ユニコーン企業とは?
“ユニコーン企業”という言葉を耳にしたことがあるでしょうか?
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ユニコーン企業とは、企業としての評価額が10億ドル以上かつ非上場のベンチャー企業を指します。
巨額の利益を生む可能性のある非常にレアな価値のある企業として“ユニコーン”という想像上の生き物の名前が冠されています。
世界のユニコーン企業
2015年、アメリカ・フォーチュン誌は80社以上ものユニコーン企業をリストアップしています。
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その中には、facebookやTwitterのようなSNS ビジネスだけではなく、スマホ世界シェア3位のソフトウェア企業・Xiaomi(中国)、タクシー配送サービスUberや民泊サービスAirbnb(以上アメリカ)など最近日本でもその知名度が広がりつつある企業の名前が入っています。
それぞれの企業価値はXiaomi 460億ドル、Uber 412億ドル、Airbnb200億ドルと、ビジネスがスタートしてから短時間で急成長している、まさにユニコーン企業ばかりです。
また、2015年のアメリカのベンチャーキャピタル・Cowboy Venture社のレポートによると10年前までは8社しかユニコーン企業とは認定されていませんでした。それが今や80社以上と、数年のうちに爆発的にユニコーン企業と評価された企業が増えたことが分かります。
日本のユニコーン企業
もちろん、日本でも数は少ないですがユニコーン企業と評価されている企業は存在します。
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有名な芸能人を多数起用したTVCMでもお馴染みのDMMは、総合サービス会社として動画だけでなくFXやソーラーパネルまでさまざまなビジネスを手掛けています。2015年の売上高は1358億円、企業評価額は1000億円近いのではないかとも言われており、会員数を順調に伸ばし続ける日本のインターネット界を代表するユニコーン企業です。
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また、フリマアプリでお馴染みのメルカリは他社に先駆けでオンラインサービスを始めた企業です。2013年創業と非常に若い企業ではありますが、すでに大型資金調達を行い、その総額は126億円にものぼります。2015年の売上高は42億3700万円で、アプリのダウンロード数は国内2,500万回、アメリカ700万回と、今後の成長が楽しみな企業の1つです。
日本と海外の起業環境の違い
日本でも上記のように注目を集めるユニコーン企業はありますが、その数は諸外国に比べると圧倒的に少ないのが現状です。
そもそも起業者数自体がアメリカなどの企業先進国よりも少ないことも原因の1つに上げられています。
イギリス・バブソン大学とロンドン大学ビジネススクールの研究者が「正確な起業活動の実態把握」「各国比較の追求」「起業の国家経済に及ぼす影響把握」等を調査したGEM2016(Global Entrepreneurship Monitorの略)のレポートによると、先進国から発展途上国を含んだ69か国中、日本は「起業者意識」の項目で最下位から2番目という低さです。日本にはアメリカと異なり、起業自体への抵抗や失敗した時のリスクなどが要因となり起業者数自体が少ないという風土があります。
また、日本は内需が大きくかつマーケットもそこまで広くはないので、莫大な資金がなくてもビジネスを進めて行くことが可能です。上場しビジネスを広げて行った方が企業にとっても有利になることも多く成長が見込める企業ほど早く上場してしまうため、ユニコーン企業が生まれにくいという土壌の違いも考えられます。
ユニコーン企業がもっと生まれるには?
ベンチャー企業自体が日本では生まれにくい風土があるのは先ほども述べた通りですが、そもそも世界の投資額の半分以上はアメリカというパワフルな国に比べて投資家もエンジェルも日本は圧倒的に少なく、ビジネスの成功者が次世代を育てる活動が活発で大学でもビジネスを生み出すためのカリキュラムが組み込まれているアメリカに比べると、そのような活動や授業自体が日本では多くはありません。
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日本ではスタートアップを支援するための制度がまだまだ整っているとは言いがたく、大学発のベンチャーが生まれやすい欧米型の研究成果実用化を担うバイオベンチャー企業等の支援制度が今後ますます望まれています。