eye(イーグルアイ)」は、サッカー用のプレイヤー・トラッキングシステムです。
デバイスを選手が腕につけてプレーすることによって、選手の動きを記録し、このデバイスから直接サーバーへデータを送信します。
選手もコーチも、スマホなどの画面上で実際に選手が動いているのを、アプリケーションを通して見ることができます。それ以外にも、スピードや距離などの数字も分かるようになっています。

想定ユーザーは”アマチュア選手”

僕等の想定しているユーザーは、アマチュア選手がメインのターゲットで、特に育成世代の18歳以下の人達を対象にしています。
今までは、何となく感覚でコーチが見たままを指導していたり、ビデオに撮ったものを何回か見て、「何となく」であったり、頑張っている人達はそのビデオを元にノートに書き落としていたり、ということまではやっていましたが、なかなかデータにして客観的に見るということはできていなかったという状況があります。

直接的な競合はいない

スポーツIoT、もしくはスポーツの分野でビジネスをしているスタートアップについては、今年2016年1月の6日〜9日にラスベガスで「CES(コンシュマー・エレクトロニクス・ショー)」が開催されていて、そこでかなりの数のスポーツテックなスタートアップが出ていました。
何社というのもわからないですが、去年に比べて莫大な面積で出店していたという状況を見ると、去年から今年にかけてのスポーツや人に対するセンシングや、その分析というところが注目されているという実感はあります。
今年は色々な製品が出てくるのではないかなと思っています。
 
僕たちの競合になるのは、直接的ではないのですが、同じサッカーもしくはプレイヤーのトラッキングをしているサービスを提供している企業です。
「直接的ではない」という理由は、僕たちはアマチュア選手が対象ですが、彼らはプロの選手が対象になっていますので、直接的にフィールドが一致していないためです。
あと、価格帯にも大きな差があるので、その意味では少しずれているのかなと思っています。

プロとアマチュアでは製品ニーズが違う

プロとアマチュアのそれぞれが求める精度・品質・出せる金額は違っています。
アマチュアが求めるのは、十分な精度ではあるけれども細かい精度は必要がなく、価格はプロよりも低く、耐久性や使いやすさです。
使うのに専門性が求められるかどうかについても、かなりの認識の差があります。
専門のアナリストがいるわけでもなく、普通の人が普通に使えるような内容で、いかにわかりやすく伝えるのかというのが、大きくプロとアマで違う点だと思います。

少しずつの積み重ねが強みに

僕たち独自のオリジナリティとしては、まだアマチュアをターゲットにやっている人がいないので、先行優位があるという点が1つ。
もう1つは、コストはかなり抑えて製造しているので、他社が同じような流れでやったとしても、価格帯がほぼ一緒になるんじゃないかと思っています。
僕たちの場合は、デバイスだけではなく、アプリケーションでもソフトウェアでもお金をいただくビジネスモデルなので、デバイスにはそんなに利益がのっていません。
当然、デバイスの販売だけでビジネスをしようとしている会社では太刀打ち出来ないでしょうし、ソフトウェア側の人達も、おそらく出てくるデータも、そこからの分析内容はほとんど変わらないと思います。
そういった少しずつの積み重ねが、トータルのソリューションとして「強み」になっているのかなと思っています。

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