車椅子の固定概念をぶっ壊した「WHILL」

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(出典:www.dcexpo.jp)
「WHILL」は、洗練されたデザインや他の追随を許さないスピードや機能を備えた次世代の車椅子です。
 
全く車椅子に見えません……。それどころか、一種の新しい移動手段モビリティかなと思えるほどです。
 
さらに「WHILL」は、そのデザインもさることながら、東京モーターショーに出演したり、スマホで操作ができたりするなど、今までの車椅子のネガティブなイメージからかけ離れた存在となっています。
 
今回この記事では、「WHILL」を開発した杉江理氏からイノベーションのカギである「固定概念の壊し方」を考察してみます。
 
ちなみに筆者は杉江氏の講演を聴きに行った際、乗車させてもらい、そのスピードと操作性に驚いた記憶があります。

「WHILL」の何がすごい?

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(出典:http://www.dinos.co.jp/whill/)
そもそも、この「WHILL」は、何が優れているのでしょうか。
 
それは、デザイン性、機能性の2つだと言えるでしょう。
 
「WHILL」はデザイン設計を追求し、車椅子に見えないという最重要の項目を体現しています。
 
杉江氏は独学でデザインを勉強し、車のデザインを手がけてたという経歴があり、そこから学んだ、「斜めは無機質を感じる」という点を考慮したデザインにしたそうです。
 
次に機能性です。
 
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(出典:http://www.dcexpo.jp/archives/2014/5595.html)
「WHILL」は4WD(四輪駆動)でまず高い走破性があります。さらに前輪は24個の小さい横方向のタイヤで構成されており、通常の車椅子よりも小回りがきく仕様となっているのです。
 
この2点から「WHILL」は今までにない車椅子と言われています。
 
そして杉江氏はこの2点を追及し、300人にヒアリング調査を行った結果、最終的に「150万円でも買う」と言ってくれた数人のコアなファンと共に開発を進めていったそうです。

杉江理というイノベーター

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(出典:http://www.ritsumei.ac.jp/rs/category/r_na_hito/entry/?param=528)
この「WHILL」を開発したのは、WHILL株式会社CEOの杉江理氏です。
 
なぜ杉江氏は「WHILL」を開発するに至ったのでしょうか。

「100m先のコンビニに行くのを諦める」

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(出典:http://greenz.jp/2012/02/29/greenztoy_monodukuri_whill/)
杉江氏は、「100m先のコンビニに行くのを諦める」という話を聞いたことが、「WHILL」制作のきっかけだと言います。
 
そこで諦める理由は何かと考えた時、2つの点に行き着いたそうです。
 
それは「車椅子のイメージがあまり良くなかったこと」と「通路に溝や砂利道があると、通常の車椅子では走行に困難がある」の2点です。
 
杉江氏はそんな2点を解決したいという思いから「WHILL Model A」の開発を2010年にスタートさせ、2011年には東京モーターショーでプロトタイプを発表しました。
 
結果として「WHILL」は、レッドデザイン賞優秀賞や2015年グッドデザイン賞など様々な賞を受賞しています。
 
このように杉江氏は、デザイン性と機能性を用いて、ネガティブなイメージが強い車椅子の新しい未来を提示したのです。

「固定概念の壊し方」=ネガティブからポジティブへ

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(出典:http://blog.timecomm.info/?eid=94)
いかがでしょうか。
 
「WHILL」のように、ネガティブなイメージを持たれているものを、ポジティブなものへと置き換えることがイノベーションにつながってくると言えます。
 
つまり見方を変えてみる、発想の転換がイノベーションを起こすカギなのでしょう。
 
抽象的になってしまいましたが、では身の回りにあるネガティブなものってなんでしょう?
 
筆者はタバコを思い浮かべました。
 
タバコは、体に悪くないタバコやicosなどが流行りましたよね。
 
それもある種のポジティブな置換と言えるでしょう(本当は体にいいタバコがいいですが)。
 
このように自分の生活のほんの一部を注意深く見ることが大切ではないでしょうか。
 
そして杉江氏のように徹底的にヒアリングを行い、完全なプロダクトアウトではなく、マーケットインの考え方を取り入れつ
つ、小さく小さく試行錯誤を繰り返していくことが正しいイノベーションの起こし方なのかもしれません。
 
あなたの身の回りのネガティブなものってなんでしょうか?

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2017年6月より1年間をかけて企画・撮影した105本。今後も、毎月2-3本新しいコンテンツをリリースし、学びを深めていくことをサポートします。
コンテンツを学習することで、「試行錯誤で時間を浪費する」「チーム内で噛み合わないコミュニケーションを続ける」などの無駄を省き、チームが本来の目的や使命に向かってより効果的に進むことができます。

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