経歴
横浜国立大学大学院工学研究科を修了し、NTTに入社。NTTでは企業向けの商品企画およびSEを担当。その後、NTTレゾナントでポータルサイト「goo」の開発に従事。モバイル開発の株式会社ゆめみに入社。担当していた新規事業部門を2014年4月にゆめみからスピンアウトして株式会社スピカを設立。好きな言葉は「為せば成る」。
ユーザー、サロン、お互いが良い関係を作れるサービス「ネイルブック」
-事業内容について教えていただけますか?
ネイルの写真を共有するサービス(アプリ)「ネイルブック」を運営しています。写真の下にネイルサロンの情報があり、女性が次のネイルのデザインを考える時、「ネイルブック」で気に入ったデザイン(写真)を見つけ、そのままサロンへ行けるOtoO(Online to Offline)サービスを目指しています。
-サロンの方が写真を投稿することが多いのでしょうか?
サービスを使う方はサロンへ行く方ですが、写真の投稿はサロンの方が多いです。「ネイルブック」に投稿するとお客様が来店するというメリットがあります。
良いネイルの写真があると、ユーザーにとってもメリットがあります。お互いが良い関係を作れるサービスです。
-「ネイルブック」の特長は何でしょうか?
プロのネイリストの投稿が多いので、ネイル写真の品質が良く、写真の数がたくさんあるのが特長だと思います。
-マネタイズはどうされていますか?
マネタイズはまだしていません。ユーザーを幅広く集めようとしています。
人材面、資金面を考え親会社からスピンアウト
-「ネイルブック」の立ち上げについて教えていただけますか?
当社の母体である株式会社ゆめみはシステム開発を得意とする会社です。ゆめみの新規事業でBtoCを始めようと立ち上がったチームが母体となっています。
BtoCの中でもOtoO領域、ネットからリアル店舗に人を送客する事業を立ち上げることになりました。いろいろな業界を見比べ、リソースが限られた中でチャンスのある市場はどこかを考えた結果、美容というジャンルにたどり着きました。その中でもエントリーしやすそうなのがネイル市場でした。
また、チームに所属していた女性がネイル好きだったので、自分事としてサービスを考えられますし、マーケットという観点からも参入できそうだったのでネイルブックを立ち上げました。
-株式会社ゆめみからスピンアウトし、株式会社スピカとして独立に至った経緯を教えていただけますか?
ゆめみで約3年間、「ネイルブック」を新規事業として行い、比較的ユーザーもついてきました。
この先の大きな展開を考えた時、ゆめみはシステム開発を専門としているのでBtoBのマインドを持った人が多いこともあり、BtoCの人材を集めるためにも分社する方が良いのではないかということ。
もう一つは資金面です。ゆめみの事業利益を使って新規事業活動をしていたので、そこが上限になってしまいます。
分社すれば外部から資金を集めることができ、大きな飛躍につながるのではと前向きに考え、独立することになりました。
成長スピードを落としてでも一つのプラットフォームに集中
-4年弱で「ネイルブック」100万ダウンロードを達成されたとのことですが、成長曲線は想定通りだったのでしょうか?
正直遅いと思いますが、織り込み済みの遅さでした。口コミでユーザーを増やす仕組みなので、アンドロイド版を早めに出していればもっと早く成長できたと思います。最初はiPhone版を開発したので、口コミを知った時にアンドロイドユーザーがドロップしていたのだと思います。
しかし、iPhoneとアンドロイド両方展開すると、限られたリソースで開発パワーが半分になってしまいます。
また、新しいことを試す時に両方対応していかないといけないので、成長スピードを落としてでも一つのプラットフォームに集中し、仕組みを作ることに注力した結果です。この方針で行ったので、納得しています。
-もしリソースが十分あれば、口コミ以外のマーケティングも考えられたのでしょうか?
有料プロモーションは考えませんでした。定着率が悪いので、伸びが低くても定着率が高いアクティブユーザーを優先して考えました。
リソースあれば仕組みづくりを加速させるところに使ったと思います。
-KPIはどのようなものを設定していたのでしょうか?
マンスリーアクティブユーザー(MAU)を見ていました。あとは継続率です。
-ネイリストの数や写真の投稿数も気にされていたのでしょうか?
アクティブユーザーを増やす先行指標として写真の投稿数と、元となるネイリストの数を追いかけました。その結果、アクティブユーザーが増えました。
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