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バリューチェーンって何?成功した会社の2つの工夫

バリューチェーンについて

みなさんは、買い物は好きですか?

筆者は好きです。最近では、紅白を見て好きになったあるアーティストのCDを買いました。

 

ここでふと「CDはどうやって作られているのか」という疑問が湧いてきます。

歌詞を書いて、歌って、録音して、CDに書き込んで、

そのCDも、素材を集めて、作って、歌を書き込んで、

その素材も、石油を採って、プラスチックにして、

その石油も、掘って…

思いつくだけでも、ものすごい手間と時間と人が関わっていることが想像できます。

 

これだけ大変な道を経て作られたCDがたった数千円で買えて、それで利益が出ているという事実は、驚くべきことだと思いませんか?

今回は、モノやサービスをつくって、売って、利益を生み出すまでの過程、その名もバリューチェーンについて学んでいきたいと思います。

バリューチェーンって、いったい何?

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出典:www.qstockinventory.com

バリューチェーンは日本語に直訳すると

 

バリュー=価値

チェーン=鎖

 

つまり「価値の鎖」となります。このままではいまいち意味が理解できないので、先ほどのCDを買ったときの話で考えましょう。

今回は話を簡単にするために、録音前の1枚50円のCDが、どうやって1枚1,200円のCDになるかをたどっていきます。

 

50円のCDが、1,200円になる。単純に考えても24倍。ものすごい値上がりです。

では、このCDは、いつ価値が24倍に跳ね上がるのでしょうか。

 

まずは、曲が作られるプロセスを見てみましょう。

曲を書いて、練習して、スタジオで録音して、音源を作る。かなり簡単に書きましたが、これでCDに入れる曲の準備ができました。

しかし、まだCD自体には曲は入っていないので、CDの価値は50円のままです。

 

では、音源を工場に送って、CDに曲を入れましょう。

ジャケットを作成し、最近ほとんどのCDについている初回限定特典も封入したら、CDが完成します。

これで、ついに1,200円のCDのできあがり!とはならないのが難しいところです。

 

たしかに、CDの価値はグッと上がりましたが、CDの居場所はまだ工場の中です。肝心のお客さんに買ってもらわなければ、赤字になってしまいます。

そこで、運送屋さんに頼んで、CDをショップに送ってもらいました。

そして、ショップでお客さんがこのCDを1,200円で買いました。ここでやっと1,200円のCDができあがります。

 

このように、50円のCDがどうやって価値を高めていくつのかの一連の流れを、バリューチェーンといいます

鎖のようにつながったプロセスを通して、価値が高まっていくので、価値の鎖、つまりバリューチェーンと呼ぶようです。

そして企業は、この流れのどこで商品の価値を高めるのかを考える必要があるのです。

バリューチェーンって、誰が考えたの?

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出典:sharedvalue.org

このように難しいとも思えるバリューチェーンですが、誰が考えたのでしょうか?

それは、マイケル・ポーターというアメリカの経営学者です。

彼は、幼少期は世界中を渡り歩いて育ち、高校ではアメフトと野球の州代表に選ばれ、大学ではゴルフの全米代表、ハーバードの経営学大学院では主席にもなっていました。

つまり、とんでもない天才だったのです。

 

彼は、今回出てきたバリューチェーン以外にも、ファイブフォース分析など、経営学では非常に有名な理論をいくつも出しており、経営学を学ぶ学生や経営者なら確実に知っているような有名な存在です。

では、バリューチェーンの生みの親を知ったところで、企業は実際にどのような戦略を展開しているのかを見ていきましょう。

バリューはコストを削れば出る?コスト・リーダーシップ戦略

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出典:www.cpointllc.com

ここからは、どうすれば商品の価値をより大きくできるのかを考えます。

CDの話に戻りましょう。CDを売り出した会社は、できることなら1円でも多く利益を出したいはずです。

それならば、売り出す値段をべらぼうに高くすれば1枚当たりの利益は上がりますが、買ってくれる人は減るでしょう。

そこは、相場に合わせて1枚1,200円にしておくのが良いでしょう。

 

では、どうすれば利益を大きくできるかを考えた時にまず考えられるのは、1枚当たりの原価を下げることです。

たとえば、1枚50円のCDを49円で調達できれば、単純に1枚当たりの利益は1円増えます。

「たった1円か」と思われるかもしれませんが、1円を笑うものは1円に泣くもの。

仮に何万枚も売れたとすれば、たった1円の差が数十万円、数百万円という差になるのです。

 

このように、原価などのコストを下げて利益を生み出す戦略を、「コスト・リーダーシップ戦略」とよびます。

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出典:www.rencalago.com

しかし、どんなことにも欠点はつきものです。コストの下げすぎは、売れないCDづくりにもつながります。

たとえば、CDの原価を下げすぎて音質が悪いCDを使ってしまったら?音の悪いCDなんて、ファンでも買いません。

ほかにも、バックバンドのギタリストに支払うギャラを抑えるとどうなるでしょうか?実力のあるギタリストは雇えなくなり、美しい音楽を生み出すことができなくなります。

コストの低さで利益を出すのであれば、商品の品質を下げてお客さんをがっかりさせないよう、削りどころをきちんと考えなければいけません。

バリューは「違い」で出す?差別化戦略

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出典:www.huffingtonpost.com

では、コストとは異なる価値を出すには、どうすればいいでしょうか?

広告やブランドイメージなどを駆使して、自分の商品だけの「違い」を表現することで、ほかの商品からお客さんを奪ってくることが必要かもしれません。これを、「差別化戦略」と言います。

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出典:www.amazon.co.jp

例えば、紅白にも出演していた椎名林檎さんのCDであれば、ほかのアーティストにはない「かっこよさ」や「美の感性」をアピールすることで新たなファンを獲得することになるでしょう。

実は、筆者も紅白歌合戦を見て椎名林檎さんのCDを購入しました。その理由は、歌詞に多くの旧仮名遣いや旧字体漢字を使った表現がなされているのを見て、ほかのアーティストにはない魅力を感じたからです。

これも、差別化戦略の成果です。

 

しかし、この差別化戦略も、使いどころが重要だと言えます。

競合する商品との違いをアピールしたいがために、あまりに多額の広告費や取り組みをしてしまうと、その費用はすなわち商品の価格や、会社の業績を下げてしまいます。

適切なコストで、しっかりと消費者に伝える工夫が必要です。

バリューチェーンで成功した会社の工夫

最後に、コスト・リーダーシップ戦略と差別化戦略を組み合わせて成功した、ある会社の例を見てみましょう。

 

その会社は、北海道で最大のコンビニチェーン「セイコーマート」を展開する、株式会社セイコーマートです。

北海道に住んだことがある方や旅行で行ったことがある方ならご存知かと思いますが、北海道ではセブンイレブンやローソンよりも、圧倒的にセイコーマートが多く存在しており、地元民から「セイコマ」と呼ばれ親しまれています。

勢力図

出典:todo-ran.com

このコンビニが起こしたバリューチェーン革命とは、いったいどのようなものなのでしょうか。

 

具体的には、次の2点の特徴があります。

・徹底的に地域に根付いた商品戦略で、他社と差別化する「差別化戦略」

・配送のムダをなくし、低価格を実現した「コスト・リーダーシップ戦略」

 

まず、差別化戦略について見ていきたいと思います。

大手のコンビニといえば、全国どこでも同じ商品を展開するのが基本です。多少、おでんの味付けやおにぎりのラインナップに差がありますが、差があるといってもその程度です。

しかし、セイコマの差別化は一味違います。

北海道といえば、土地が広いゆえに近くのお店までの距離が遠かったり、独特の食文化があったりするため、本州とは購買行動が異なっています。

そこで、セイコマでは遠くのお店まで行かなくても、近所のセイコマで一通りの食品が買えるように、商品ラインナップがとても充実しています。

このチラシを見てください。

チラシ1

出典:www.seicomart.co.jp

 

チラシ2

出典:www.seicomart.co.jp

年末のチラシなので少々お酒が多めですが、よく見ると、コンビニであるにも関わらず、卵や豆腐がスーパーと変わらない価格で売られています。

そもそも、コンビニなのにチラシがあること自体、かなり珍しいことです。

 

ほかにも、お店が遠くて買い物や料理がなかなかできない1人暮らしの年配世帯や若い世代向けに、1人分のお惣菜が100円から売られていたり、

惣菜

出典:www.seicomart.co.jp

 

北海道ではコンビニおにぎりは温めるのが一般的なので、最初から温めてあるホットおにぎりをおすすめしていたり

おにぎり

出典:www.seicomart.co.jp

 

このように、北海道独特の事情に合わせた商品展開をしています。

しかし、商品にこだわればこだわるほど、どうしてもコストは高くなるものですが、どうやって低価格でこれらを提供しているのでしょうか?

答えは、商品の配送に秘められたコスト・リーダーシップ戦略にあります。

 

セイコマでは、北は稚内、南は函館まで、さらには離島にもあちこちに広がるお店に商品を効率よく届けるため、6つの配送センターに最新の配送管理ソフトを導入しました。

そして、最適な配送ルートや納入量を調整。空荷のトラックや、余計な在庫を徹底的に無くすことで、配送にかかっていたムダを年間数億円単位でカットしました。

徹底したコストカットにより、手に届きやすい価格で商品を販売できるのです。

 

地域の実情に合わせた、徹底した他社との差別化と、商品の価値に貢献しないムダなコストのカットにより、低価格でも高い価値のある商品を提供できること。

それが、セイコーマートのバリューチェーン革命です。

バリューチェーンまとめ

「バリューチェーン」という言葉、あなたは理解できましたか?

 

企業は日々、本当にいいものをお客さんに届けようと努力しています。

今、あなたが手にしているその商品も、そんな努力のたまものでしょう。

 

その努力と、そこにかかわる人たちの姿に想いをはせると、その商品に感じる重みが変わるかもしれません。

株式会社アントレプレナーファクトリー

Yota Kashiwabara

起業tvのコンテンツ編集を担当。幼い頃から漠然と「0から1を生み出すこと」や「新しいものを創ること」に興味があり、学生時代は多種多様な事業をしていた。趣味は、温泉めぐり(源泉掛け流しに限る)、秘境駅探訪。ドラゴンボート競技で日本代表になったことがあるスポーツマンでもある。

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