
今回は、大阪市立大学大学院にてアントレプレナーシップの研究をされている新藤晴臣准教授に、著書である『アントレプレナーの戦略論』(中央経済社)を解説していただきました。
第1回は、「第1章 アントレプレナーシップとは何か」というテーマで、アントレプレナー研究の始まりの歴史についてです。
「アントレプレナー」と聞いてシュンペーターが思い浮かぶ方も多いかもしれませんが、実は始まりは違っていたようです。
経歴
大阪市立大学大学院創造都市研究科(都市ビジネス専攻アントレプレナーシップ研究分野・准教授)
北海道大学大学院経済学研究科修士課程修了、大阪大学大学院経済学研究科博士後期課程修了。博士(経営学)。三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社、株式会社光通信、株式会社USENにて戦略立案に従事。その後、国立研究開発法人産業技術総合研究所ベンチャー開発戦略研究センター研究員、明星大学経営学部准教授を経て、現職。
はじめに
1位「ミニマム」、2位「インフルエンサー」、3位「アントレプレナー」…何のランキングでしょうか?
アントレプレナー研究の始まり
(1)定義「新しく事業を始める人」「起業機会を認識し、その起業機会を実現するために組織を作り上げる人」
(2)最初に言い始めたのは、『商業論』(1755)の著者であるRichard Cantillon
(3)『商業論』におけるアントレプレナー像
・市場における均衡価格を生み出す
・先見性を持ち、リスクを負担し、利潤を創出
・アントレプレナーの機能と社会的地位は無関係
・リスク=競争、アントレプレナーシップ=競争概念
・リスクを負担するアントレプレナーの利潤獲得の合理性
・リスク負担のため必要な資産を持つ
(4)Cantillonの足跡と時代背景
ミシシッピ泡沫事件