まだ使えるけど、家では使わなくなった品を売買するガレージセール。北米では割とポピュラーで、今でも実施している家が多いようです。
今回はカナダのトロント発、ガレージセールをオンラインで楽しめるサービスを紹介します。

ガレージセールの問題点を解消したVaragesale

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出典:https://www.varagesale.com/
アメリカでは日常的に見かけるガレージセールですが、日本で出くわすことはまずありません。ガレージといえども他人を自宅に入ったり、面倒な準備や後片付けがハードルになるからです。
 
その問題を解決し、気軽にガレージセールを楽しめるサイトを、カナダに住む教師が思いつきました。それがVaragesaleの始まりです。

「家を片づけたい」から始まったビッグ・ビジネス

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出典:https://www.varagesale.com/blog/meet-tami-chief-mom-at-varagesale/
カナダ・モントリオールに住む教師Tami Zukermanは、子供を妊娠し家で過ごす時間が増えました。生まれてくる子供のために、ベッドを置くスペースを作るため、不要なものを処分しようとしていました。
 
どうせ不要なものを処分するならば、ネットで売ろうと考えたTamiは、既存のサイトを使おうと考えますが、複数のものを手軽に売れるサイトはありませんでした。Tamiはガレージセールのように気軽にモノが売買出来るサイトがあれば良いと、セキュリティーソフトウエアを開発している夫に相談します。そしてTamiのアイデアを盛り込んだアプリ、Varagesaleが誕生します。

基本コンセプトは、バーチャル・ガレージセール

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出典:https://www.varagesale.com/press
実際のガレージセールは、あくまでもその地域の人々がモノを買いに来ます。それが安心感に繋がって、ガレージセールはアメリカに根付きました。これを取り入れたのが、Varagesaleです。
Varagesaleは、Web上に地域ごとにコミュニティーを形成します。まずは、自分が住む地域のコミュニティーに参加します(Facebook等からも参加可能)。そして、そのコミュニティーで出品されているものを売り買いします。
 
Web上の売り買いに付きものが、決済の問題です。Varagesaleは、自分が住んでいる地域内での売買ですので、実際の売買が成立した場合、売り手と買い手が直接会って決済をすることが可能です。
Varagesaleのもう一つの大きな特徴は、コミュニティー毎にアンバサダーを置いている点です。アンバサダーはコミュニティー間の情報交換の場を設定したりして、メンバーがコミュニティーで快適に過ごせるよう調整してくれます。

有力ファンドからも資金調達

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出典:https://www.crunchbase.com/organization/varagesale#/entity
Tamiが主婦の視線で作ったVaragesaleは、瞬く間にカナダ・アメリカを中心に普及していきます。それに目を付けたAndreessen Horowitz社等の有力ファンドから資金提供の申し出を受けます。既に68億ドルもの資金を集めたVaragesaleは、今年、ベンチャーキャピタルの注目を浴びている一社です。

まとめ

Varagesaleは地域ごとの個々人がやり取りし、物の送受を行うプラットフォームです。このビジネスモデルはP2P(peer-to-peer)型のECと呼ばれています。
 
よくプラットフォームビジネスという言葉を聞きますが、まさにその類のサービスです。今後はいかに参入障壁を高めるか、自分たちの先行者優位をどのように築けるか、が重要なポイントだと思います。今後の展開に注目しましょう。

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