今回のインタビューでは、株式会社meleap CEOの福田浩士氏とCOO兼CTOの新木仁士氏に対し、「起業の経緯」や「社会人経験で起業に活かせたこと」、「起業家としての想い」について菅野(起業tvディレクター)が伺いました。
【おすすめポイント】
それぞれ起業したいと思っていた二人がどのように出会い、何故今のサービスをしているのか!?
起業に迷った時、どちらの方向に進んでいいのかわからない方、必見です!
【経歴】
福田浩士:明治大学・東京大学大学院にて建築設計論の研究、空間アート制作にのめり込む。大学院の頃、2050年の都市を研究する「iCityプロジェクト」に参加したのがきっかけでホログラムやウェアラブルを使ったナチュラルユーザーインターフェイスの研究を始める。大学院卒業後、株式会社リクルートにて住宅業界の集客コンサルに従事。その後2014年1月に株式会社meleapを設立し、CEOを務める。ダンス歴6年。漫画とアニメが何よりも好き。
【経歴】
新木仁士:東京理科大学で建築を学び、東京大学大学院にてセマンティックwebを活用した歴史研究支援システムの研究に打ち込む。2050年の都市を研究する「iCityプロジェクト」で人とデバイスの関わり方や新たな価値観を模索する。卒業後は富士通株式会社にてインシデント分析サービスに取り組み、ビッグデータ分析ツールと組み合わせた手法を論文コンペで発表、最優秀論文賞を受賞した。2014年1月に株式会社meleapを設立し今に至る。和食と温泉が大好き。
【事業内容】
実際に歩き回り、日常空間に現れるモンスターと、体を動かしてバトルできるウェアラブルデバイス・システムを作っています。ゲームが好きな人であれば、リアルにゲームを体感したいと思うのは当然のことです。しかしこれまでのゲームはディスプレイの中の世界でしかなく、世界観を実際の生活で体感できるわけではありませんでした。かめはめ波を撃とうと頑張っても実際に撃てるわけではありません。 街で暴れるモンスターを倒そうと思ってもそんなモンスターはいません。私達はそこに非常に強いもどかしさを感じています。そこで私達は圧倒的臨場感で楽しめるゲームを作っています。このゲームは今までのゲームと違い、自分の部屋の家具や階段、街並や建物などの身の回りの空間を認識し、フル活用します。机の下に隠れたり、走り回って遊べるようになります。この仕組みによって私達の日常はもっと面白くなるのです。
(0:10~)
菅野:
起業した経緯について教えてください。
福田氏:
僕は小さい頃から、空を飛びたいと思っていたり、ヒーローになって世界を救いたいと思っていたり、壮大なことを考えていて、どういう仕事をすればいいのかということは具体的に考えられていなかったのですが、自分で世界を創っていきたいとぼんやり考えていました。大学生の頃になんとなく試しに起業してみたのですが、結局どういうビジネスをやっていけばいいのか分からず、とりあえず社会に出て修行することにしました。そして、1年半経った頃に見えてきたビジネスがありました。それは、日常を楽しくすることがテーマだったんですけど、そこにITを掛けることで、もっと面白くなるビジョンが見えました。それがなんとなく見えたので、新木と一緒に会社を創った、ということが経緯です。
菅野:
新木さんも元々起業したいと伺っていたのですが、なぜ起業したいと思っていたのですか?
新木氏:
起業したいと思った理由は、自分自身がホントにやりたいこと、具体的に言うと、アートや研究分野で使われているテクノロジーや表現方法を一般の人が使えるようにしたかったからです。福田との始まりのようなものでもあるのですが、キネクト(ジェスチャー・音声認識によって操作ができるデバイス)を買って自分たちでいじり始めたというのが一番大きなキッカケでした。キネクトに使われているようなセンサーは数百万円するのが当たり前でしたが、今では2~3万円で購入できるようになり、自分たちでハッキングもできるように、コンテンツも作れるようになりました。そういったセンシングデバイス(センサーと同義)が安価で手に入りやすくなりました。デバイスはできあがっているので、後はソフトウェアの問題で、その分野は自分が得意・好きなので、自分が多少でも活躍しやすい環境が整ったので起業を決断しました。
(3:00)
菅野:
サービスをグローバル展開したいですか?
福田氏:
そうですね、世界中の人に使ってもらいたいです。老若男女問わず、使って欲しいです。
新木氏:
世界中を面白くするにあたり、地球の裏側のブラジルやアフリカの人にもmeleapが生み出したサービスを世界中の方が楽しんでいただいて、日常的にクスっという笑い、さらにそれを超えて、膝がガクガクするほど面白いサービスに関わってくれる人が全世界にいてくれたらいいなと思います。
(3:56~)
菅野:
社会人経験を経て学べたこと、今の起業に活かせたことは何ですか?
福田氏:
名刺の渡し方ですね(笑)あとは、エレベーターの乗り方だとか(笑)そこだけじゃなくて、僕の場合は、どうやって人を巻き込んでいくかということを勉強したくて企業に入って営業をやっていました。なので、(学べたことは)人の巻き込み方ですね。自分のやりたいことと、相手のやりたいことを合わせて一緒にやっていこうよ、という巻き込み方を学びました。それは組織内でも組織の外のお客様でもそうですね。
新木氏:
私の場合は、企業に入って学んだこと・今役に立っていることはチームの作り方・在り方です。前職でやらせていただいたことが、社内の炎上していたプロジェクトの中に飛び込み、納期やリミットに向けてどうにかして(間に合わせて)いくという仕事をやっていました。言ってみれば、SI業界(IT業界の中でも「情報サービス」関連のサービスを提供している業界に位置づけられる)はネガティブ要素がよく出てきます。どうやったら前のめりになりながらメンバーがやっていけるかという環境づくりを今は意識してやっています。本当にやりたいからやっている、気付いたら自分からやりすぎてしまって、いつの間にか睡眠不足になってしまう、ご飯食べるのを忘れてしまうような仕組みを作り上げていくことに今は注力しています。
(5:42~)
菅野:
一貫して大事にしていることはありますか?
福田氏:
会社がどっちの方向に進むべきかを色んな情報を集めながら考えて理論立ててCEOとしての役割だと思います。それはプロダクトの話もそうですし、人事の話もそうですし、そこをもとに戦略立てて実際に動くというところをやっています。
新木氏:
世界中を面白くしようと思ったら、やっぱり会社としてただバイアウトしてもらったら終わりではなくて、規模でいったらgoogleやfacebookを目指し、どの選択肢を削り落としていけばいいのか順序立てて考えていくと必然的に決まっていくと思うので、そこは僕も福田も自然と定まっていきました。
(6:42~)
菅野:
このインタビューを見ている起業に関心のある学生や起業の準備を始めている人に向けて、何かメッセージをお願い致します。
福田氏:
一番大事なのは、自分の気持ちがたぎる方向に進むということ。ホントに自分が何のために生きているのかを改めて見つめ直すことが大事だと思っています。その中でこれやっていると楽しいな・気持ちいいなと思えることをしっかり見極めて、具体的に何がやりたいとかなくてもいいのですが、そっちに一歩一歩進むことで新しい世界が見えてきます。そして具体的にこれをやってみたいと突き進めるようになってくると思います。その中で自分がこれをやることで世界がもっとよくなるんだ、ということが見えてくるのであれば、そこは迷わず周りをガンガン巻き込んで世界を動かしていけばいいと思います。周りを、投資家であろうと仲間であろうと巻き込んで実際に世界を変えていく流れを作らないと自分が楽しくないじゃないですか。逆に、何のために生まれてきたのかと考えた時に、それをやらずに死ねるか、という話だと思います。やらないことの方がリスクだと思います。絶対そういう方向に動いた方がいいと強く思います。なので、自分がたぎる方向に進む。そこで、びびったら負け、そこで死んでいるようなものですね。そういう気持ちでやった方がいいかなと思います。
新木氏:
まずはやることですね。気持ちが高まり、心の底からやりたいと思ったら、仮に今企業に勤めていて、定期的な収入が入ってきて安定した生活ができますが、それ(安定)を捨ててでも飛び込んだ方がいいと思います。なぜなら一生は一度しかないのだから。後悔しない人生を。自分が心から楽しんで舵取りしている人生ってやっぱり楽しいですよね。それをやるには安穏として生活とは別で苦しいかもしれないですけど。最近、よく「今までの人生で、どこからやり直したいですか」と聞かれますが僕は一切ないです。やっぱり苦しい経験をたくさんしてきましたけど、今まで自分のやりたいことをやってきた、周りの人にやらせて頂いたということもあって、今本当に凄く楽しいです。そして、これからも楽しみです。