11月4日、アパレル縫製クラウドソーシングのシタテル株式会社は、三菱UFJキャピタル株式会社と日本ベンチャーキャピタル株式会社、株式会社リブセンスの3社から資金調達を実施した。調達額は明らかにされていない。調達した資金は経営体制の強化や、今冬に向けた新しいマーケットプレイスの構築(システム開発)に充てられる見込み。

 
【ライターの視点】
「日本国内のアパレル縫製工場」と「ファッションに付加価値を求められる小売店」をマッチングするシタテルが資金調達を行いました。
 
シタテルは、熟練の技術と経験を持つ職人(マイスター)や稼働率の低い縫製工場と、オリジナル商品を小ロットで作りたい小売店をつなぐプラットフォームを運営しています。
 
インターネット上で彼らが出会う場を作ることで、シタテルが卸売業者の役割を担っているんですね(学問的にいうと「取引数最小化の原則」というそうです)。
 
今回の注目ポイントは、リブセンスが出資しているという点です。リブセンスは求人や不動産に関するインターネットメディアを運営していて、事業展開にプラスとなるような連携は見込めないように一見思います。
 
よくよく調べてみると、リブセンスは「Startup50」をいう起業家支援プログラムを実施していて、シタテルは第1回目の支援会社だったんです。
 
本業との相乗効果(シナジー)がなかったとしても、新事業の展開を考えている事業会社が出資を行うケースが増えているように感じます。例えばDeNA(ディー・エヌ・エー)もゲーム事業とは別の収益事業を模索していて、ベンチャーへの出資が盛んです。
 
こういう事業会社による支援を受けたベンチャーは、「成長している企業が出資しているんだから、今後も成長していくのだろう」とVC(ベンチャーキャピタル)が評価し、彼らの出資候補となっているのではないでしょうか。
 
事業を開始直後にVCから出資を受けるのは難しいかもしれませんが、事業会社から出資を受けているベンチャーは成長資金を受け取るのが容易なのかもしれません。
 
まずは、そういうベンチャー支援に積極的な企業にアプローチするのもいいかもしれません。シタテルだけでなく、出資した事業会社も成長するのか、注目です。
 
【会社概要】
シタテルは「日本国内のアパレル縫製工場」と「付加価値を求められる小売店など」の双方のニーズをマッチさせるクラウドソーシングサービス「sitateru」の運営を行う。国内のアパレル縫製事業の「時間・技術・資源」の余剰を活用し、洋服の生産を実現。設立は2014年3月、本社は熊本県熊本市にあり、代表取締役は河野秀和氏である。

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