サウジアラムコがIPOを目指す
出典:japan.aramco.com
サウジアラムコをご存知ですか?
サウジアラムコは、サウジアラビアが国営する世界最大の石油会社です。
石油依存の強いサウジアラビアは、エネルギー事情の変化により、国の経営が少しずつ傾いています。こうした中、国の財源を確保しようと、サウジアラムコをIPOさせる動きがあります。
IPOさせることで、世界から膨大な資金を集め、国の経営を将来的に支えようという狙いです。
推定、200兆円ほどの時価総額になるのではないかと言われており、この規模は時価総額世界TOP2のAppleやGoogleの時価総額を優に超える可能性があります。
そのため、サウジアラムコのIPOの招致に当たって、東証を始め、世界各国が躍起になっています。
東証がサウジアラムコを特別誘致
出典:www.youtube.com
サウジアラムコがIPOした場合の時価総額の推定値は、200兆円ほどと言われております。現在の時価総額世界一位の企業の時価総額が、50兆円〜70兆円ほどを推移しているので、この規模感がどれほどのものかが分かります。
インパクトのある企業が上場を果たせば、当然、上場先の取引市場は活性化します。日本の場合、東証がサウジアラムコを誘致するために、動き出しております。
1月6日のNHK NEWS WEBによると、東証を傘下に持つ日本取引所グループの清田瞭CEOらは、サウジアラムコ上場を指揮計画するムハンマド副皇太子に東証の優位性をアピールするためにトップセールスを行なったそうです。特定の企業に対しこういったことをするのは異例中の異例であり、また、出発日の当日でさえ、副皇太子や関係閣僚と確実に会える見込みは立っていなかったようです。
実際に、安倍総理を取材する某新聞会社の記者も、サウジアラビアへの出張が生じるなど、日本との関係性の深さが伝わってきます。
東証がサウジアラムコを特別誘致する理由
出典:www.youtube.com
サウジアラムコ誘致に東証が焦るのにも理由があります。それは、①最近では上場をしないという選択肢が少しずつ増加しており、②海外の企業が東証への魅了を感じていない、といった理由です。
例えば、AppleやAmazonは、かつては日本法人を株式会社として経営していまいしたが、現在は合同会社として経営しております。これは、税金の徴収をより少なくすることが目的です。また、合同会社は、株式という概念がそもそもないため、上場といったことはありません。
また、日本に上場するよりも、急成長中の中国により近い場所で上場した方が有利です。そのため、東証への上場を海外の企業が魅力を感じていません。
こういった背景を元に、世界的に見たときの東証の優位性はなくなっていきます。
東証は、世界的に東証をより魅力的な市場とする課題があり、サウジアラムコはその課題を解決する可能性のある企業です。
サウジアラムコのIPOで経済は活性化するか?
サウジアラムコを上場させ、いずれは石油依存からの脱却を目指すサウジアラビア。
石油は限られた資源であり、また、新しいエネルギー開発の中で、優位性は低下しています。
限られた時間の中で、サウジアラビアは国の財政を回復させると同時に、産業の構造変化も求められます。
国家として厳しい経営を迫られるサウジアラビアですが、サウジアラムコの上場戦略は吉と出るのでしょうか。サウジアラムコのIPOは間も無くと言われていますが、石油依存からの脱却を目指すサウジアラビアには、国家としてまだまだ課題が残されています。