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2014年10月9日、東証マザーに上場しているメディア工房が、ゲーム配信会社のブルークエストを子会社化したことを発表しました。買収したメディア工房はデジタルコンテンツの企画・制作を行っていて、占いコンテンツをメインとしている会社です。最近では、スマートフォン向けのエンターテイメント系コンテンツに注力しているようです。
自社に足りないリソースは買った方が早いということでしょうか。今回、買収されたブルークエストは、2013年7月に株式会社ウィルアークから新設分割して設立された会社です。ブルークエストは、海外のPC・スマートフォン向けのオンラインゲームを、日本ユーザー向けに言語を対応させてゲームを配信しているので、国内外のゲーム開発会社や配信会社とのネットワークを広く持っています。サイトを見ると世界に4拠点(カナダ・ロシア・ドイツ・日本)あり、各事業開発担当はゲーム業界で経験豊富なプロフェッショナルが揃っているようです。
買収の背景には、メディア工房の売上の伸び悩みがあるのではないかと考えられます。純資産は2010年から2013年にかけて倍増しているのに対し、売上は25億円前後で伸び悩んでいます。2014年7月の個人投資家向けの説明会でも、コンテンツジャンルの拡大(小説ゲームやクロスワードパズルの配信)や配信網の拡大(LINEとの連携、グノシーとの連携)、コンテンツ事業の海外展開に注力することを発表していたので、メディア工房はブルークエストのネットワークを使って、自社の新コンテンツを強化したり、海外向けに配信するつもりなのでしょう。
メディア工房は売上こそ伸び悩んでいるものの、安定的に利益やキャッシュを生み出している優良企業だと思います。今後も上場企業として、どんな戦略を打ち出していくのか注目してみましょう。