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プラットフォーム
みなさんが日常で「プラットフォーム」という言葉を使う、もしくは耳にするとき、そのほとんどは電車の駅にあるプラットフォームを指していることと思います。
しかし、今回ご紹介する「プラットフォーム」には、電車は来ません。
それどころか、モノではありません。今流行りのビジネスです。
「なんだ、電車来ないのか」と思ったそこの鉄道ファンのあなたも、この記事を読めばあなたがいらなくなった鉄道模型が、もしかしたら高く売れるかもしれませんのでぜひご一読を。
プラットフォームビジネスは意外と有名だった!
出典:jp.freeimages.com
先ほど、「プラットフォーム」を使うと鉄道模型が高く売れるのかもしれないと述べた理由は、プラットフォームビジネスがヤフーや楽天市場、LINEといったサービスを指しているからです。
これらの共通点、みなさんはお分かりでしょうか?
たとえばヤフオクで商品を売っているのがヤフーではないように、これらはすべて、利用者同士がモノやサービスを売り買いしたり、情報をやり取りするための「基盤」となっているのです。
「基盤」を英語で言うと「プラットフォーム」であるため、プラットフォームビジネスと呼ばれています。
プラットフォームの元祖、実は...?
出典:www.flickriver.com
今でこそ、先ほど挙げたようなインターネットを使ったサービスがたくさん出てきているプラットフォームビジネスですが、その原型となったものは、実は意外なものでした。
夜の繁華街、光り輝くネオンの明かり、そこに照らされた一軒のおしゃれな酒場。そこに淋しさに身を焦がした独り身の男女が一堂に会し、出会いを探す…
そう、合コンです。
合コンは、彼氏がほしい女性と、彼女がほしい男性をマッチングさせるための基盤です。
つまり、男女の出会いのプラットフォームが、合コンなのです。
出典:phys.org
合コンといえば、幹事の選択が重要です。お堅い友達が多い幹事にするのか優しい友達が多い幹事にするのかで、その合コンの雰囲気はまるで違ってきます。
プラットフォームビジネスも、これと似ていると言えます。
たとえばオークションアプリを1つ取ってみても、服がほしいときはファッション専門アプリ、レアなレコードがほしいときは音楽系に強いアプリという具合に、どのサービス(つまり幹事)を選択するかで、買い物(つまり商品と自分との合コン)の成否は分かれます。
プラットフォームの天才、楽天市場を使ってみた!
プラットフォームが何たるかがわかってきたところで、実際にプラットフォームをつくる戦略を展開しているサービスを見てみましょう。
今回使うのは、プラットフォーム界の雄・楽天市場です。楽天市場は、プラットフォームづくりがずば抜けて上手いと言われています。
さて、さっそく楽天市場アプリをダウンロードしましょう。
その次に、アプリを開きます。
するとさっそく、楽天カードの広告が目に飛び込んできます。
楽天カードであれば、たくさんのポイントが付くようで、とても魅力的です。
楽天市場がプラットフォームとなって、これから買い物をしようとしているお客さんと楽天カードをつないでいるのです。
アプリを開いた時から、楽天のプラットフォーム戦略にはまっていってしまいます。
では、買い物に移っていきます。
この記事を書いたのは、元日1月1日。せっかくなのでお正月にちなんで、良いお酒を買いたいと思います。
筆者が大好きな赤霧島を見つけました。生産量が少なく、鹿児島以外ではなかかなお目にかかれない逸品です。
鹿児島のお酒と、遠く離れた京都にいる筆者をつないでくれるのも、プラットフォームの魅力といえるでしょう。
さて、注文にかかりましょう。
ここでまたもや楽天カードが登場します。今回は、「カードに入会したらいくら安く買えるのか」について具体的に記されています。入会者を増やしたい楽天カードと、少しでも安く買いたいユーザーをつなぐ、これも立派なプラットフォームです。
確かに、1000円ほどで良いお酒が買えるなら、つい申し込みたくなってしまいます。
あなたも、次に楽天市場を使う際には、ぜひ「つなげる」という部分にも目を向けてみてください。
プラットフォームは他にもある!
楽天市場やヤフオク以外にも、最近はかなり多様なプラットフォームビジネスが増えてきました。
ここからは、その一部をご紹介しましょう。
出典:ja.wikipedia.org
たとえば、少し前まではスーパーやお店が各自にバラバラで出していたポイントカード。そのため、財布が閉まらないといったトラブルに見舞われてしまっていた方も多いのではないでしょうか?
しかし、最近ではTポイントやPONTAをはじめ、各社共通のポイントカードを導入するお店が増えてきたおかげで、財布もずいぶんとスッキリしました。
これも、立派なプラットフォームをつくるビジネスです。
少しでもお得に買い物がしたいユーザーと、カードを集客や商品戦略のきっかけにしたいお店、この両者のニーズをつないでいるのです。
出典:www.telegraph.co.uk
また、TwitterやFacebookも、情報を発信したい個人や企業と、それを知りたい個人をつなぐプラットフォームです。
これらができたことで、これまで手に入りにくかった、個人が感じたことや知ったこと、世の中の事件やできごとをリアルタイムで知ることができるようになりました。
世の中には、これからもっとたくさんのプラットフォームが登場してくることでしょう。それらを知りたい方にオススメなのがこの本です。
『プラットフォームビジネス最前線 26の分野を図解とデータで徹底解剖』
(根来龍之 監修、翔泳社、2013年)
内容は少し難しいですが、プラットフォームとは何たるかを学ぶには最適な1冊です。
プラットフォームについて、理解できましたか?
出典:www.postano.com
最近、C to C(Customer to Customer: 個人間の取引をささえるサービス。ヤフオクやAirbnbなど)ビジネスが凄い勢いで広がりを見せています。
このC to Cビジネスは、そのほとんどがプラットフォームとして個人のやりとりを支えています。たとえば、メルカリなら服のやりとり、Airbnbなら宿泊場所、LINEならコミュニケーションというように。
本編には書きませんでしたが、今回出てきたこれらのプラットフォームビジネスには、個人や企業といった参加者が魅力的な行動をすればするほど、その価値が増すという特徴があります。
たとえば、落札された商品をちゃんと手早く発送したり、お店がポイント5倍キャンペーンをしたりということです。すなわち、参加者の成長が、そのサービスの成長につながります。
2016年、今年はどんなプラットフォームができていくのか、楽しみです。