今回のインタビューは、株式会社エボラブルアジア、吉村 英毅氏に、「エボラブルアジアの事業内容」について、詳しくお話を伺いました。
オンライン旅行事業を軸とした事業展開
我々エボラブルアジアは4つの事業を展開しています。1つ目がオンライン旅行事業、2つ目がITオフショア開発事業、3つ目がインバウンド事業、4つ目が投資事業です。
オンライン旅行事業
オンライン旅行事業は、国内線のweb販売をメインにしていまして、国内線のweb販売では業界最大手となります。これが1つ目です。
ITオフショア開発事業
2つ目のITオフショア開発事業ですが、日本ではシステム開発をしたい企業様は多いのですが、それに対応できる日本人エンジニアがあまり増えておらず、いわゆるIT開発の需給ギャップがどんどん広がっています。海外のシステム開発の優秀なエンジニアの方々に作ってもらおうというのが、ITオフショア開発です。
私たちは東南アジアのベトナムに拠点を持っていて、ベトナムのホーチミン、ハノイ、ダナンの3拠点で、約750名のベトナム人のエンジニアを正社員として雇用しています。実はこちらも東南アジアにおける日系のオフショア開発会社としては業界最大手です。
約750人のうち50名くらいは、当社のオンライン旅行事業の自社システム開発をしていて、残りの700名くらいは、様々な会社からのシステム開発を請け負っています。具体的にはYahoo! JAPANさんとか、ゲーム会社のGREEさんやDeNAさん、NHN PlayArtさん、DMM.comラボさん、いわゆるwebサービスを直接持たれている会社がクライアントに多いです。これが2つ目の事業です。
インバウンド事業
3つ目がインバウンド事業で、訪日外国人の数がどんどん増えているのは、みなさんご存知だと思います。この数が今後も増えていくのは明らかですが、重要なのはどこに収益ポイントを持ってくるか、だと思っています。
私たちはインバウンド事業の中で4つのサービスを展開しています。1つ目が一番得意な国内線での多言語販売、2つ目が為替の両替事業です。3つ目がキャンピングカーのレンタル事業、4つ目が民泊関連事業です。
それぞれどういう事業かというと、国内線の多言語販売は外国から来た人に対して日本の国内線を外国語で販売します。ただこれは僕たちのブランド、日本の国内線のブランドを海外の方に知っていただくことはほとんど不可能なので、完全にOEMに徹しています。
日本に来たいと思っている人が見ているwebサイト、あるいは海外のオンライン旅行サイトに対して、僕たちが日本の国内線を多言語に直してOEMでご提供しています。具体的にはどういうことかというと、中国で一番大きなオンライン旅行会社にCtrip(シートリップ)という会社があります。
シートリップは上海から羽田の飛行機は自分たちでどんどん販売していますが、羽田に着いてから北海道、あるいは沖縄などの便は販売していなかったのです。それを当社の方からほぼ独占的にご提供、この場合でしたら中国語に直してご提供しています。
現在70社ぐらいに提供していまして、どんどん拡大しています。これがインバウンドの1つ目です。
2つ目に為替のエクスチェンジですが、世界中の観光地といわれている国や場所には、街中で両替ショップは沢山あると思うのですが、実は日本には都市圏でさえ両替ショップがほとんどありません。
また日本は先進国の中でもキャッシュレス化がかなり遅れていると言われていまして、つまり海外のキャッシュカードが日本だとなかなか使えないのです。そういうことを考えると、日本がこれから観光立国になっていく際、宿泊施設が足りないだけではなく、両替機関も足りていないんじゃないかと思ったわけです。
現状は渋谷のセンター街、新宿の歌舞伎町、沖縄の那覇、この3つに実際のショップを建てていて、今後は両替機能を様々な店舗様に対してOEMで提供していく、このような事業を準備しています。これが2つ目です。
3つ目のキャンピングカーのレンタル事業は、日本で宿泊施設が足りないという話から思いついたもので、キャンピングカーはそもそも泊まるためのものですし、宿泊施設の代替手段として提供できるんじゃないかと思いスタートしました。
2016年の7月にアメリカのキャンピングカー最大手の会社、エルモンテRVの日本の総代理店であるエルモンテRVジャパンを我々が買収しました。キャンピングカーを新たに買っていて(現在15台)、これを日本人向け、あるいは外国人の方々向けにレンタルで提供しています。
インバウンド向け、外国人の方々向けはもちろんですが、日本人向けのニーズもかなり増えています。日本全国で観光資源はあっても、設備資源がない場所ってたくさんあると思うのです。
どういうことかというと、例えば秋の紅葉のシーズンには誰もが行きたがる素晴らしいところでも、それ以外のシーズンはそうでもないっていう場所が、四季ごとにあると思います。ただ1シーズンのためだけにホテルから何から設備を全て作るのは、費用対効果に合わず、キャンピングカーなら、その時その場所に物を持っていけるので、宿泊施設の代替手段として使ってもらえます。そういう形で売り出してみたら、反応はいいですね。これが3つ目です。
4つ目が民泊関連事業ですが、民泊というと大手の外資系が多く存在する中でもまだまだチャンスはあるんじゃないか、特に外国人向けではなく日本人向け、、日系の和製民泊として勝てないかということで、自分たちでプラットフォームを作っています。
これと同時に、民泊の一番最大手のAirbnbさんとも業務提携しています。Airbnb様は元々個人宅を掲載しているwebサイトでしたが、最近はホテルやペンション、旅館も載せる方針に転換しました。そこで、ホテルに対して「Airbnbに載せませんか?」と営業をしなければいけないのですが、それを一定期間我々が独占的に行う契約を結び、ホテルに対する民泊営業に力を入れています。これが3つ目のインバウンド事業です。
投資事業
最後4つ目が投資事業です。未上場企業に対してもそうですが、上場企業に対しても投資しています。我々がマザーズに上場した後に始め、約1年の間で10億円ぐらいを投資してきています。実は2017年8月に初めてのエグジットをしまして、400万円出資していたものの4分の1、100万円分を100倍の1億円で売却したというエグジット事例も出ました。
国内線のweb販売を中心とするオンライン旅行事業、東南アジアのベトナムに拠点をもつITオフショア開発事業、4つの事業を展開しているインバウンド事業、主に未上場企業を対象とする投資事業、この4つが我々の事業領域となります。