Contents
ニッチなものは、好きですか?
あなたは、少し変わったものが好きですか?
出典:www.pakutaso.com
筆者は大好きです。自転車が好きで、ヨーロッパにしかないはずの広告用自転車をなぜか所有していたり、旅行が好きで、行きもしないのに現地でしか使えないご当地ICカードをコレクションしていたりと、とにかくニッチな趣味をもっています。
しかし、「好きこそ物の上手なれ」とは昔からよく言われたものです。
周りから何を言われようと、好きなものをとことん追究した結果、成功をおさた人も世の中には数多くいます。
今回は、ヘンなものが大好きな筆者によって
「なにを思ってわざわざ製品化したんだろう?」
と、思わず考えてしまうような、ニッチで、なおかつ成功しているグッズを3つピックアップしました。
今回はクイズ形式にしたので、この記事をごらんのあなたは、その使い道を考えてみてください。
ニッチビジネスって何?
クイズに入る前に、まずニッチビジネスとは一体何かをご説明します。
「ニッチ」という言葉になじみがない方は、ぜひごらんください。
ニッチ(niche)はもともと西洋建築の用語で、彫刻を飾るための「壁のくぼみ」のことでした。
出典:www.contractortalk.com
この「くぼみ」は、普段生活していても気づかなかったり、使い方が分からないような、一見すると存在価値が分からないものでした。
しかし、そこに彫刻作品を飾ると、見事にピッタリはまるようになっていたのです。
この、「あるものだけがピッタリはまる様子」から、一般大衆には価値がわからなくても「特定の人だけには確実に需要があるビジネス」のことを、ニッチビジネスというようになりました。
わかりやすい例だと、自動販売機はニッチビジネスの代表格です。
筆者撮影
商品の値段の高さから、誕生した当初は「売れるわけがない」と思われた自動販売機ですが、急いでいる人やスーパーに行くのが面倒な人、ものすごくノドが乾いている人からは絶大な支持を受けました。今や全国に約500万台も設置され、年間5兆円近い金額を売り上げる一大ビジネスにまで成長しました。
はじめはニッチで非常識なビジネスでも、自動販売機のようにいつかはメジャーなビジネスになるものも少なくありません。
たくさんの石の中から、そのいくつかが10年後、20年後のダイヤモンドに生まれ変わる、そこがニッチビジネスの面白いところだといえます。
では、クイズに移りましょう。
ニッチなグッズクイズ【初級編】
まず最初は、日本の製品から問題です。下の写真を見てください。
【第1問】このクルマは、誰がどのように使うでしょう?
出典:www.gtnet.co.jp
一見すると普通のスポーツカーですが、よく見ると、バンパーやミラーが塗装されていなかったり、ホイールが格好悪かったりと、一般的なスポーツカーとは違うようです。
見た目だけではありません。他にも、
・エアコンなし(後から取り付けることすらできない)
・ラジオなし(CDを流すこともできない)
・吸音材なし(走ると車内の騒音がすごい)
と、そのままでは乗りにくいような車です。
さて、この車は、誰が買って、どのように使うでしょうか?
ヒントは、このクルマが「スポーツカー」であることです。
【正解】
クルマ好きの方なら簡単にわかったかもしれません。
この質問の答えは、「モータースポーツ出場者が、改造して競技車両として使う」でした。
出典: www.autocar.co.uk
上のクルマが、見事に格好良く改造されました。
サーキットでのレースや山道でのラリーをはじめ、モータースポーツに出場するクルマは、基本的にその競技の規格に合わせて大幅にパーツを交換されています。
また、速く走るためには必要のないパーツは容赦なく取り外すため、最初の写真のクルマは、バンパーやホイールといった交換を前提としたパーツは安価なものを取り付け、エアコンやラジオといった走るために必要のないパーツは最初から装着していません。
それによって、「モータースポーツに参加したい」というニッチな需要に対して、安価な価格で競技ベース車を提供することが可能になるのです。
このクルマ ”トヨタ 86 RC” は、世界中の愛好家に数多く購入され、モータースポーツ界で目覚しい活躍をしています。
残念ながら現在は新車販売が行われていませんが、中古車はスポーツカーとしては破格の179.8万円から販売されていますので(2016年1月16日現在)、憧れのスポーツカーに乗りたいけども経済的にあきらめていた方や、モータースポーツへの参加をご検討中の方は、ぜひこちらの中古車情報をご覧ください。
ニッチなグッズクイズ【中級編】
続いては、紳士の国イギリスより出題です。下の写真を見てください。
【第2問】このクッションは、どんなシーンでどのように使うでしょう?
出典:www.amazon.com
一見するとボクシンググローブのような形のこのクッション、実は、「あの問題」を解決してくれます。
さて、どんなシーンでどのように使うでしょうか?
ヒントは、このクッションを使うと、よりリラックスできるということです。
【正解】
考えている間に、眠たくなってきた方もいらっしゃるかもしれません。そんな方は、ぜひこのクッションを使ってみてください。
質問の答えは「うたた寝したいときに、頭からかぶって枕にする」でした。
出典:www.vat19.com
頭から被れば、寝顔を隠してくれる上に、目隠しにもなります。さらに首を支えてくれる機能もあります。
これにより、うたた寝するときに悩みがちな、寝顔が人から見られてしまうリスクやまわりの明るさの問題、さらには頭が安定しない問題を一挙に解決してくれます。
ちなみに、横の穴はこうして使います。
出典:ecx.images-amazon.com
手をこの穴から入れると、手を枕にし、机に突っ伏して寝ることも可能です。
このクッションは、空港での待ち時間やオフィスでの空き時間を、最高のリラックスタイムに変えてくれるアイテムです。忙しいビジネスマンにはおすすめかもしれません。
実はこのクッション ”Ostrich Pillow” は、世界最大のクラウドファンディングサイト KickStarter に登場してからわずか30日で1,846人から19万5,094ドルもの資金を集めるという大挙をおさめました。
さらに、このOstrich Pillowが大成功をきっかけに、開発元のロンドン・studio BANANA THiNGSは、さらにOstrich Pillow miniも製品化しました。
出典:www.ostrichpillow.com
こちらは、カップルの「彼氏(彼女)の腕枕でもっと快適に寝たい」というニッチな需要を満たすアイテムです。
Ostrich Pillowが欲しくなった方は、Amazonにて93.99ドルで発売中ですので、そちらからお求めください。
ニッチなグッズクイズ【上級編】
最後は、ニッチの宝庫、多様性の国アメリカから出題です。下の写真の四角い物体をごらんください。
【第3問】この物体は、どこで、何をするためのものでしょう?
出典:www.amazon.com
上部にはソーラーパネルがついているので、おそらく屋外で使うものでしょう。
ヒントは、ここ数年、一部で「かわいい」と話題のあの家電の親せきだということです。
【正解】
この問題はさすがに難しかったかもしれません。 考えれば考えるほど、頭がヒートアップしてきます。
この物体は、そんなときに入ってゆっくりしたい「あの場所」で大活躍します。
答えは、「プールや温泉で、水面に浮かぶゴミを掃除する「水上版ルンバ」」でした。
出典:solarpooltech.wordpress.com
この物体 “Solar-Breeze” は、太陽光で充電し、自動で水面に浮かぶゴミを吸い込んできれいにしてくれます。
日本では、自宅にプールがある=大豪邸という印象を持ちがちですが、アメリカなどの海外では一般家庭でもプール付きの家は珍しくないといいます。
その一方、プールに落ちる枯葉などのゴミ問題は深刻で、こまめに掃除しないとすぐに悪臭やにごりの原因になってしまうのです。
しかし、すべてのゴミを人力で取り払うことはそう簡単なことではありません。
そこで登場したのが、このSolar-Breezeです。ソーラーパネルによって自分で電気を作りながら、自動で吸い込んだゴミの90~95%をきれいにしてくれます。さらには、消毒剤散布も可能という、なんとも便利な一台です。
出典:solarpooltech.wordpress.com
なお、このSolar-Breezeですが、KickStarterでは、当初の目標31万5,000ドルに対し、40万8,078ドルもの資金調達に成功しました。それだけ、プールの持ち主にとっては待ち望んでいた希望の星ということでしょう。
今年の夏に発売予定の商品ですが、こちらのページから528ドルでプレオーダーが可能です。
自宅にプールがある方をはじめ、プール付きジムや温泉のオーナーの方などのメンテナンスコストにお悩みの方は、購入を検討してみてはいかがでしょうか?
ニッチなグッズはまだまだある
ニッチなグッズの世界をお楽しみいただけましたか?
今回ご紹介できなかったグッズの中にも、写真のヒゲ型顔面ウォーマーのように「誰が使うんだ?」と思わず悩んでしまったり、見た目だけでは全くその価値が分からないものがたくさんありました。
出典:www.businessnewsdaily.com
しかし、「今日の非常識は明日の常識」という言葉もあるように、これらのニッチなグッズの中から、少し先の未来のメジャーな商品が生まれているかもしれません。
KickStarterやGizmodoといったサイトには、そのようなニッチなモノやサービスがたくさん紹介されています。
この記事をみて気になってきた方は、リンクをクリックして、ニッチな世界を探検してみてはいかがでしょうか?