ぺライチが誕生した経緯

目の前で困っている人の課題を解決したかった

最初は「自分でウェブサービスを作って自分で飯を食っていけたらいいな」ぐらいに思っていました。ただ、自分で趣味のサービスを作ったり、そういう開発者が集まるイベントに出ていくと、イケてるエンジニアの人に沢山出会いまして。
そのあと、スタートアップ界隈の人たちと会うようになり、「自分もやるんだったら、そういう形で起業したい」と思うようになりましたね。
サービスに関しては、本当に沢山考えました。コードを書いてみたのはそんなに多くありませんが、事業プラン自体は数十個は考えたと思います。
 
そのなかで『ペライチ』を選んだのは、目の前にそれで困っている人がいたからです。
エンジニアをやっていて、友達から「ホームページを作ってください」とお願いされることが多いのですが、なるべく手数をかけずにやれるといいなと思っていました。
「そもそもそれ、要るんだっけ」とか「要るとしても、大量のちゃんとしたものを手数をかけてまで作らなくてもいいんじゃないか」と思っていて。
 
結論として、「『ペライチ』を作ればいいんじゃないか」となりました。また、私の妻の友達が整体院を開業することになったとき、作ったホームページを見せてもらったことがありました。「なんでこうなったんだろう」と考えさせられましたね。
こういう人が難しいソフトを使わなくても簡単にでき、すぐに公開できるものがあればいいんじゃないか、ということで『ペライチ』をやることを決めました。
 
今、ほとんどの人がスマホを使います。スマホでウェブサイトを見るときに、「デザインがレスポンシブになっているか」とか、「そこから何回もボタンを押して遷移させる」というようなことは、あまりイケてないのではないか思っていて。昔からある競合は、その辺りの対応が不十分な気がします。
つまり、これから『ペライチ』というプロダクトが、市場に受けいれられるようになっていくと思います。

気軽に始められ、ずっと使い続けられる価格帯で

「売上の上がるプランを作った方がいいんじゃないか」とか「もっと高く売れるよね」と言われます。でも、今この価格でやっているのは理由があります。
例えば普通にホームページを作ろうと思ったら、誰かにお願いしなければいけないわけです。人が動くとなると、10~30万ほどかかかります。
ですが、それを払える人ってそんなに多くないと思うんですよ。儲かっている会社じゃないとムリです。
最初から事業として儲かっている状態はなかなかありません。例えば僕が1番最初に借りたのがロリポップというサーバーで、自分でソースコード書いてアップロードしないといけないとはいえ、最初は500円程度しかかかりませんでした。
そういう価格なら気軽に始められて、ずっと使い続けられるかなと思ったので、この価格感を大事にしています。
 
サービスの改善の話でいうと、有料プランを作るときはやっぱり考えました。どういうところを有料プランで提供していくか。1番ニーズが大きいのは「独自ドメインを作りたい」ということなのですが。
あとは「カスタマイズしたい」と言われるのですが、そこは凄くバランスをみています。
1番上の有料プランだとある程度カスタマイズできますが、そうするとソースコードの知識が必要だったり、HTMLのタグやCSSがわからないと動かせません。
僕自身はデザイナーではないので、かっこいいデザインはあまり作れません。なので、ある程度『ペライチ』の型は崩さず、簡単に表現してもらうことを意識しています。

経営者に共通する悩み

女性の転職サイトの『LiB(リブ)』の松本社長がブログで良いことを書いていました。
経営者の悩みは、「お金の悩み」「人の悩み」「事業の本質に関する悩み」の順で現れます。これは本当そうだなと思いました。
 
1番最初は確実にお金の問題です。社員が少なくとも食っていけるだけのお金があるかとか。
2つ目が人の悩みです。チームがいるのはいいことですが、サービスとは関係ないところで、ウマが合わないという問題が生じます。
最後に事業の悩みです。サービスが伸びていないとか、売上が立っていないとか、そういう悩みが生まれます。
 
これを、野球部の例えで書いてありました。詳細は割愛しますが、この順に悩みが現れ、とにかくこれを1個1個早く潰すこと。先の2つの悩みは完全にはなくならないものの、事業の本質のところで起業家は悩むべき、という内容です。
本当にそうだなと思います。結局、会社にお金があるかとか、会社の人間関係がどうかというのは、別にユーザーには関係ないですからね。
だから、これらの問題は早く解決しないといけません。例えば我々は「“つくれる”のその先へ」というビジョンを掲げていて、ユーザーがページを作り、そのあとにちゃんと売上を立てられる仕組みを作れるかどうかというところに注力しなければいけません。
だから、事業の悩みを取り除けるよう、先の2つの悩みはなるべく小さくしておくことが大事だと思います。この悩みは、どんな事業をやっても存在すると思います。

起業志望者へのメッセージ

1つはどういうサービスを提供するか。世の中の何にどんなものを落書きするか、ということはよく考えておいたほうがいいです。
色々な人が言っていますが、「課題発見力」が一番大事です。その課題が大きければ大きいほど、市場が大きくなる可能性が高いと思います。
 
もう1つはチームビルディングです。よく起業家や起業志望者にお会いしますが、やっぱり重要なのはチームです。
1人でやっていてうまくいかない人が多いので、絶対2人以上でやってほしいと思います。1人ではあまりやらないでほしい。
2人以上で良いチームが作れるかというのがとにかくポイントです。

スタートアップに興味がある方へ

私は最初から「起業がしたい」と思いベンチャーに入ったわけではありませんでした。ただ、本当に単純に興味があって。
大企業で働くかベンチャーで働くかというのは、まず単純に関わる人の数が違います。
自分がこれから起業したいのであれば、なるべく少ない人数のチームに入った方がいいと思います。
より人が少ないということは、自分の仕事の裁量が大きくなります。その分責任感も大きくなるので、そこをやりきれるかどうかという気持ちが重要です。
 
ベンチャーだと、給料もそんなに高くないところが多いと思います。そこで、給料に加えて「自分がどんな経験をしたいか」ということを大事にしてほしいですね。転職活動をするときに給料プラス経験で考えられた方が絶対にいいと思います。
例えば将来的に自分が起業するとき、サービスをほぼゼロから立ち上げていく経験がのちのち活かせるんじゃないかなどと具体的にイメージした方がいいと思います。
そういった意識でベンチャーで経験を積んでいただければと思います。
 
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(インタビュアー:菅野雄太、撮影者:高田梨菜)

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