【プレスリリース】
10月1日、『Shufti(以下、シュフティ)』を運営する株式会社うるるは、約6.3億円の資金調達を実施した。資金提供したのはニッセイ・キャピタル株式会社と株式会社みんなのウェディングの2社。うるるが調達した資金は既存サービスの拡充や新規事業の開発など、統合的な経営基盤の強化に充てられる見込み。
うるるは在宅ワーカーと企業のマッチングサイトである『シュフティ』を運営している。サイトの運営とは別に、3,500社超の企業から各種入力作業や書類・書籍の電子化作業などを請負うアウトソーシング事業(BPO)を基盤事業として展開し、在宅ワーカーを活用したサービス開発を行っている。会社の設立は2001年、本社は東京都中央区にあり、代表者は星知也氏である。
【ライターの視点】
今、働き方の多様化が進んでいて、組織に属さなくても、個人でビジネスを行うことができる環境が整いつつある。その例としてクラウドソーシングやBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)が挙げられる。
クラウドソーシングは供給側(仕事を請け負う側)は場所と時間に囚われない仕事が可能となり、需要側(仕事を発注する側)は、人件費を固定にすることなく、必要な時に必要な労働力を得ることができる。BPO市場も少しずつではあるが、少子高齢化の影響を受け、市場が拡大している。特に、ここ数年で業界特化型のプラットフォームがいくつも生まれ、各分野のプラットフォームを運営する会社の資金調達が上手くいっているようだ。
今回の調達で注目すべきは、みんなのウェディングが出資している点だと思う。業務提携内容を見ると、
・コンテンツに関する提携
・送客に関する提携
であり、ビジネス上のシナジーが十分ありそうだ。特に月間300万ユニークユーザー数を誇る「みんなのウェディング」から「シュフティ」への送客が期待されるところであり、うるるの事業上のシナジーは計り知れない。
客観的に考えると、みんなのウェディングにとって事業上のシナジーが少ないように見受けられる。プレスリリースを見ると、「当社は、ウェディング業界が抱えるナシ婚の課題を解決することで新たな市場創出に取り組んでおりますが、この度、うるると提携することにより、さらなる課題解決、市場創出を図ってまいります」とあるが、本当にナシ婚の課題を解決できるのだろうか。出資には他の要因もあるのかもしれないが、上場事業会社がスタートアップに出資することは良い流れだと思う。今後のこのような事例が増えることを期待したい。