後半
フリートークセッション
(ここからクックパッド株式会社 執行役員 加藤恭輔氏が参加。モデレータは、メタップス株式会社 SPIKE事業開発責任者 荻原充彦氏)
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Q. アプリ運営において注力してきたこと

(加藤氏)
「クックパッドがプレミアムサービスを開始したのは2004年なのですが、そこから2011年頃までは、サービスの基礎となる価値を創造し、そこに磨きをかけるということに集中していました。私がプレミアムサービスの担当をしたのはその翌年の2012年からで、そのタイミングからいわゆるグロースハックの要素を取り入れ、磨いてきた価値を伝えることにも投資を始めました。
グロースハックの他には、マーケティング領域ですと販路を増やしていきました。クックパッドの場合は、既に国内での認知はある程度広くいただけている状況でしたので、プレミアムサービスの存在や価値が伝わるように心がけています」
「加えて、直近ですと『プロのレシピ』という、雑誌や料理研究家のレシピ1万品以上が月額360円で見放題になる、クックパッドとしては2つ目の月額課金サービスを立ち上げました。
このサービスは、既にレシピの魅力が高いものが揃っていますので、ユーザーさんに伝えるための施策を早期から仕掛けており、ヤフーさんや出版社さんと連携させていただき、お力をお借りしながら、サービスの認知と価値の訴求を早期に進めている状況です」
(荻原氏)
「『グロースハッカー』という本が去年の12月に出版されてますよね。結構細かくクックパッドのことが記載されているので、まだ読んでいない人はぜひ読んでいただくことをお勧めします。ということで、エアレジはどうですか?」
(大越氏)
「うちはサービスを出したばっかりなので、サービス開発がメインになっています。プロダクトとしてはまだまだ改善しないといけないですね。ただ最近、会員さんの紹介がリアルな場で行われていることがヒアリングでわかり、ここを活かした取り組みをしたいと思っています」
(小林氏)
「サービス自体はシンプルで、初めて利用した人でも利用しやすいことは設計段階でかなりこだわっています。」

Q. 口コミで伸びていく可能性があるものに対する投資判断

(大越氏)
「がっつり投資すればいけるのか、という話なんですが、例えば紹介してくれたら1万円渡すような金銭的なインセンティブの場合、それを2万円にしたところで、紹介は増えなくて、金銭的インセンティブがありきで紹介することに罪悪感を感じるんだろうな、と思います。
『いいものを広げたい』という純粋な気持ちになってもらうことが大事なので、その気持ちを後押しできる何かをしたいと思っています」

Q. SNSを使ったプロモーションの効果について

(小林)
「ちょっとずれるんですけど、僕らの場合、ユーザー体験としての初回がかなり重要で、意図的に到着時間を早めることはあります。実際にこれが口コミに広がっていると思います」
(加藤氏)
「今のところ、外部のソーシャルメディアを活用したプロモーションで大きな成果は出せていません。
クックパッドでは『つくれぽ』(=つくりましたフォトレポート)という、実際に料理をした人がレシピの作者さんに対してありがとうを伝える機能があるのですが、そのありがとうの連鎖が実はプロモーションに最も寄与しています。サービスそのものにプロモーションにも効果的な仕組みがあるというイメージです」
(大越氏)
「SNSが一番効率良かったです。リスティングでワードを広げても、全然だめで、飲食店の店長さんのつながりとか、起業家同士が教えあうことで広まっていくケースが多くて。唯一ちゃんとお金をかけて成功したのはSNSでした、ということですね」
(荻原氏)
「B to Bだと、リスティング広告は効かないし難しいですよね」

Q. 海外展望・事業展開について

(小林氏)
「地域については、1拠点の配達範囲が半径1キロが2つぐらいなんですけど、例えば23区すべてで配達しようと思うと、150拠点以上持たないといけないんです。それをするかどうかは別として、ユーザーのスイートスポットは常に探していますので、そういう展開ができる状態に早く持っていこうと思っています」
(加藤氏)
会社としては、「食」の領域を軸とした生活のインフラになりたいと考え、まずは国内を中心にレシピ以外の新たなサービスを拡大しています。それに加えまして料理レシピの領域では、海外での展開を加速させています。
現在、クックパッドグループとしては、英語圏・スペイン語圏・インドネシア語圏・アラビア語圏に進出しています。」
(大越氏)
「サムライカレーの社長さんが書いた本の中で『海外の店舗でAirレジを使っている』という話があり、知らない間に海外展開していました。
我々としては、海外向けに何か保証を用意しているわけではないですが、こういう風に使っていただけている例があると、もしかしたら海外にも行けるかも……と今思っています。実際はまだ国内で手いっぱいですね」

Q. 中華圏はどうか?

(大越氏)
「台湾で似たような物を作っている会社があって、そこの社長さんとお話ししたときに、『中国に行かないのか』と聞いたところ『そこには行けない』と。それはなぜかと聞いたら『ソースを少し変えて、同じようなものが出てしまうから行きたくない』と。
ノウハウが流出するのが嫌だから考えていない、という話を聞いて、そのように認識しています」
 

Q. ユーザー・消費行動の分析について

(加藤氏)
「クックパッドは月間のべ5,000万人以上が使う献立決めのためのサービスですので、料理や食のトレンドがタイムリーに分かる状態になっています。私どもはサービス上での傾向や行動分析を行い、これを「たべみる」という法人向けに提供しているサービス上で可視化できるようにしています。
この取り組みを通じて、「明日の食が見える」という世界を作りたいと考えています。」
(小林氏)
「僕らの場合、毎日のお弁当が1種類なので、そのお弁当を食べた人がちゃんと継続しているのか、という数値はチェックしています。翌月も継続しているかはチェックし、良いときは95とか98なんですけど、悪いときは40とか50なんです。このデータは管理していますね」
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