今回は株式会社 葵 代表取締役 石井貴基氏に「起業のきっかけ」や「学生時代の過ごし方」、「起業志望者へのアドバイス」について菅野(起業tvディレクター)が伺いました。
●今回の見どころ●
13分のインタビューの中で一番の見どころは11:22から始まる「起業家志望者への一言」です。
取材を通して、即断・即決・即行動を体現している方だと感じました。決断に迷っている方、必見の内容となっています。
<経歴>
1984年北海道札幌市生まれ。福島大学経済学部卒業後、リクルート(現・リクルートHD)に入社。11年にソニー生命保険に転職し、ファイナンシャルプランナーとして地方のあらゆる世帯の家計コンサルティングを行う。その際、悪化する地方の経済状況と家計における教育費の高さに課題を感じ、12年3月に上京。株式会社葵を創業し、誰でも無料で学べる中学生向けオンライン学習塾アオイゼミをリリース。14年から高校講座も開設。
<事業内容>
カリスマ講師の授業を無料で受講できる中学生・高校生向けのオンライン学習塾。最大の特徴はリアルタイムで配信されるライブ授業で、ネットでありながら実際の学習塾同様に講師に質問できたり、みんなで問題を解きあうことが出来る。ライブ授業はPCのほか、iOS・Android専用アプリから無料で受講でき、月額900円からの有料会員になれば、過去の授業動画3000本をいつでも見放題にすることができる。同じ志望校や目標で繋がるコミュニティ機能もあり、みんなと一緒に学ぶことで学習を継続することが出来る。
(0:05~)
Q.どのような学生時代を過ごしていましたか?
大学進学後、社会人の方と交流する機会が多かったので、「地域のお店を紹介するフリーペーパーを制作しよう」と思い、地元の情報を集めた大学生向けのフリーペーパーを制作する団体を設立しました。
(1:50~)
Q.なぜ、オンライン学習塾を経営しようと思ったのですか?
ソニー生命保険時代に、ファイナンシャル・プランナーとして家計を分析していました。住宅費や食費は削ろうと思えば削れるが、教育費だけはどうしても削りようがありません。非常に重要なウェイトを占めているので、削りようがないのです。
そもそも、なぜ教育費が高いのかを考えるとITの恩恵を受けていない業界であるという結論に至りました。教育以外の業界はITの恩恵を受けコスト減に成功しているにも関わらず、教育業界はその恩恵を受けていないのです。だから、私はインターネットを使って、安価で高品質な教育を提供できるのではないかと考え、そこで初めて起業しようと思いました。
(3:35~)
Q.実際に起業に踏み込めたのはなぜですか?
最悪、営業力があれば食べていけると思っていました。どれだけ失敗しても月給20万円くらいでどこかが雇ってくれます。起業の成否に関わらず1,2年で結論は出るだろうから「それならば」と思い起業に踏み切りました。
(5:30~)
Q起業に対する不安はありましたか?
一回目の転職する際に覚えた不安とあまり変わりませんでした。最悪、失敗してもどこかの会社が拾ってくれるから「失敗しても別にいいや」みたいな感じでした。
(6:00~)
Q.上京時の苦労はいかがでしたか?
資金面で一番苦労しました。起業当初から現在に至るまで、仲間との共同生活を送っています。事業が軌道に乗るまでは、日中アルバイトをして夜は私たちのサービス運営を進めていました。そのような生活が1年半近く続きました。
(7:09~)
Q.日本ベンチャー・キャピタル(NVCC)から資金調達に至るまでの経緯を教えてください。
担当者の方が本当に尽力してくれました。お恥ずかしい話、事業内容で投資してくださったというよりかは、私たちの熱意を評価してくださったように思っています。これまでも様々なVCの方と打ち合わせさせていただきましたが、NVCCのご担当社の方は弊社サービス、アオイゼミのライブ授業の配信を最初から最後までずっと見学されていました。通常の方であれば、ライブ授業の開始から1時間程度でお帰りになっているのですが、配信が終了する夜10時までずっと見学されていたのは、今に至るまでその担当者のみですね。
(11:22~)
Q.起業志望者に向けて何か一言お願いします。
資金調達のハードルは下がってきていますし、最低限の知識があれば良いです。知識は極端なことを言うと「広く浅く」で良い。そのようなことを恐れて、今やらないことの方が一番のリスクだと思います。動いていれば必要な知識は自発的に勉強していきます。自分のアイデアが先に世に出てしまうかもしれないので、動かないことの方がリスクです。