身近になってきたフィンテック商品
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フィンテックという言葉を見かけるようになった昨今ですが、具体的にどのような内容かご存知でしょうか?フィンテックとは文字通りファイナンス(Finance )とテクノロジー(Technology )から出来た造語です。金融とITなどのテクノロジーを融合させた製品や、サービスなどを指します。
一節にはアメリカでは、5-6年前からフィンテックという言葉が使われ始めたと言われています。日本でも2014年頃から、経済紙などが使いだしたとされています。
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フィンテック商品で、身近な例として挙げられるがモバイル決済です。ITテクノロジーを使用して、決済(ファイナンス)を行う典型例とも言えます。
SNSを経由して送金をするシステムや世間を騒がせたビットコインなども、フィンテック商品と言えます。日本では余り馴染みがありませんが、自分が保有しているクレジットカードやポイントカードを、1枚に纏める電子カードなども開発されており、フィンテックが我々の生活を便利にしていることは疑いのない事実だと思います。
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日本を遠く離れたアフリカでも、あるフィンテックサービスが注目を集めています。ジンバブエを中心に事業展開を行っている、M-Vendr社をご紹介したいと思います。
アフリカならではのサービス
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M-Vendr社が提供するサービスは、国際間送金サービスです。自分のスマートフォンにM-Vendrのアプリをダウンロードして、M-Vendr社が発行するトークン(代用貨幣)を購入します。このトークンを海外に在住する人へ送ります。トークンを入手した受け手は、そのトークンで購買出来るものを自国で買います。M-Vendr社は様々な企業と提携しており、提携企業はトークンと商品を交換します。
我々日本人には余りピンときませんが、アフリカ諸国間での人々の移住は盛んに行われています。例えばジンバブエ人は、南アフリカ、ボツワナ、ザンビアなどへ出稼ぎに出たり、移住する人々がかなりの数、存在します。
これらの人々の需要を狙ったM-Vendr社のサービスは人気を博し、サービス地域を拡大していきます。また、アフリカ諸国の旧宗主国であるイギリスとのサービスも活況です。
M-Vendr社のサービスには2つの特色があります。1点目はM-Vendr社のトークンをやり取りする形式なので、送金が瞬時の内に完了する点です。現金を送金する場合、タイムラグが生じます。さらに送金の受け手は、現金を手にするため銀行へ出掛け、引き出した現金で商品を購入する必要があります。一方で、M-Vendr社のトークンならばスマートフォンで瞬時に受け取り、それを企業に送り商品をその場で受け取ることが出来ます。
もう1点は、トークンで交換出来るものに制限をかけられる点です。例えばジンバブエに居る両親が、自国にいる子供に送金したお金を電力代金や携帯電話代などの生活に欠かせないものに充てて欲しいと考えても、現金を受け取った子供が何を買うかまでは監督出来ません。しかしM-Vendrはトークンでは、買えるものを指定することが出来ます。
一見、使い勝手が悪いようにも思えるこの仕組みですが、インフラ整備などがまだまだ整っていないアフリカでは、逆に有益に働いているようです。
イギリスで学んだ技術をアフリカで活用
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M-Vendr社を起業したMichael Charangwa氏は、イギリスのリーズ大学を卒業した後、中国資本のファーウェイと、イギリスの旧国営通信会社ブリティシュテレコムで活躍します。
そこで学んだ技術を、自分のルーツがあるアフリカで生かせないかと考えます。Charangwa氏はアフリカの国々では貧富の差があり、人々が国境を越えて仕事を行ったりする点に目を付けます。
実際に出稼ぎに行っている人々の声を聞いたところ、海外送金で困っている人が多いことに気が付きます。しかし単純な海外送金事業に参入しても大手にはかなわないと考え、M-Vendr社のサービスを生み出します。
アフリカで海外送金を行っている実際のユーザーの声を反映したM-Vendr社のサービスは、瞬く間に広がりを見せます。
現在では10カ国でサービスを提供して、10万人ものユーザーがM-Vendr社のサービスを使用しています。提携企業も25,000店にも広がり、ユーザーの幅も広がっています。
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M-Vendr社の活躍に目を付けた企業がいます。世界で最もアクティブなシード投資ファンドでもある“500 stratup”です。50カ国1,500社のスタートアップに投資する“500 stratup”から、M-Vendr社は資金を調達することに成功します。
スタートアップの目利き企業でもある“500 stratup”から、お墨付きを貰ったM-Vendr社の次の一手に注目したいと思います。