今回のインタビューは、i-Generationsの代表である芳本大樹さんに「事業の決め手」「介護予防についての現場の意識」「差別化ポイント」「今後のビジョン」についてお話を伺いました。
【経歴】
2011年3月、奈良県立畝傍高校を卒業後1年間の浪人生活を経て2012年4月に立命館大学経営学部に入学。入学と同時に通信会社でインターンを開始し、入社2か月目で営業成績日本一を達成。その後新規事業立ち上げなどに携わる。大学3年時に独立し、シニア向けのITサービスを提供するi-Generationsを同学部内田(現副代表)とともに設立。

事業内容

ICTを活用した介護予防教室を展開しています。内容としては、実際に高齢者施設や自治体の高齢者ひとりひとりにタブレットと学生の講師、そして自社で開発したアプリを提供し、出張型の認知症予防教室、介護予防教室を行っています。
2014年の6月、1年半くらい前に事業をスタートし、主に大阪・京都・奈良・兵庫を中心に、現在まで約50施設ほど訪問しました。

学生の講師の共通点

一番はおじいちゃんおばあちゃんがすごく大好きだということです。
最近の学生の中には「社会貢献をしたい」と思っている方がすごく多いので、そういった方々にボランティアとして最初は来てもらっていました。
ですが、今はアルバイトとしてお給料をお支払いしています。現在、アルバイトは15名ほどいます。

介護予防についての現場の意識

授業を受けている高齢者は、高齢になればなるほど周りの友人や身内に認知症の方がすごく増えてくるので、「自分はそうなりたくない」と思っている方がすごく沢山いらっしゃいます。
でも、実際にどんなことをしたら良いのかわからないという悩みを抱えています。
テレビのクイズ番組に答えてみたり、新聞に載っているようなクロスワードを解いてみたりということはしていますが、より高度に頭を使った認知症の予防に対する取り組みは、実際どんなことをやったら良いのかわからないところなので、私たちが実際に教室に行って教えています。
「これだったらどんどん取り組んでいって、自分の頭の健康を意識していきたい」とおっしゃってくださる方が大勢いらっしゃいます。
 
また、施設のスタッフさんの意識としては、やはり介護の業界では非常に人手不足ですので、そういった認知症予防に(自分たちが時間を作って)注力してやっていくというのがすごく難しい状態と考えています。
簡単なレクリエーションを取り入れている施設は多いですが、私達みたいなタブレットを使ったような介護予防教室をやっているところはありません。
さらに、私たちが60分間高齢者の方々を任せて頂くので、その間スタッフを他のところで別の仕事ができることもあり、認知症予防という面でもそうですが、スタッフさんの人手不足を解消できるという点でもご好評を頂いています

大手にはできない「人と人とのコミュニケーション」

高齢者の分野で言うと、公文や学研、ベネッセなどの大手がどんどん参入しています。
やはりコンテンツとしてはどうしても勝てない部分が出てくるので、私たちもアプリ1本で勝負しようとは思っていません。
どうやったらそういうところに勝てるのかということで、私たちがすごく大切にしているのは、「人と人とのコミュニケーション」です。
 
私たちは教材やアプリなどを販売するだけではなく、あくまでも教室というパッケージを販売しているので、実際に学生が訪問し、おじいちゃんおばあちゃんと触れ合いながら授業を行います
そうするとおじいちゃんおばあちゃん達も次回の教室のときに「前に来ていた〇〇ちゃんは今日は来ていないの?」といってくださったり、そういった人と人とのつながりは、大手が後から手を出せない差別化の1つかなと思っています。

脳科学の先生のアドバイスのもと、アプリ作成

自社で開発しているアプリですが、私たち学生では「本当に認知症に効果があるのか」を実証することが出来ません。
なので、実際に脳科学の先生にアドバイスをいただいています
「こういった機能を入れると認知症に効果がある」とアドバイスをいただきながら、それを実際のアプリに実装させています。

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