11月6日、企業向け販促ソリューションを提供する株式会社レピカが、株式会社デンソーウェーブから1億円を調達した(実施日は10月7日)。調達した資金は、両者の共同事業における開発投資・事業運転資金等に充てられる見込み。
【ライターの視点】
今回出資をしたデンソーウェーブは、工場や店舗・オフィスの生産性向上に貢献する各種商品・サービスを提供している企業です。
この会社、実はQRコードを発明した会社として業界では名が知られています(デンソーの開発部門が分離して、今の会社になったようです)。
両社はこれまでも共同でプロジェクトを行っていて、今回、資金調達に踏み切った理由も、今までの両社の相互関係を踏まえ、今後のノウハウを蓄積・活用し、より付加価値の高い事業を更に展開していくためでしょう。
その事業とは、QRコードによるクラウドサービス「Q-revo TM」というものです。
第一弾として、「トレーサビリティ」サービスの提供を開始するそうです。
「トレーサビリティ」とは、物品の流通経路が生産段階から最終消費段階あるいは廃棄段階まで追跡可能な状況を言います。
事業提携により、工業製品や食品においても、このサービスを拡充させることが両社の狙いです。
これは、流通のためだけではなく、消費者もアプリを使えば簡単にサービスが受けられることも大きなメリットでしょう。
最近では多くのブランド品や工業製品で模造品が出回り、遺伝子組み換え作物などに対しても不安を募らせている消費者も多いはずです。
今回の資金調達・事業提携は、消費者のそのような不安を少しでも解消し、安心・安全を提供してくれるものとなるでしょう。
この「トレーサビリティ」はクラウドサービス「Q-revo TM」の第一弾に過ぎません。QRコードはビジネスモデルとしても素晴らしく、今回の提携で、さらなる収益機会を獲得したように思います。
将来、このQRコードによって社会はどのように変化していくのでしょうか。
両社の事業展開に今後も注目です。
【会社概要】
株式会社レピカは、カード・メール事業を中心に企業向けの販促ソリューションを提供する事業を行っている。子会社であるアララ株式会社を通じてスマートフォン事業を手掛けており、コンシューマー向けにQRコードをトリガーとしたAR(Augmented Reality、拡張現実の略)プラットフォームアプリ「ARAPPLI(アラプリ)」を展開。設立は2006年8月、本社は東京都港区にあり、代表取締役は岩井陽介氏である。