今後の成長戦略
今後の成長戦略
アイリスオーヤマは、実は上場していないんです。「していない」というか「しない」会社ですね。
昔の上場会社は悪くなかったのですが、最近は上場するとほとんどファンドが「株主としての権利」を主張するんですね。
これは結局、会社が道具になっているわけなので、それで本当にいいのかなと思っています。
それともう1つ、他人のお金を集めるのですから、何のために使うのかというと「成長のため」だということになります。
それは企業理念ではっきりと明記しているように、いかなる時代環境においても利益の出せる会社を作ろうということにつながります。利益さえ出していればリストラはしなくてもいいし、倒産もすることはないわけですね。
だから成長は手段であって、目的はやっぱり健全な会社をつくるということです。
上場して大企業になると、変化についていけずにつまづいてしまうとリストラや倒産が起こります。
それよりも、規模は小さくても社員が信頼して働ける会社をつくるべきだと思っています。
そのためにはやはり、常に顧客を創造し、自社の強みを活かしてお客様目線でサービスをするということが大事だと思います。
視聴者に向けてのメッセージ
何のために会社を創るのか。
例えばスタートアップのときは「豊かになりたい」という目的を掲げる。これも僕は1つの大きな使命だと思います。
ですが、これはある程度の規模になれば達成できます。そこでは個人の豊かさと、企業の豊かさとは違うわけです。
企業が常に成長し収益を上げるためには、社会のニーズに応えなければいけません。
社会のニーズは何だろうか?そのなかで自社の強味がどこで活かせるのか?お役立ちができるのかどうか?
単にやりたいことをやるだけというのもそれはそれで悪くはないんですけれども、やはり何十人、何百人のスタッフと共に会社を成長させようとしたら、常に企業の使命を考える必要があります。
そのためには、あまり固定しないことです。時代環境というのはどんどん変化するわけなので、変化に対応できる柔軟な思考能力をトップは持っていなければなりません。
それともう1つ大事なことは、予知能力です。
学校では、昨日まで起こったことは教えてくれますが、明日何が起こるかは教えてくれません。そんなことがわかったら学校の先生をしてないわけですからね(笑)
そういう意味でいいますと、やはり経営者にとって大事なことは、次に起こってくる豊かな社会に対して、何を自らが、あるいは企業がやっていくのか。その辺をしっかりと明確にしないといけません。
単にブームだからとか儲かるからということでやっていると、フォローウィンドのときはいいのですが、アゲインストになったらひっくり返ってしまいます。
この辺だけは、しっかりと認識していただきたいなと思いますね。