モラルハザード、知ってますか?

“モラルハザード”という言葉を聞いたことがありますか?
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出典:imgforu.com/login/123
モラル(moral)は、道徳・倫理
ハザード(hazard)とは危険・障害物
のことです。
これらの言葉が組み合わさって生まれた言葉ですが、実は経営者にとっての悩みの多くがこのモラルハザードに関するものです。
今回はそんなモラルハザードについてご紹介します。

モラルハザードとは?

モラルハザードとは、もともとは保険関係の用語です。
危険回避のための手段や仕組みを整備することにより、かえって人々の注意が散漫になり、危険や事故の発生確率が高まって規律が失われること。
を指します。
保険をかけることによって、リスク回避のインセンティブが低まり、かえってリスクが高くなることを意味しています。
また、金融経済の場面では、国が金融危機や破綻に陥った金融機関に対して公的資金(税金)を使って損失を補填することが頻繁になると、
預金者が金融機関を厳しい目で見なくなったり、銀行も融資のための厳格な審査を怠ってしまいます。
そんな状態が普通になると、経営者すらも自己の責任を回避しがちになってしまします。
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出典:www.productliabilityadvocate.com/2015/08/fre-502d-an-underutilized-safety-net-in-document-intensive-litigation/
このようにセーフティーネットをしっかり張ることによって、かえって健全な経済活動を阻害してしまうことにつながります。
そのため、健全なマーケットを維持するために、救済するためのセーフティネットを最小限にすべきだという意見もあるのです。

モラルハザードのケース

では、モラルハザードが起きうる場面を、組織内での問題、組織外との問題に分けて知っていきましょう。

ケース1 従業員⇔経営者

組織内でのモラルハザードの問題にスポットを当ててみましょう。
企業や組織が従業員にインセンティブを与えたり、出来高払いなどの業績に基づく雇用方法を選択するのは、このモラルハザード対策の一環と言えます。
雇用主は普段従業員がどのように働いているかを監視することはできません。
そのため一目でわかる“結果”に対して報酬を与えることで、従業員を評価しています。
例えば、従業員を時給払いの契約にすると、3時間で終わる仕事を5時間かけるような手抜き作業で作業されるかもしれません。
この場合も、“情報の非対称性”から生まれる、モラルハザードの一種なのです。

ケース2 クライアント・株主⇔自社

次に、組織外でのモラルハザードの問題にスポットを当ててみましょう。
例えば、株式会社の重役は会社の所有者である株主の利益を図ることで、経営者がこの任務を遂行しているかどうかを取締役会で監視することになっています。
経営者・取締役会は、株主のエージェントのような役割を担っているのです。
株主はリスクの回避のために企業に様々な投資しますが、会社が倒産の危機に瀕しても致命的な損害を出さないように“保険”をかけるのもそんな投資の一つです。
しかし、その結果株主が経営者を監視したり、役員や取締役会が所有者の利益を図る運営するようなインセンティブが失われてしまいます。
経営者はその収益を株主に還元するよりも、自分の会社を“守る”ため、価値の低いプロジェクトに投資したり業績の悪い事業に固執してしまう場合があります。
そしてさらに悪いことには、莫大な報酬と地位を脅かすような乗っ取りに激しく抵抗するのです。
これらは経営者自身の利益になっても、株主や経済効果を出す利益にはなりません。これも一種のモラルハザードも問題であると言えるのです。

モラルハザードが生じてしまう理由・その対処法

モラルハザードはなぜ起こるのでしょうか?
その要因の一つは、企業で働く、従業員自身のモラルハザードの問題であることも多いのです。
その場合は、しっかりとした研修や制度化、監視組織を置くことで解決させることができます。
また、モラルハザードを防ぐある秘策があります。
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出典:simpleicon.com/dev/signal-tower-1.html
それが、シグナリングです。
シグナリングとは、情報を持っている側が持っていない側に積極的に情報を発信することで非対称性をなくそうとする行為です。
例えば、品質保証やブランド、資格などがシナリングにあたります。
モラルハザードを起こさないためには、お互いがしっかりと情報を出し合い、健全な経済活動に向かって進んで行くことが大切です。
もしも、あなたが経営する会社でこのような問題が起こっているのだとしたら、もう一度よく問題点を洗いなおしてみる必要がありそうです。

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