よく「ベンチャーはリスクが高い」と考え、ベンチャーに就職することを躊躇ってしまう人がいますよね。何をもってリスクと定義するかにもよりますが、私はそのようなリスクは回避できると考えています。
「リスクが高い」ということは、企業と就活生の間に情報格差(「情報の非対称性」があるともいいます)があり、外部の人間が正しく企業の実態を把握できないことだと思います。
では、この情報ギャップがあることでどんなリスクがあるのか整理してみましょう。
Contents
会社が倒産してしまうリスク
〇会社の成長性が不確実
大企業は会社としての認知度もあり、事業が急激に落ちることはないと思われています(もちろん不測の事態<経済の悪化、不祥事の発覚等>が生じた場合は除きます)。
ベンチャー、特に創業から数年以内の会社は、その製品やサービスがまだ市場に受け入れられていない状態であることが多いです。つまり、事業が軌道に乗らなければ売上が立たず、会社としての存続が難しくなる、という指摘があります。
〇銀行からの借入が多い
「会社としての存続が難しくなる」というのは売上だけではありません。負債が多い会社も倒産リスクが高いのです。負債と言うのは銀行からの借入や未払い金、預り金、前受金などです。
個人で事業を始める際、自分で用意した資金だけで事業を行うことは難しいかもしれません。そこで金融機関や知人からお金を借り、会社を始める人も少なくないでしょう。大企業では売上の推移や資産の保有状況について情報公開していますが、ベンチャーは公開情報が少ないのが現状です。入ってから「この会社は借金が多かった」と後になって気付くこともあるかもしれません。
つまり、ベンチャーの経営状態や財務体質が不安材料となっているようです。
ブラック企業であるリスク
〇休みがなく、健康上よくない
内部の情報がわからず、一番困るのは健康面に支障をきたしてしまうことではないでしょうか。会社として成長するため、社員一人一人にノルマを課し、会社に貢献させようとするベンチャーもあるかもしれません。平日残業や休日出勤などは、限度を超えないことが精神的・身体的に重要です。
〇社長と馬が合わない
実は社長のワンマン経営で、社長の一存で事業の方向性が決まる体質の会社も少なくありません。人数が少ないからこそ、社長との相性は大事です。そこがうまくいかなければ社内のコミュニケーションがうまくいかず、昇進や昇給にも影響してしまいます。
〇制度が整備されていない
ベンチャーでは給与だけでなく、雇用や保険などの制度もしっかり整備されていないことが多いです。退職金がないという契約だったり、福利厚生が充実していない会社のほうが圧倒的に多いでしょう。その会社の福利厚生や教育制度には、事前に注意を払ったほうがいいかもしれません。
いかがだったでしょうか。ベンチャーで就職することのリスクについて触れましたが、逆に考えれば、こういった問題を就職活動で十分に調べ、確信をもって就職すればベンチャーでも問題ない、ということです。例え大企業であっても、柔軟な意思決定ができない組織体制であったり、負債比率が高いという問題もあります。さらに不祥事が発覚した際の世の中への影響が大きく、一気に経営破綻してしまう企業もあるでしょう。
大企業であっても、もう終身雇用はありえないと言っていいかもしれません。これからは会社にぶら下がるのではなく、個人で生き抜くスキルや能力が求められる時代になりつつあります。どの会社に就職するかではなく、自分が何をして生活するかの方が大事ではないでしょうか。ぜひ参考にしてください。