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何事にも寿命はある
人や動物、植物などの生き物に寿命があるように、企業の事業にも寿命があります。
例えば、ゲーム機。任天堂やSONYは一定期間で新しいハードウェアを販売します。ここにはゲーム機事業の寿命が考慮されており、それまでの事業で獲得したユーザーをいかに次の新ハードウェアに乗り換えさせるかが鍵となってきます。
このように製品・事業にも寿命があるという考え方をプロダクトライフサイクルと言います。
今回の記事では、プロダクトライフサイクルを構成する4つの期間とその限界について見ていきます。
プロダクトライフサイクルとは
起業tv編集部作成
プロダクトライフサイクルとは、製品が市場に登場し、受け入れられ、やがて衰弱し消えていくプロセスのことです。プロダクトライフサイクルには、①導入期②成長期③成熟期④衰退期の4つの時期が存在しており、それぞれの時期で適切な行動をとることが必要とされます。
①導入期
起業tv編集部作成
製品を市場に導入したばかりの時期です。この時期は売上、利益ともに低く、市場に受け入れられるための戦略が必要です。
②成長期
起業tv編集部作成
市場に受け入れられ、急速に売上が上昇する期間です。この時期なると競合他社が現れ始めます。
③成熟期
起業tv編集部作成
売上の伸びが緩やかになり、利益がピークに達する時期です。他社との差別化が必要となり、広告等のマーケティング手法を用いて製品の成熟期の延命をはかります。
④衰退期
起業tv編集部作成
売上が落ち始め、利益が低下する時期です。デッドラインを設け撤退するかイノベーションによる新たな価値創造をする必要が求められます。
プロダクトライフサイクルの限界
起業tv編集部作成
このプロダクトライフサイクルには限界があると言われています。
例えば、「持続」する商品。ビジネスモデルが多様になった現代でサブスクリプション型ビジネスモデルが生まれました。
定額制であるサブスクリプション型ビジネスモデルは顧客を獲得できれば、解約しないようにさせるためにどんどん新たなサービスを取り入れ、製品自体に持続性をもたらします。
このような「持続」する商品はプロダクトライフサイクルの例外として考えられます。
また、時代遅れのもので新たな使われ方を見出されヒットした「復活」の商品。チェキやインスタントカメラなどが挙げられるでしょう。企業が意図しない場所で、意図しない形で商品やサービスを使用されるケースはプロダクトライフサイクルのもう1つの例外でしょう。
このように全ての商品やサービスをプロダクトライフサイクルで説明することはできません。逆に言えば、例外である「持続」する商品のようなものを提供することができれば大きく成功する可能性があるかもしれません。
プロダクトライフサイクルを意識してマーケティングをしていこう
いかがでしょうか。プロダクトライフサイクルは、製品の寿命を意識してマーケティング手法を変えていくための分析手法であることが理解いただけたと思います。
企業のマーケティングにプロダクトライフサイクルを関連づけて分析するのも面白いかもしれません。
補論:ベンチャー企業が越えるべき壁
ベンチャー企業は大手企業に比べ、資金力が低く、広告などの事業や製品のプロモーションにかける費用は少ないことがほとんどでしょう。商品やサービスを販売開始した時に成長期に至るまでに実は乗り越えなければならない、大きな溝「キャズム」が存在します。
ベンチャー企業はこのキャズムをどう乗り越えるかが事業成長の大きなカギとなっています。