ポスドク問題-優秀な人材の飼い殺し-

2273871397_040225f007_o
出典:gatag.net
ポスドク問題とは何か、知っていますか?
ポスドクというのはポストドクター、博士課程修了後、大学や研究機関で期限付きの研究に従事している人々のことをいいます。
この期限付きの仕事は、いつ無職になるかもわからず、非常に不安定です。
正式な研究職や就職先を見つけられる人も少ないようです。
 
現在、日本には1万6000人のポスドクがいると言われています。
彼らは、多くのお金と時間をかけて育てられた優秀な未来の研究者たちです。日本のポスドクのためのキャリアパスの不整備は、多く優秀な人材の飼い殺しに繫がっているのです。
 
今回紹介する株式会社POLの「LabBase」はこのポスドク問題の解決の糸口になるかもしれません。

LabBase、理系学生をダイレクトリクルーティング

d20282-5-175466-1
出典:labbase.jp
LabBaseは東大生の加茂倫明氏が設立した株式会社POLによって運営されるデータベースです。
このデータベースを利用することで、大学の研究室で行われている研究を幅広く知ることができます。
そこから、学生のダイレクトリクルーティングや共同研究の提案に発展させることも可能です。
 
2017年4月時点では、東大生などを中心に700人以上の学生が登録されています。
 
このサービスの背景には理系学生の就活の困難さがありました。
 
理系の学生の多くは、長時間研究室に拘束されます。
研究室によっては、月曜から土曜の朝10時から終電まで拘束されることもあるそうです。
さらには、インターンを禁止している教授までいます。
 
この理系学生の就活の困難さ、ひいては、採用市場における理系学生の供給の低さに目をつけたのが「LabBase」です。
彼らは、企業に理系学生採用の新たな窓口を創ろうとしているのです。
 
さらに、LabBaseは新たな展開も考えています。その対象こそがポスドクなのです。
彼らは、ポスドクのスキルや実績の可視化し、企業からの採用窓口を拡大しようと考えています。

博士の企業における有用性

N189_mushimeganedekakuninnashi_TP_V
出典:pakutaso.com
しかし、博士人材は企業にとって本当に有用なのでしょうか?
 
学問の世界では優秀かもしれないが、企業の中でも同じように優秀なのかという疑問はあると思います。
博士という地位にいることのプライド、専門的過ぎて話がわからない、常識に欠ける、頭が固い、などなど。
博士に対するネガティブなイメージはさまざまです。
 
実際には、多くの博士人材が優秀であると判断されています。
文部科学省が博士を採用した企業に対して行った調査では、採用後の博士の印象について
「期待通り」「期待を上回った」という回答の割合が高いことがわかりました。
 
博士人材にはその経験に基づく強みがあるということです。
 
研究生活の中で、仮説設定と検証を繰り返しながら自身の研究成果を論文にまとめるという成功体験を持っています。
つまりは「知識を生み出すプロセス」を獲得しているのです。
これは博士課程以外の人物では体験しにくいものです。
 
専門性を得られる知的理解力論理思考事象の体系化の能力にも優れています。
 
また、研究者は海外の研究者・論文などとかかわる機会が多いため、国際感覚、語学力の優れた人も多いです。
 
このように、博士人材は企業のイノベーション、グローバル化の促進に役立つ人材であるのです。

LabBaseでまだ見ぬ人財を発掘しよう

lgf01a201306071500
出典:free-photos.gatag.net
優秀な人財は簡単には見つかりません。
その人財が大量に埋まっているのが「日本のポスドク問題」です。
 
近年、政府による卓越研究員制度も始まり、いくつかの企業では「ポスドク枠」が設けられています。
 
埋もれた人財獲得の流れに乗り遅れてはいけません。
 
ポスドクや学生研究者の情報を積極的に集めていきましょう。
 

【よく読まれている記事】
総利用者数300人突破!! 「起業の科学」著者田所雅之氏による、ここだけでしか見れないコンテンツ

『enfacスタートアップサイエンス』は、世界で5万回シェアされたスライド「StartupScience」制作者の田所雅之氏が、書籍300冊、経営者のブログ500本、自身のシリコンバレーでの起業経験と1000人以上の起業家を取材する中で体系化した知識を、動画ラーニングのenfacが、いつでもどこでも学びやすくまとめた動画学習コンテンツです。


2017年6月より1年間をかけて企画・撮影した105本。今後も、毎月2-3本新しいコンテンツをリリースし、学びを深めていくことをサポートします。
コンテンツを学習することで、「試行錯誤で時間を浪費する」「チーム内で噛み合わないコミュニケーションを続ける」などの無駄を省き、チームが本来の目的や使命に向かってより効果的に進むことができます。

これ以上は記事がありません

読み込むページがありません

おすすめの記事