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2014年10月10日、ネイティブ広告ネットワークのサムライトが1億円の資金調達を実施したことを発表しました。みなさんは「ネイティブ広告」ってご存知ですか?人によって定義は様々ですが、ここでは「Webメディアのコンテンツと同じ形で、ユーザーにストレスなく情報を伝える広告」としましょう。フェイスブックのニュースフィードの間に、同じ形で入っている広告と言えば伝わるでしょうか。
サムライトは多数のネイティブ広告を掲載できる媒体社とのネットワークを多数持っています。特徴として挙げられることは、独自開発のトラッキング・配信エンジンをもっていることと、広告主のコンテンツ制作から拡散まで支援していることの2点だと思います。
そもそも、広告で収益を上げるようになったのはいつからだと思いますか?実は20世紀初めのアメリカだったようです。Wiliam Paley(ウィリアム・ペイリー)の父親がCBSというラジオ局を買収し、ペイリーがラジオ放送の将来を見出したようです。
当時、多くのラジオ局は主要局から番組を買い付けて放送している状態だったので、「CBSの自主制作番組をタダで使っていいから、広告主がついている番組は一定時間に流してくれ」というペイリーの提案に食いついたようです。TVが普及しだすと、ペイリーはニュース番組をスポンサーのつく商品にしました。その後も放送枠を小刻みにし、今の広告モデルの原型が完成したそうです。
その後、ウェブの普及によって、Yahoo!(ヤフー)がバナー広告で収益を、Google(グーグル)が検索キーワード連動型広告でより広告効果の高いモデルを生み出しました。そして、今ではネイティブ広告が知られるようになり、今後も成長しそうだと言われています。例えばアメリカでは、ネイティブ広告市場が2013-2017年で倍になると予想されています。さらに日本では、2014年7月以降で10以上のネットワークサービスが誕生していますし、最近ではダイナミックネイティブアド(広告がサイトに合ったデザインに自動的に変化するネイティブ広告)というサービスも誕生しているようです。
ネットワークサービスも、特徴がないプラットフォームは市場から淘汰されてしまうのが世の常でしょう。しかしいろんなタイプの提携先があったり、サムライトのようにワンストップ型のサービスを実施できるなど、何らかの強みがなければ、この市場で生き残るのは難しいと思います。市場が本当に拡大し続けるのか、そして生き残る企業はどこなのか、今後の動きに注目してみましょう。